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60代女性の【夫が不倫 仕返ししたい】をコーチングするとしたら?

😞 今回は、「繰り返し不倫を続ける夫に振り回されている?」という事例です…🙂行動の選択理論でコーチング人生案内#175

 60代の女性。2人の子どもを育てて、現在は管理職。かわいい孫と同居し、充実した生活を送っています。

 しかし、一つだけ解決できず、もんもんとしていることがあります。夫の不倫です。自分で選んだ相手だから辛抱しなければと思ってきましたが、元来の女好きのようで、最近、もう無理と思う場面が多々あります。今まで何度も離婚を考えましたが、そのたびに何か別の問題が生じて機会を失ってきました。運のいい男です。踏み切れなかった自分にも腹が立ちます。

 夫は60代半ば。家では優しいじいさんですが、不倫は続行中。近くに住んでいる義母に罪はありませんが、つい世話をしてしまう自分を腹立たしく思います。

 一生このままなのでしょう。でも、何か仕返しをしたいのです。夫が先に死ぬとは限りません。少しでも胸がスッキリする方法はありませんか。(大阪・N子)

(読売新聞2022年9月28日)

✅次のようなプロセスで、相談者の答えを引き出す質問、コーチングの展開を考えてみました💦


▶︎ 相談者が話したい「困りごと」を受けとめ、まとめると

・女好きで、今も不倫を続ける夫に、最近、もう無理と思う場面が多々ある。

・今まで何度も離婚を考えたが、そのたびに別の問題が生じて機会を失ってきた。踏み切れなかった自分にも腹が立つ。

・近くに住む義母に罪はないが、つい世話をしてしまう自分を腹立たしく思う。

・一生このままなのかもしれないが、何か仕返しをしたいものの、できなくて困っている。

▶︎「困りごと」を「願いごと」に転換して、話してもらうと

・家では優しいじいさんである不倫夫に、何か仕返しをしたい。少しでも胸がスッキリする仕返しの方法を知りたい。

▶︎ 相談者の「困りごとのパターン」を考えてみると

  • 願いごとが叶わない、願いごとが不明確

  • 相手に振り回されている

  • 「踏み切れない自分」に自分が振り回されている
    (注:この「自分」は、自分の気分や感情、喪失感、記憶、思い込み、心理的な症状、もう一人のダメな自分、完璧主義の自分などを指す)


🚩 ①相手の困りごと、願いごとの話を受けとめたうえで、②次の質問や展開をしてみること、を考えました

・今まで不倫を続けながら、妻から離婚される危機を何度も乗越えて、家で優しいじいさんをしているご主人には、本当に、はらわたが煮えくりますよね。

あなたが、少しでも胸がスッキリする仕返しの方法を知りたいといわれるのも、同じような目に遭っている奥さんなら、皆さん当然だと思われるのではないでしょうか。

・もし、あなたのご友人で、あなたと全く同じように、夫の不倫に悩み、仕返しがしたい、また、家庭の状況も同じ、という人から、あなたが相談を受けたとしたら、あなたは、その友人に、どのようなアドバイスをしてあげますか?

・ところで、話は飛びますが、もし、あなたが、「理想の仕返し方法」を見つけることができて、それを実行し、「胸がスッキリすることができた」として、あなたの積年の願いが十分に達成できたときには、あなたはどういうご自分に変われそうですか?

そのときには、どんな気持ちになることができ、そして、その後の生活や人生では、どんなことをしたいのですか、また、できそうですか?

ぜひ、「仕返しが成功した暁」に、心機一転して、あなたが、その後、どういう人生を歩みたいか、いろいろな願いごとを挙げてみてください。

・一方で、「あなたが現在手に入れているもの、手に入れていること」で、たとえ「仕返しは断固実行する」としても、これから先も、ずっと失いたくないもの、失いたくないこと、例えば、2人の子どもとの良好な関係、現在の管理職のお仕事、かわいい孫との同居、充実した生活、など、どんなことでも、「現在は手に入っていて、これから先もずっと失いたくないもの」にはどんなものがあるでしょうか? これもできるだけ挙げてみてください。

・「離婚に踏み切れなかったこと」、「義母の世話をしてきていること」など、「踏み切れなかった自分」「つい義母を世話をしてしまう自分」が腹立たしいと思われることも、よく分るような気もします。

それはそれとして、一方で、「離婚に踏み切らなかったこと」「離婚に踏み切らなかった自分」、「義母の世話をしてきたこと」「義母の世話をしてきた自分」などを考えた場合に、結果的に、それらが、かえって「よかった」ということはありますか? 

そのようなことを考えるのは、気持ち的に、ちょっと難しいかもしれませんが、思いつくものがあれば、挙げてみてください。

・上の問いで、「離婚に踏み切らなかった自分」「義母の世話をしてきた自分」を少しでも肯定的に捉えることができ、また、そのような行動も、「そのときの自分としては精一杯の行動」であったと考えることができたとしたら、あなたは、もう一人の「精一杯がんばってきた自分」に対して、どのような優しい言葉をかけ、勇気づけてあげたいですか?

心の中の「もう一人の自分(あなた)」は、あなたにどんな心の内を伝えたいでしょうか。

・「不倫を続けてきた、仕返ししたくて仕方がない夫」が、それはそれとして、一方で、「現在のあなたの充実した生活」にこれまで貢献されてきたこととしては、どんなことがあるでしょうか? まったくゼロという感じですか?

・「熟年離婚を、あなたから切り出す」という方法とかは、一般的には「シニア男性のご主人のとどめを刺す」というくらい強力な仕返し方法のようにも思えますが、一方で、昔から「人を呪わば穴(墓穴)2つ」という、ことわざもあります。

どのような行動をとられるのも、あなたの自由だし、あなたにはその力があると思います。

・一方で、もし、「仕返し」という、あなたの願いが十分に達成できて、胸がスッキリした後の、あなたの生活や人生で、「あなたがしたいこと、したい行動」を、今からできるだけ多く考えて、「仕返し」が終わるのを待つまでもなく、早速、今からでも先取りして、どんどんと始めることで、ひょっとして、「仕返しをしたい自分」を乗越えられるかもしれないとしたら、そのことについて、試してみる価値はありそうですか?


✅参考:回答者(最相葉月さん)の言葉です💖

 何が一番怖いって、知らないうちにこれまでと違うことが起きていたと気づくほど怖いものはありません。胸がスカッとするような仕返しは、その瞬間は気持ちいいでしょうが、あまり長持ちしません。それよりはじわじわと真綿で首を絞めるように追い詰める。それこそが、忙しい妻の目を盗んで不倫三昧の人生を満喫してきた夫への 復讐ふくしゅう となるでしょう。

 たとえば、夕飯のおかずを一品ずつ減らす。夫の部屋やスペースだけ掃除しない。洋服がほつれても直さない。何かいわれても知らないふりで、家事全般を徐々におろそかにしていく。これまであなたが当たり前にやっていた夫のためのあれこれをすぐには気づかれないよう少しずつ手抜きしていくのです。義母の世話も、仕事が忙しいといって夫がやるよう仕向けていくことが大切です。

 しっかり者でやさしいあなたにはどれもむずかしいことかもしれません。ただ自分がいなくても完璧な家であるということが夫の慢心を招く一因になったのは確かでしょう。妻の異変に直面して自分が動き出さねばならないと思わせたらしめたものです。

 ただし本当にぼけてしまわないよう、仕事は変わらず続けてくださいね。

(読売新聞2022年9月28日)

💟新聞の人生案内の回答は一種のティーチングに当たると思います。「本人から本人の答えを引き出す対話」としてのコーチングとの違いがよく分りますので、コーチングが、より社会に認知される一助になればと思います。


✅ 以下、選択理論コーチングの補足です。

              😋 筆者独自の見解や表現も入っています.

1,相談者が満たすと幸せ感が増ず基本的欲求(ニーズ)

  • 愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい。人間関係、結びつき、親密、メンバーの一員など)

  • 力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい。コントロール、達成、競争、影響力など)

  • 自由の欲求(自由でありたい、自由にしたい。自立、移動、選択、創造など)

  • 楽しみの欲求(楽しみたい、学びたい、追求したい。面白い、喜び、笑い)

2,選択理論コーチングの基本的な三角モデル

3,今回使った「選択理論の考え方のエッセンス」

🌻 選択理論の第1の原理 
・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
 
・自分には、未来に向って自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

・効果的な行動を選択するために、「自分が満たせていない基本的欲求(ニーズ)が何か」を、自分に問いかけましょう。

・自分の行動について、「自分はこの行動を選択している(他の行動も選択できる)」というフレーズを口癖にしましょう。

🌻 選択理論の第2の原理 
・相手(本人)の行動を変えられるのは相手(本人)だけであって、他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ、と考えましょう。(影響は与えられるが、相手を変えることはできない。「相手が自ら変わることを決める」と考える)

🌻 「外的コントロールの心理」から「内的コントロールの考え方」に転換
・変わろうとしない相手(変えられない状況、環境)に、自分が振り回されていることに気づきましょう。

・自分は自分なりに、相手は相手なりに、それぞれが「精一杯の行動」をしていると考えましょう。

・相手の外的コントロールに対する自分の抵抗や逃避も、そして、「自分」の気分や感情、生理反応、症状なども、「自分で自分を守るための精一杯の行動」なのだと捉えて、受けとめましょう。

・同じ行動をするなら、いやいやでなく進んで行動をする方が自分のコントロール感も高く自由度も広がると考えましょう。

🌻 外的コントロールをやめて、人間関係を近づける
・「自分の正しさを押しつけると相手は反発するか逃げる」、「相手の考えを受けとめると相手は近づいてくる」ということを理解しましょう。

・いやがる相手を変えようとしても、相手の抵抗を生み、人間関係が遠ざかるだけ、と考えましょう。

・(本人を外側から変えようとして)相手を批判したり、強制したり、脅したり、文句を言ったりすることはやめましょう。

・相手との関係が良くなると、こちらのリクエストも聞いてくれやすくなります。

・「人間関係を育む行動」を習慣にしましょう。具体的には、傾聴する、支援する、勇気づける、信頼する、受け容れる、尊敬する、意見の違いについて交渉する、などの行動です。

・「人間関係を害する行動」をやめましょう。具体的には、強制する、批判する、責める、脅す、文句を言う、ガミガミ言う、罰を与える、ほうびで釣る、などの行動です。

🌻 「一番気になる人間関係」に気づいて、関係を改善する

・「今、自分が1番気になる人間関係の相手は誰か」を、自分に問いかけましょう。

・「2番目に気になる人間関係の相手は誰か」を、自分に問いかけてみましょう。

その人との現在の関係で、自分の基本的欲求(ニーズ)がどの程度満たせていないか、叉は、満たされているかを考えてみましょう。

・外的コントロールを相手にしたり、相手からされたりして、反応しあい、自己防衛のための行動を取り合っているときは、自分も、相手も、それぞれの心の中の大切な基本的欲求(ニーズ)に、関心の目が向けられていないことに気づきましょう。

・自分の中の大切な基本的欲求(ニーズ)が何かに気づいて、それを満たせる行動をとりましょう。

・自分の基本的欲求(ニーズ)が満たされるような相手の具体的な行動を、相手にとってくれるようにリクエストしてみましょう。

🌻 相手の内的コントロールと行動、願望、欲求充足
・相手の行動や反応(抵抗、攻撃、逃避など)も、自分のと同じく、相手が本人のニーズや価値観、欲求を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。

相手も、あなたとの関係で、相手の中のどのような基本的欲求(ニーズ)が満たせていないか、について考えてみましょう。

・相手の中の大切な基本的欲求(ニーズ)を考えてみて、相手がそれを満たせるように、「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し、支援しましょう。

・相手が相手の基本的欲求(ニーズ)を満たせるように、自分にリクエストしたい具体的な行動が何かあるか、を相手に聞いてみましょう。

 
🌻 自分と相手の「現状(のステージ)の知覚と将来の願望」
・自分は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入っていて)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるかを具体的に考えてみましょう。

・相手は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入っていて)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるかを具体的に考えてみましょう。

🌻 相手との人間関係(具体的やりとり)の願望-人間関係の距離感
・自分は相手との関係で、未来に向って、どのような距離感で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない関係)でありたいのか(自分の立ち位置をどこにするのか)、

そして、そうであることによって、自分は相手とどのような人間関係を得たいのかを考えましょう。

🌻 自分の「自分」との関係
・もう一人の「自分」も、「自分なりに精一杯がんばっているんだ」と考えましょう。そして、もう一人の「自分」の心の声を聴き、応援者として励まし、勇気づけてあげましょう。
(注:ここでいう「自分」は、自分の気分や感情、喪失感、記憶、思い込み、心理的な症状、もう一人のダメな自分、完璧主義の自分などを指す)

・辛い思いをしている「自分」は、どうなりたい、本当はどうありたいと望んでいるのか、「自分」の心の声を聴いてみましょう。

・もし、第3者が「今の自分」の状況だったら、自分は「その第3者」の状況をどのように考え、どんなアドバイスをするかを考えてみましょう。

🌻 自分の欲求充足
・自分が満たせていない、自分にとって大切なニーズや価値観、欲求が何か、を考えましょう。

・もし、自分の願いが実現したら、今とどう違ってくるか、そのときは、今と違う何をしているかを考えてみましょう。

🌻 現在とっている行動の自己評価と、これからの行動プラン
・自分が願っていることのために、今どんな行動をしているか、それをしていて実現できそうか、どんな新しい行動ができるかを考えてみましょう。

・「願いごとを実現するために、今、自分はどんな行動をとっているか」
「今している行動を続ければ、願いごとや欲求が満たされるだろうか」
という、自分の行動や状況についての「自己評価」を口癖にしましょう。

・「もし願いが実現したときは、今と違うこんな行動をするだろう」という具体的な行動を考えてみて、先どりしてやりましょう。そして、どんな変化があるかを見てみましょう。
 

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