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ハロー!ジャパニーズメタル その13

プレゼンスの「ロック・ミー」(ROCK ME)は、アルバム「プレゼンス」(PRESENCE)におさめられた1曲。プレゼンスは1980年代はじめに活動を開始し、80年代後半に解散。2000年代に活動を再開しています。


プレゼンスはジャパニーズメタルの関西正統派です。ボーカリストはハイトーンボイス、ギタリストは超絶技巧、ベースはサイドギターのような奏法、ドラムはメリハリ、グサリ・グサリと迫力を刻む。

「ロック・ミー」のイントロはシングルトーンアルペジオのギターリフにベースとドラムがユニゾンしはじまる。軽快から重厚へと往復しながらAメロへつなぐ。

Aメロ、Bメロ、そしてサビに次のような歌詞が組み合わされます。抜粋するとA・Bメロには、Baby、ロックンロール、今夜、朝まで、ダンス、TONIGHT、今夜だけ。サビはロック・ミー、シャウトです。

人間関係は男女のやりとり、時間帯は夜から朝にかけて、私的体験は俺を狂おしてくれ、とジャパニーズメタルの世界観で具体的に歌唱されます。

ギターソロは速弾きからライトハンドの奏法まで長すぎず短すぎず要領を得たメロディを奏で歌につなぎます。

「ロック・ミー」のメジャーでのリリースは1987年です。本格的にバブル経済への入っていく局面です。変化を歌詞に盛り込みますが反時代的です。ビルの谷間にうごめいているロックンロール、街にあふれる嘘を今夜忘れてくれ、と

ジャパニーズメタルの世界観で「世の中へのNO!」を突きつける場合、スクールズ・アウトやバットボーイズという言葉が使われることがあります。

けれども対抗や反対への言葉や態度が空間の描写を通じて行われるプレゼンスの「ロック・ミー」は新しいジャパニーズメタルのあり方が模索されはじめた節目の至宝の一曲と捉えることが可能ではないでしょうか(諸説有り、解釈多様)。


プレゼンス「ロック・ミー」(ROCK ME)、アルバム「プレゼンス」(PRESENCE)の一曲

ハロー!ジャパニーズメタル
シティポップが海外から注目されています。70年代後半から80年代の日本のポップス音楽です。特徴は都会的な雰囲気です。
同時代に流れた音楽にジャパニーズメタルがあります。特徴は世界を目指す音楽です。こちらだって起源はイギリス、アメリカで洋楽志向。ブルース、ロック、ハードロック、ヘビーメタルと様式起源は異なるけれども、同じように日本語に乗せるのに苦労している。ジャパニーズメタルの至宝の曲をどうぞ。

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