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恋愛掌話

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ふと気晴らしに恋愛小説を書いています。
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記事一覧

部屋キャンパー

 陸サーファーという言葉がありました。  大学生の頃に先輩がまさにそれで、赤いファミリアX…

百舌
5日前
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蠱惑の赤 2 #いやんズレてる

 ピッチが早い。  彼女の杯がすぐに空になる。  それでこちらも誘因される。  もう車を使…

百舌
12日前
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蠱惑の赤 1 #いやんズレてる

 かつて、すれ違いも愉しみでもあった。  携帯もスマホもない時代は、女子の家に電話をかけ…

百舌
2週間前
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おたくさの旅 2

 旅先では早朝に目覚めてしまいます。  連日で疲れているはずなんですけど。  生来の晴れ男…

百舌
2週間前
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おたくさの旅 1

 梅雨☂️がもう一歩に来ています。  離島のメロン🍈を佳い女子に届けたくて。  また叔母や…

百舌
2週間前
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男爵のヴィラ 2 #いやんズレてる

 普段通りの時間が流れている。  のは内面だけだ。  閉ざされた空間で全裸で過ごしている。…

百舌
3週間前
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男爵のヴィラ 1 #いやんズレてる

 後ろ手に鍵を掛けられた。  堅牢なドアに相応しい重い音。  複数の鍵をひとつひとつ丁寧に施錠していく。  僕は大荷物を下げたまま振り返り、納めるべきパントリーはどこかと彼女に訊こうとしていた。  衣擦れの音とともに、彼女のワンピースが玄関に落ちた。  それから慣れた手付きで、ああそれもそうか、ブラを乱暴に外しパンティをはぎ取った。散歩から帰ってきた犬が、リードを自ら乱暴に外すような仕草に見えた。  New Jerseyの友人家で受けた電話で、互いに自己紹介をした。 「私は石

ホワイトシチュー #いやんズレてる

 あたしさぁ、と乗ってきた。  裸の胸に彼女の髪がさらりと触れる。  その感触をなぞる様に…

百舌
3週間前
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甘い冒険

 最初はね。  やってみたかっただけ。  でも男子ってすぐにいないし。  それに一歩進んだ…

百舌
3週間前
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夜を疾走する

 もう10年も昔のことだ。  初めて横須賀を訪問した。  その街の何所かに、縁遠くなった女性…

百舌
4週間前
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繭玉祀り 1

 私は存在していたのかしら。  記憶さえ曖昧な乳白色の闇に包まれている。  時間の流れでさ…

百舌
1か月前
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Showroom ♯腐れ縁だから

 アームチェアで膝を組んでいる。  イームズのシェルアームチェアで、座面は織地で肌触りが…

百舌
1か月前
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郷愁のひと皿 3 ♯帰りたい場所

 早世した両親に代わってなのでしょうかね。  親戚でもないのに、40年余りも親しい家族がい…

百舌
1か月前
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郷愁のひと皿 2 ♯帰りたい場所

 早朝から峠を走る。  明治の空気が残るこの道に、愛車を連れていきたかった。  佐賀の鹿島市に浜宿というエリアがある。こうした蔵と店舗は古き良き匂いがする。お醤油を売っている醸造所から、ほのかに懐かしい香りが流れてきていて、堪らずに2本を求めた。  地酒も多数並んでいたが、体質的にアルコールが合わないので、そちらは素通りできる。    今日は佳い女子とのデートの日❤️  もう30年以上、付かず離れずの距離を保ってきた。  彼女に対しては性差を超えた、友情と恋愛の狭間にある感情