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✅30代女性【私がパワハラ? 注意され】を選択理論でコーチング人生案内#125

「30代の女性看護師。今年から後輩を指導する立場に昇格しました。しかし、数か月後に上司に呼び出され、私の言動でストレスを抱えているスタッフが多数おり、パワーハラスメントに相当すると注意されました。」

 寝耳に水でした。患者の容体が急変した時などに、言葉が二の次になることもありましたが、自分なりに気をつけているつもりでした。しかし、不眠や 動悸どうき の症状に悩まされているスタッフもいて、私と一緒に働かないようにするなど、勤務表も大幅に変更されました。

 後輩に仕事を教えることが自分の役割。どういう言い方なら、相手の気持ちを害さずに真意を伝えられるのか分かりません。職場が、自分より勤務経験の浅いスタッフの肩を持つことにもショックを受けました。自分の言動をどう変えるべきなのか、気持ちの整理がつきません。(千葉・I子)

(2022年7月1日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】


相談者の「困りごと」

・後輩を指導する立場に昇格したが、自分の指導が、多くのスタッフに対してパワハラになっていると注意され、後輩に教えることが自分の役割なのに、自分の言動をどう変えるべきか、気持ちの整理がつかなくて、困っている。

・職場が、自分よりも経験の浅いスタッフの肩を持つことに、ショックを受けて、気持ちの整理がつかず、困っている。

相談者の「願いごと」

・自分の言動がパワハラだと言われたこと、職場が自分よりも経験のスタッフの肩を持ったこと、などに対して、自分の気持ちの整理をつけたい。

・どういう言い方なら、相手の気持ちを害さずに真意を伝えられるのか、後輩に仕事を教える方法を知りたい。

相談者が満たせていない(満たしたい)基本的欲求


(力・自己価値の欲求、愛所属の欲求、自由の欲求)

【選択理論のコーチング三角モデル】

【選択理論の考え方】

・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
 
・自分には、未来に向って自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

・相手の行動を変えられるのは相手本人であって、他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ、と考えましょう。

・相手を批判したり、強制したり、脅したり、文句を言ったりすることはやめましょう。

・自分が満たせていない、自分にとって大切なニーズや価値観、欲求が何か、を考えましょう。

・相手が満たせていない、相手にとって大事なニーズや価値観が何かを考えましょう。

・「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し貢献しましょう。

・相手の行動も、自分のと同じく、ニーズや価値観、欲求を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。 

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・「パワハラだと言われた事実」、「職場が自分より経験の浅いスタッフの肩を持った事実」に、自分が振り回されて、困っている。

・自分が後輩の指導のためにしていることについて、自分でもよく把握できておらず、なぜ、パワハラと言われるのかが、納得できていなくて、困っている。

・自分がどういう上司になりたいのか、どういう後輩指導ができるようになりたいのかなど、自分の願いごとがはっきりしていないために、願いごとが叶わず、困っている。
  
(困りごとのパターン:自分が振り回されている、願いごとが叶わない)
 

以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。

【心に響く回答者(増田明美さん)の言葉】

 あなたはすごく真面目な人なのだと思います。後輩の皆さんをしっかり指導しなきゃ!という思いで、一生懸命に仕事をしている様子が分かります。

 私も結構自由にしゃべってしまう方で、「自分はこのぐらい言われても大丈夫だから」と思って相手に言ってしまい、不快な思いをさせてしまうことも。あなたも、自分を基準に大丈夫だと思って、知らないうちに相手を傷つけてしまうのかもしれませんね。

 それは、パワハラの知識がないだけだと思います。対策として、研修を受ける必要があります。法律により、4月からパワハラ対策をとることが、全ての事業主に義務づけられています。研修もそのひとつです。

 多くの名ランナーを育てた小出義雄さんの指導を長年みてきました。小出さんは練習中、とにかく褒めます。「いいね」「最高」など、短い言葉で選手を乗せるのです。そして練習後、他の選手がいない場所で丁寧に悪かったところを話していました。

 「褒めるのは人前で、叱るのは陰で」。真面目なあなたは、ちょっとしたコツをつかむだけで、頼れる上司になれると思いますよ。ファイト!

(2022年7月1日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・今回の件では、ご自分としてよかれと思って、自分なりに一生懸命にやってきた後輩指導を、きびしく否定され、大きなショックを受けられている一方で、なぜ、自分が否定されたのかについて、自分でも納得がいっていないようにも感じられますが、どういうことがわかれば、今回のことに、自分としても納得がいきそうですか?

・後輩に対する指導が、自分には思いもしなかったパワハラに該当すると言われたことが、本当は、もっと早く、伝えてもらうことができれば、ご自分としても、もっとショックの小さい形で早く改善できたのかもしれませんが、今回、職場から厳しい対応をされたことは、将来に向って、あなた自身や、後輩たち、職場にとって、どういうプラスの面がありそうですか?

・職場から見た場合、「経験豊富な上司クラス」と「経験の浅いスタッフ」のどちらが大事なのでしょうか? そこに差を付けることに、職場としてどんなメリットやデメリットがありそうですか? 職場が望んでいることは、どういうことだと思われますか?

・あなたが、今のお仕事を選ばれた理由は何ですか? 今のお仕事は、あなたの生活や人生にとって、どういう意味を持ち、どのくらい大切なものなのですか? 

・将来、今の職場や、今のお仕事で、どういう立場や、どういうお仕事ができるようになりたいと思われていますか? なぜ、そのように思われているのですか?

・今のお仕事を通じて、どのように社会に対して貢献していきたいとか、抱負を持っていらっしゃるのですか?

・今回のことを、将来に向って、自分の成長のきっかけにできるとしたら、ご自分としては、例えば、3年後、どのような職場人として成長していたいですか? そのためには、今回のことからどういうことを学べそうですか?

・後輩たちからは、どういう上司として見られたいですか? 後輩にとって、どういう存在でありたいですか?

・直近で、自分の言動が厳しかったかなと思われたのは、いつ、どういう場面ですか? そのときの、あなたと後輩の言動のやりとりや、自分と相手の表情、態度などを、ビデオカメラで見るように描写したら、どのようなやりとりでしたか? それを鮮明に思い出したとき、どんなことに気づかれますか?

・あなたが、モデルにしたいような「後輩指導の上手な先輩」はいらっしゃいますか? その方は後輩に対して具体的にどういうふうな態度をとり、言葉を掛け、指導をされていますか? そこから、どんなことが学べそうですか?

・今回のことをバネにして、ご自分として一回り、二回り飛躍することができたとしたら、3年後、どんな上司になれていそうですか?

・3年後、あなたが願っていた「上司」に成っているとして、「3年後のあなた」から「今のあなた」を見たとき、どんな声を掛けてあげたいですか?

・あなたが将来に向って、上記のような歩みをしていくとき、横で伴走してくれ、話を聴き、質問をしてくれ、フィードバックや情報提供をしてくれるコーチ役の人が居てくれる場合と、一人で頑張る場合を比較すれば、どんな違いがありそうですか?


今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


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