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ハリー・スキュアリー(Hurry Scuary)「トップ・ドッグ」

ハリー・スキュアリー(Hurry Scuary)の曲「トップ・ドッグ」(Top Dog〜Reaching For The Sun)は「ブレイク・イット・アップ」というアルバムに入っている1曲です。

ハリー・スキュアリーは超絶ギタリストの存在に注目が集まりがちですが、ボーカルはハイトーン歌唱、ベースは重厚、ドラムはパワフル。正統派ハードロック/ヘビーメタルなバンドです。1980年代より活動を開始しています。

至宝の一曲「トップ・ドッグ」
オープニングからキーボードが曲を引っ張っていきます。ギターとベースはバッキングにまわり、ドラムは一定のリズムを築きます。

曲を聞いた時にジャパニーズメタルではあまり聞かない曲調では?と感じました。

オープニングのキーボードのフレーズはたいてい「諸説あり」ですがギターが演奏するのがハードロック/ヘビーメタルのセオリーです。

スタジオ録音作品のためギターのオーバーダビングが出来ます。ギターがバッキングにまわっていても、もう一本のギターでそのフレーズを弾くことができるのに、なぜキーボードなのか不思議だなと。

キーボードはサビの前まで反復的に続き(まさにリフ)、サビになると装飾的に演奏されます。

歌詞は日本語ではなく英語です。当たり前ですがボーカルは英語で歌います。

ボーカルにコーラスエフェクトがかかっています。天地左右あらゆる方向に拡散的な広がりを感じるというよりも、ボーカルの直線的な歌い方に結びつく広がり、つまりフリンジ的なそれです。サビ部分のコーラスの合わせ方も主メロディに輻輳させて上行していきます。

ボーカルの扱いも聞き馴染みがなく不思議な感じです。

ジャパニーズメタルの名曲の数々と比べると曲調が違うと感じませんか?映画のサントラとして録音され、それに影響を受けた側面があるとは思いますが。


ギタリストに付けられたあだ名は「和製イングヴェイ」、バンドサウンドは「北欧メタル」でした。

当時のジャパニーズメタルファンがそのあだ名を受け入れたように(諸説あり)、他のメタルバンドとの違いを感じていたのではと思います。先祖のイギリスとアメリカと違うな、と。
最近、日本語版「トップ・ドッグ」を聞いてこのような録音があったんだと、と新鮮な驚きがありました。

ハリー・スキュアリー「トップ・ドッグ」(Top Dog〜Reaching For The Sun)、1988年リリース、アルバム「ブレイク・イット・アップ」の1曲

ハロー!ジャパニーズメタル

シティポップが海外から注目されています。70年代後半から80年代の日本のポップス音楽です。特徴は都会的な雰囲気です。

同時代に流れた音楽にジャパニーズメタルがあります。特徴は世界を目指す音楽です。こちらだって起源はイギリス、アメリカで洋楽志向。ブルース、ロック、ハードロック、ヘビーメタルと様式起源は異なるけれども、同じように日本語に乗せるのに苦労している。ジャパニーズメタルの至宝の曲をどうぞ。

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