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✅70代男性【将来嘆く妻 元気づけたい】を選択理論でコーチング人生案内#58

「70代の男性。夫婦とも後期高齢者ですが、わずかながら仕事をしています。しかし妻が嘆くので、ふびんでなりません。」

 「お父さんね、私たち、働けなくなったらあの世に行くしかないね。国も誰も助けてくれないしね。頼るのも嫌だしね。日々の生活だけに追われて、人の役にも立たなくてさ、生きている意味あるんでしょうかね。本を買うお金は石油代になるし、外食でおいしいものでも食べたくても光熱費に消えていくしね」

 こんなことをつぶやいてばかりです。働けるうちはいいと思いますが、この先、思いつめてどうにかなったらと気が気ではありません。どんな言葉で元気づけたらいいのでしょうか。

 人の豊かさって心の持ちようだと思いますが、今が元気なことが幸福なんでしょうね。周りの人たちも働いていますしね。相談ではなくグチになってしまいました。お許しください。(埼玉・N男)

(2022年3月17日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】

相談者の「困りごと」

・日々、生活に追われることに嘆く妻が、ふびんで、元気づけたいが、どんな言葉で元気づけたらいいか分らない。

・妻がこの先、思いつめてどうにかなったらと気が気でならない。

相談者の「願いごと」

・日々、生活に追われることに嘆く妻を元気づけたい。

・妻に、この先、思いつめないようにさせたい。

【ふだん使いがしやすいコーチングモデル】

①「相手の行動を変えられるのは相手本人であって、
他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ」
と考えてみましょう。

 【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・「日々、生活に追われることに嘆く妻」を変えたいが、変わってもらう方法が分らなくて、困っている。(自分には変えることができない他者を、変えようとするが、思うように変わってくれず、困っている)

・「日々、生活に追われることに嘆く妻」に自分が振り回されて、困っている。

 以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。

 

【心に響く回答者(久田恵さん)の言葉】

妻の日々の嘆きに心を痛めておられる、なんと優しい方でしょう。

 彼女の心配の要は、夫婦とも働けなくなったらどうしよう、ということのようですね。でも、大丈夫。

 私たちが住んでいるのは「お金がなくなったら死ぬしかない」国ではありません。国に頼るのは嫌かもしれませんが、生活保護を申請すればいいのです。

 それは憲法25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という考えに基づく、国民の権利なのです。長年働いて税金を納めてきたのですから、困ったら福祉事務所に相談しましょう。医療費は本人負担なし、家賃も範囲内で支給されますよ。

 そして、あなたの言う通り、何が豊かさか、何に幸福を感じるか、それはその人の価値観次第です。

 本は図書館で。野菜は庭を耕し、料理は工夫。旅行は近場、と知恵を絞る。

 そしてなにより、頼り合うお互いの愛情こそが幸福の源泉です。

 「僕がついているから、絶対に大丈夫」と、彼女にきっぱりと揺るがぬ言葉で伝えてあげてください。妻は一番、そのひと言が聞きたいのかもしれません。

(2022年3月17日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・「ふびんを嘆く奥さん」が、もし仮に、「国や人に頼らないに越したことはないが、多くの高齢者と同じように、国や人に頼っても、全然かまわない」というように、考え方を切り替えたとして、あなたが、それを機に、徹底的に以下のようなことをされてみたら、あなた自身に、どのような変化が生じるでしょうか。その変化は、奥さんにどのような変化をもたらしそうですか? また、あなたの奥さんに対する態度にどんな変化があるでしょうか?

 上のように、奥さん(本人)の考え方を、あなた(他者)が切換えさせることは、難しいと思いますが、奥さんの考え方がどうであるかにかかわらず、それはそれとして、あなた自身が、以下のようなことに取り組まれるのは、いつでも、しようと思えば、できることだと思います。

 あなたご自身は、この先、どういう生き方をされたいのでしょうか?

・例えば、国や行政サービスが何か助けてくれないかと、徹底的に調べたり、相談したら、どんなことで助けてくれる可能性があるでしょうか。

 また、行政サービスが、もし大地震とかで無くかったとしたら、これまでしてもらっていた、どんなことがなくなり、どんな不便が生じるでしょうか?

・もし、「誰かや地域に手助けしてほしい」と徹底的に考えたり、調べたり、相談したら、どういうことなら、手助けが得られそうでしょうか?

・今のあなた方でも、それはそれとして、「人の生活に立ちたい」ということで、徹底的に考えたら、どんな小さなことでも、何かの形で人の役に立てることとして、どんなことがあるでしょうか?

・今のあなた方でも、それはそれとして、「したいことをする」ために、徹底的に節約したり、公共施設を利用したり、徹底的に時間の使い方を工夫したりすれば、どのような「したいこと」なら、できる可能性があるでしょうか。

・「ふびんを嘆く奥さん」にあなたが振り回されずに、あなた一人でも、以上のようなことに取り組まれたら、あなたご自身には、今とどんな違いが出てきそうですか? そして、それは、奥さんにどんな変化をもたらすでしょうか? もし、あなたのそういう努力を奥さんが否定されたとしたら、それはそれとして、あなた自身はどう対応されますか?


今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


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