手料理だけど、いいのかな

　悶々としている。
　離島で狂おしいのは知的好奇心の欠乏だと思う。
　文化の日に公開された『ゴジラー1.0』という映画。
　YouTubeで流れてくるレビューの数々に耳を塞いでスルーしているが、次第に内容が浸透してくる。
　駄目だ。今日は気晴らしに料理でもするか。

角煮

　離島では定期的に買い物に出かける。
　その都度に入手し難い材料を仕込んでくる。
　豚の厚切りブロックなどはそのひとつです。
　そして夜勤の多い生活なので、ぽっかりと空いた午前中には調理時間に充てるのが、とてもよい時間の使い方です。しかも今日は久々に大雨の荒天なので。
　角煮もシチューも全て電気圧力釜で調理します。　
　何しろ時間短縮には一番で。
　その調理中にはゆで卵を作っていき、鍋で煮詰めていけばいい。
　大根も一気に料理に投入できるので、独り暮らしで余らせて困ることも解消できる。

ボルシチ

　冷凍庫を探していると、茹でて冷凍してあるビーツが出てきた。
　ボルシチ用に準備しているけど、もう一年近く冷凍保存してある。
「貴方のボルシチが食べたい」と言ったその女性はまだ来島していない。こちらが内地へ入って何度か会ったけど。
　今日も使おうかと思ったが。
　いやいやまた機会もあるだろうと、冷凍庫に戻した。

マーマレード

　その女性に会いにいくときはケーキとか、冷凍したカレーがお土産になる。島にはあんまり特産物がない。
　いきおい手作りがお土産になる。
　そうそう島のお米は大層旨いので、バイクに括りつけて持参する。
　次に会えるのは年度末になるとは思う。
　バイクで行くか、車でいくか。
　手料理だけど、いいのかな。