@@2022/02/21(月) ウクライナの危機、守銭奴企業の諸国の国民・国家の奴隷化

この論考は、表題のごとく、ロシアによるウクライナ侵略開始の三日前に書いて、facebook等に公開したものです。

■ウクライナと中国は30年来の友好関係 & 中国とロシアが蜜月関係になっている
 米国の軍産複合体の奴隷化した民主党中道勢力がUSA政府を支配していることによる害悪の最も甚だしきは、昨今のバイデン大統領や国務長官の執拗な挑発です。
知る人ぞ知る遠藤誉先生による正しいと確信できる論説を前回紹介しました。↓に再掲
1)モスクワ便り―ウクライナに関するプーチンの本音 https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220214-00282069
2)なぜアメリカは「ロシアがウクライナを侵攻してくれないと困る」のか https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220220-00283005

 これら優れた考察に加えてもう一つ紹介します。
3) 習近平はウクライナ攻撃に賛同していない――岸田内閣の誤認識 https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220219-00282900

 中国が最初に持った空母はウクライナから買ったことは良く知られてます。このとは私すら存じてますが、遠藤誉先生の 3) の言説から沢山のことを知りました。極めて大切な内容なので是非ともお読みください。
 ソ連が崩壊した1991年12月、その直後の1992年1月4日にナント、中国はウクライナと国交樹立していたのだと。自分は国際政治に大いに関心があり勉強してきたつもりですが知らなかった・・。それどころか、ソ連崩壊前においてウクライナの軍事産業はソ連において極めて大きな比重を占めていたこともわかりました。崩壊によりウクライナの軍需産業/軍事技術研究者は失業しそうとなり、ナント、中国政府が沢山のウクライナ技術者を中国に招聘・雇用していたとのこと。
 中国語を日本語と同水準で駆使する遠藤先生は、ウクライナ・中国の軍事的友好関係を記している中国語のネット記事(2022/2/8付け) https://www.163.com/dy/article/GVMA339R0543L370.html を翻訳して 3) に載せてます。

/********* 引用開始 ******/
●旧ソ連時代のウクライナの軍事産業は実に輝かしいものだった。ウクライナの軍事産業は旧ソ連の軍事力の30%を占めていた。ウクライナの多くの企業や研究機関は、主に機械製造、冶金、燃料動力産業、ハイテク部門に集中し、特にロケット装置、宇宙機器、軍艦、航空機、ミサイルなどの軍事製品を生産することに特化していた。
●しかしソ連崩壊と同時にこれらの世界トップクラスの技術者を養っていく力はウクライナには無くなり、多くの最高レベルの技術者が中国に非常に恵まれた好条件で呼ばれ、中国で活躍することになったのである。
●ウクライナはまた軍艦を建造する能力が非常に高かった。 ソ連の6つの造船所のうち3つはウクライナの黒海沿岸にあった。特にニコラエフ港にある黒海造船所は、ソ連で空母を建造できる唯一の造船所だった。ソ連崩壊後、ウクライナの専門家の多数は、中国に厚遇されて迎え入れられただけでなく、航空母艦も低価格で中国に渡し、改修に関しても全面的に協力したのである(引用以上)。
/
引用終了 ***************/

遠藤先生曰く、"中国の軍事力はアメリカのペンタゴンが「ミサイルと造船に関してはアメリカを抜いている」と報告書に書くほどまでに至っている"。
すなわち、ロシアがウクライナに軍事侵攻することは、ウクライナ・中国の親密な関係、そして中国とロシアの蜜月からして考えられないわけです。
 ただし、あまりにもバイデン政権が煽るので、プーチン大統領が「米国の望むまま」に侵攻することがロシアにとって総体的に利益となると判定する公算が小さくはありません。つまりアメリカにとってもロシアにとっても利益になるとの計算で限定的な軍事侵攻をする。
 というのは、ロシア軍がウクライナのロシア人居住地域に侵攻したならば、ロシア軍が同地域を簡単に制圧できます。結果、同地域をロシアが併合するか、あるいはウクライナと交渉して同地域のロシア人の自治容認を条件に併合はしないでロシア軍は撤退。このようなことこそ、米国の軍産複合体にとって大歓迎でしょう。軍産の奴隷化しているバイデン=民主党中道派はそうなることを望んでます、おそらく。言ったとおりにロシアが蛮行をしたと宣言し、米国は「正しかった」と素朴な諸国民は納得することでしょう。
 バイデン政権とご主人なる軍産複合体はロシアとアメリカの戦争なぞ絶対にないとわかっているし、そんなこと望んでません。ウクライナへのロシア軍侵攻が現実になってもNATOという集団的防衛条約に加盟してないウクライナに対する戦争にNATO軍が参戦することは、国連憲章違反だとわかってます。
 つまり、ロシアの軍事侵攻が現実化しても、NATOがウクライナのために参戦することはありえないのであり、NATO加盟国は失うものがありません。ロシアが野蛮国だとの印象が強まり、対ロシアで軍備増強をする口実が軍産複合体の奴隷化したバイデン政権にとって可能となり、現実にそうすることでしょう。すなわち、ポーランド等のNATO加盟国への米軍増強がますます強まり、ポーランド等の諸国は米軍駐留に関しての国庫支出が激増することになります。軍産複合体の売り上げ・経常利益が増え、バイデン政権というか民主党への政治献金も増大するわけです。
 で、ロシア及びアメリカにとってのウクライナへの限定的軍事侵攻のメリットもあります。遠藤誉先生が言う通りです。天然ガスを諸国に売ることができているのは中東産油国、ロシア、アメリカが主。今の時点ですらウクライナ危機創出により、天然ガスの価格は高騰しており、ロシアも米国もホクホクです。EU諸国がロシアからパイプラインで天然ガスを買う価格と、アメリカから船で輸入する価格では、前者が圧倒的に安い。
 遠藤先生が指摘されているようにロシアと中国はロシアが中国に天然ガスを売却することについての協定を結びました。ドイツ等が米国に強要されてロシアからの天然ガス輸入を削減・遮断するとしても、そもそも天然ガス価格がいまでも高く、そうなればますます高額になります。ロシアはEU/NATO諸国による天然ガス輸入削減あるいは禁止になっても、中国に輸出することだけで相殺できるわけです。EU/NATO諸国の中にはロシアからの天然ガス輸入の削減はできない国も沢山あります。すなわち、EU/NATO諸国の少なからずはロシア敵視政策の貫徹により経済的に著しい被害を受けます。
 このようにEU/NATO諸国(米国以外)にとってウクライナへのロシアによる軍事侵攻は害悪なのですが、もう一度言います。天然ガス輸出国である米国にとっては経済的にメリットがある。ロシアにとっては中国に売ることでEU/NATO(米国以外)諸国による天然ガス輸出利益が完全に相殺されるとは思えません。
 結論として、ロシアのウクライナ侵攻によりもっとも利益を得るのは米国であり、損するのは天然ガスをロシアに依存するヨーロッパ諸国であり、ロシアの経済的デメリットはたいしたことがないのです。

■補足1: 第二次大戦後の米国の対ソ連・ロシア政策
 トルーマン政権からしばらく、米国はソ連がマルクス・レーニン主義による世界支配を目指していると誤った理解で軍事力第一の封じ込めをしました。スターリンが政権奪取してから最初のころは共産主義による世界支配をレーニンのように追求してましが、1937年の大粛正でわかるように個人的に全体主義的支配することが最優先となり、その後は昔ながらのロシア帝国主義に回帰しました。その仮定でソ連共産党員においても一部のロシア国民においても共産主義の理想は消滅しました。もちろん言葉ではコミンテルンもソ連政府も米帝国主義・資本主義を死滅されるとのような宣伝を継続してましたが、そのような宣伝の本意はソビエト・ロシアを守り、利益を増進する手段に過ぎなかったことは、今ではわかります。ジョージ・F・ケナンのようなロシア通かつ共産主義通の専門家はソビエトロシアの変質を1930年から1945年まての間に看破してました。だからこそ、ケナンは戦後のトルーマン政権に対して、ソ連封じ込めを提唱しました。ケナンが主張した封じ込めは軍事同盟によるロシア脅迫ではなくて、政治・経済・文化的な距離感を置くことによる様子見だったと思います。ソ連は帝国主義という昔ながらの本質に回帰したのであり、共産主義なるイデオロギーなぞ既に捨てたとケナンは見抜いたのだったと確信してます。

 ソビエトロシアとの思想闘争は無かった、言い換えるとソ連が西欧諸国を侵略する可能性は全く無かったのに、米国と西欧諸国は誤った理解で軍事優先、つまり NATO を創りました。そもそもNATOは後からみて不要でしたが、NATOが創られたことによりソ連は経済力の能力を超えて軍備増強に励むことを強いられ、原発の安全確保について西側ほどに技術力・金力を注入できなくて、チェルノブイリ原発事故(in ウクライナ)が起きて、それがソ連崩壊の一大要因になったと思われます。
 大事なことは NATO 創設がなかったら冷戦はあのような形ではなくて、今のロシアのごとく普通の帝国主義ソ連であったであろうこと。言い換えると冷戦をもたらしたのは NATO 創設という過ちだったと私は確信してます。単なる帝国主義ソ連ならば、ケナンが提唱する意味でのソフトな封じ込めでよかったわけてす。
 そもそもソ連共産党はロシア国民の多数派から信頼されてなく、共産主義イデオロギーは1930年代後半にはロシア国民のほとんどから嘘・方便だと看破されていたので、ソ連共産党による全体主義支配の消滅は25年以内に実現していたと思います。ところが、トルーマン政権とその後の米国連邦政府がソビエト・ロシアはイデオロギーとしての敵だとみなし、軍事同盟中心で断固としてソ連に敵対することにしたために、アメリカ・西欧諸国が望むところの真逆にソ連が延命することになった、このように私はみています。

■補足2: 米国の対中国共産党政策
 ニクソン政権からオバマ政権までの米国連邦政府は、中国共産党は自由と民主主義の敵なる全体主義政党であるが通商をすることによりだんだんと全体主義の度合いは弱まるだろうと期待し半ば信じてました。もちろん、中国共産党が自由民主主義の方向に向かうとは思ってなかったでしょう。私が云うところの全体主義の要素は以下の通りです。

a)言葉や行動で明確に敵対する個人/組織/(少数)民族等を「法律」を根拠として逮捕・投獄する→裁判により有罪判決を下して禁錮・懲役[強制労働]・洗脳のための収容所送り
 ※当該全体主義国においてはこのような蛮行は「合法」です

b)言葉や行動で明確に敵対する個人/組織/(少数)民族等に対して、「法律」の既定を無視して、警察and/or"存在が隠されている執行機関"に命令して、殺害・暴行・投獄したり、「再教育キャンプ」(人格破壊手段を駆使して洗脳することが目的)に送る
 ※そのような全体主義国においてすら違法ですが、全体主義政権には遵法概念は
 なく、目的が手段を正当化するわけです。

c)言葉や行動で明確に反対しない人々のうち、積極的に政権を賛美しない人々を潜在的な敵とみなす
例えば→ソ連共産党大会とか中国共産党大会に集まった共産党員の中で、立って拍手しない人物を敵と認定して厳しく取り調べる。
例えば→そのような大会に参加した共産党員が立って拍手しているとしても表情が本気な賛美で無いと見えると危険視して、取り調べる
例えば→地域の共産党組織の集会にて、本気で賛美しない共産党員に対して同様の対応をする
 ※旧ソ連や今の中国において、共産党員でない一般市民については、
 ソ連だと一億人以上、今の中国では9億人以上もいるために全員の
 監視は物理的に不可能なので、相互監視・密告の奨励にとどめる
 ただし、現在の中国においてはインターネット空間においての
 SNS での言動監視が可能になっているために、中国政府は効果的に
 監視できている。中国国民の中で共産党の政策に反対の人々は
 SNSでの言動が政府により監視されていることを知っているために
 裏をかく技術を向上させている。
 
d)言論や集会などの基本的自由を認め無い、そのような自由を圧殺する
 ※もちろん全体主義政権を賛美する"自発的"集会や個人的言動は容認

d)自由の圧殺では足りなくて、洗脳により心の中まで支配しようとする
・学校、職場等における全体主義政権の方策が正しいと証明するための"学習"強要・義務化
・学校、職場等における全体主義政権賛美の詩/作文等の作成奨励
・学校、職場等における全体主義政権に敵対する人物の発見奨励・強要、そのような人物に関しての密告奨励・強要

e)民主主義という考え方自体の圧殺・禁止
・国の構成要素(国民、国家、国土という自然環境)の一つである国家は、国民と国土(環境)を守るための道具だという考え方そのものを禁止する
・国の主人は国家であり、国家の主人は全体主義政党だという考えを絶対に正しく、譲れない原則だとみなす 
 ※国の主人は国民であり、国家は国民の奴隷・道具というのが欧米先進国では
 常識。日本や韓国という非先進国はその水準ではないものの先進国に中国より
 は近い
・一市民、組織、民族集団が自分のことは自分で決めたいと主張することを禁止し、そのようなことを唱える人物・集団を法律により逮捕等したり、法律を無視して逮捕等する
・国家の意思や法律は人民を代表するための選挙で当選した人々による決めるべきだと提唱することを禁止し、そのようなことを唱える人・集団を法律に依拠して逮捕等したり、法律を無視して迫害する

■補足3: 米国の軍産複合体と超国家企業による米国連邦政府及び民主党と共和党の奴隷化
 犬は餌を与えるご主人を、子供が母を慕うように本気で慕います。犬を飼う主人は本気で愛するからです。
 子供は父をも慕いますが、母ほどではありません。父が子供を叱ると恐れおののくように、叱られた犬は怖がります。子供は父を母ほどは慕わないし、父を恐れる・畏れる子供は少なくありません。父は子供に対して厳しい道徳を教え込む傾向が強く、子供にとっての父とは一国における法制度と警察みたいなところがあるからです。

 皆様ご存じのように、1980年代のレーガン政権/サッチャー政権/中曽根政権を典型として、西側先進国(自由と民主主義の国々)及びアジアの商業工業国(韓国、日本、台湾等)の諸政府(政権政党)の最優先課題は、守銭奴企業の利益拡大となり、今日までその流れが継続しています。顕著な現実は以下の通り。基本的には順番があり、順番が一巡してからは、もはや始まりがなんであったか、研究者ないしは鋭い人でないとわからなくなってます。

1st 守銭奴企業による諸政党、官僚、マスコミ、学者(大学・大学院などの教育機関、公的及び私立の)買収強化⇒それらの奴隷化・犬化
 ・政党は政治献金で
 ・マスコミには広告費と株式投資で
 ・官僚には天下り、ただし米国にては回転ドア人事⇒守銭奴企業重役が中央政府の規制機関のトップに就任等。

2nd 条約 treaty/pact、法律 law、政令 decree、省令 ministerial order、行政規則 administrative order、行政命令 executive order、行政指導 administrative directive/advice の商品化

以上の 1st, 2nd が繰り返される positive feedback が継続して、欧米・韓国・日本の国民&国家は超国家企業および自国内巨大企業の奴隷化してきました。雇用の非正規率が高まり、1%の富裕層による金融資産占有率及び平均的労働者に対する年間所得比が激増。

澤田石 順(さわたいし じゅん。秋田高校山嶽部出身、"無い科医") jsawa@nifty.com
-Twitter⇒ https://twitter.com/sawataishi
-HP(リハビリ訴訟、TPP・原発反対等)⇒ http://jsawa.my.coocan.jp/medical/
-facebook⇒ https://www.facebook.com/jun.sawataishi
-twishort(長文tweet) ⇒ https://twishort.com/user/sawataishi
-note(政治からワクチンまで様々な話題) ⇒ https://note.com/sawataishi

/** 澤田石 順の所属や連絡先等 **/
▼ME/CFS・FM・HPVワクチン接種後等の患者さんたちが身体障害者手帳を
  取得するための「指定医」用マニュアル→ https://note.mu/sawataishi/n/nb8e054e95491
▼所属: 全国医師ユニオン http://union.or.jp/
  東京保険医協会(勤務医委員会) http://www.hokeni.org/
  医療制度研究会 http://www.iryoseido.com/
  NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会 https://mecfsj.wordpress.com/
  線維筋痛症友の会 http://www.jfsa.or.jp/
  ポリオの会 http://www5b.biglobe.ne.jp/~polio/
  CFS支援ネットワーク http://cfs-sprt-net.jimdo.com/
▼職場: 鶴巻温泉病院/回復期リハビリテーション病棟専従医(2002年2月~)
  〒257-0001 神奈川県秦野市鶴巻北1-16-1
   電話: 0463-78-1311 (こちら優先) [ 080-9433-5973 も可]
▼自宅:〒227-0048 横浜市青葉区柿の木台10-5-503 Tel/Fax 045-971-3572

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?