男爵のヴィラ 1 #いやんズレてる
後ろ手に鍵を掛けられた。
堅牢なドアに相応しい重い音。
複数の鍵をひとつひとつ丁寧に施錠していく。
僕は大荷物を下げたまま振り返り、納めるべきパントリーはどこかと彼女に訊こうとしていた。
衣擦れの音とともに、彼女のワンピースが玄関に落ちた。
それから慣れた手付きで、ああそれもそうか、ブラを乱暴に外しパンティをはぎ取った。散歩から帰ってきた犬が、リードを自ら乱暴に外すような仕草に見えた。
New Jerseyの友人家で受けた電話で、互いに自己紹介をした。
「私は石