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ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ④~ 出発編

いよいよ、日本を出ます。

■ 出国

6/14 18:00 成田空港集合。池内氏、佐藤氏と落ち合う。私一人の荷物の総量は、合計45kg。ハバロフスクまでの超過料金で24,000円とられてしまう…。仕方ないが、手痛い出費。佐藤氏は私よりも少し重いくらいの荷物。そりゃそうですよね。
と、ふと池内氏の荷物をみると…。
「えっ?それだけ??」
なんと40リットルくらいのザックとカメラカバンのみ。さすが、自称50回はロシアに行っているというつわものは違う…。

続いて、海外旅行保険のカウンターで保険に入る。
「登山とか危険なことはしないのですが、携帯の通じない奥地に行きます。レスキューが頼める保険はありますか?」
と、よくわからないことを聞き、カウンターのお姉さんもよくわからないといった顔で対応してくれた。
しかし、このとき、よもやあんな絶望をフィールドで感じるとは思いもしなかった…。約款はよく読んで決めるべきである。

20:00 定刻通り、仁川へ向けて出発

■ トランジット ~仁川~

22:20 仁川着。夜のため全貌は見えなかったが、でかい空港であるのはわかる。こりゃ、成田じゃ勝てへんわ。
ターミナル内のトランジットホテルに宿泊しようとするも、一人一室119ドル。ほんの数時間ねるだけなのに、そんなん払ってられるかと、少し散策すると、上の階に、仮眠スペースを発見。こういう施設もそろってるのか。
さすが、アジアのハブ空港を目指しているだけある。こりゃ勝てへんわ、成田。

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しばし休息。5:00起床。7:00から店が開き始める。朝飯、ユッケジャン。
10:30 仁川発。いざ、ロシアへ。残念ながら曇で、ほぼ何も見えず。おそらく、ビキン川周辺か?と思われるところで晴れ間が出てくる。憧れのビキン川であれば、今すぐパラシュートで降下しても良い。

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高鳴る鼓動。いよいよロシアに来たのだ。
しかし、浮かれてばかりもいられない。
ついて早々、6/17に保護区設立20周年記念行事で発表をしなければならないらしいので、「日本のガン類、ツル類の現状」「なんで今回、コクガン調査に来たのか?」という二本立てで発表を組み立てる。久々の英語での発表なので、ある程度原稿も作っておかねばならない。

■ ハバロフスクでトランジット

13:30 ハバロフスク着。憧れのロシアの大地!第一歩!

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入国審査の審査官は、女スパイのようなキリッとした女性。どうせ時間はあるので、できるだけきれいな人のところに並ぶ。しかし、審査官は終始無言でにこりともしなかった。何を期待したわけでもないが、残念。クールビューティ。
次の目的地ヤクーツクへは、21:30の飛行機であったため、町にでることに。国際線ターミナルでタクシーにのり、いったん国内線ターミナルに向かい荷物をクロークに預ける。6こで1600ルーブル。高いのか安いのかわからない。その間、タクシーには待っててもらった。
町は、さすがヨーロッパ!という雰囲気。露店で買ったピロシキ(30ルーブル)とクバス(ノンアルビールみたいな飲み物。15ルーブル)を食べながら、町を歩く。中心街では、ツーリストイン、本屋、バザールなどなど。
バザールでは、サケが大量に売っている。キングサーモン(チャグイチャ)2000ルーブル/kg、ベニザケ(ニェルカ)1500ルーブル/kgといった具合だ。

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これがロシアか!これから先の行程でも買えるだろう。
そう思っていたが、これから行くヤクーツクは、北極圏にそそぐ川なので、サケは上らないらしく、ヤクーツクにはサケは売ってなかった。

ついでに、アムール川が見える広場へ。

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これがかの有名な流氷のおおもと、アムール川なのか。対岸は中国か。壮大なながめ。いよいよ調査にきたのだという実感がわいてくる。

19:30空港戻り。ぷちロシア堪能。チェックイン時に、何やら話しかけてくるおばちゃんが。ロシア語は全く分からないが、池内氏によると、これから会う、カウンターパートのロシア科学アカデミーの研究者の知り合いなのだとか。ほんまか??
よくわからんけど、4人で一緒にチェックインしてくれて、荷物超過も4人で23kg、300ルーブルに押さえてくれた。ありがたや。

小腹がすいたので、ホットドッグとタイガービールを購入し、一息。ホットドッグのソースを迷ってたら、「フショ!」といわれて全部かけられた。ロシア式のサービスか!

21:30 ハバロフスク出発。
うすぐらいけど、出発して早々、眼下にはアムール川。

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日本はちっぽけだなぁ。

22:49 ヤクーツク到着。
夜11時なのに、みょうに薄明るい。北緯62度まで来たのだと実感。
ロシア側の受入組織、ロシア科学アカデミー永久凍土研究所鳥類学室のインガ・ビシカトバ女史が迎えに来てくれた。

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もう遅いので、宿まで送ってくれて今日はバイバイ。ヤクーツクでは、夜8時以降はお店でお酒が買えないらしく、途中バーに寄ってくれて、ビールを何本か購入し、ようやく宿へとたどり着いた(バーで飲んだり、買って持ち帰るのはありらしい)。
宿は、普通の3LDKくらいのマンションを民泊のように貸し出しをしているところで、1室1泊2500ルーブル。

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とりあえず、無事、第1目的地のヤクーツクに到着!!
ようやくスタートラインか??
つづく

ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ①~ はじまり編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ②~ 資金集め編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ③~ 準備編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ④~ 出発編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ⑤~ ヤクーツク編

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