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2023年7月の記事一覧
【SFショートショート】侵略のポッキーゲーム(または半笑いのポッキーゲーム)
宇宙は暗黒の森林……
いつ、どこに潜んだ狩人たちが、他の星に襲いかかるかわからない。
そして、ついに地球にも恐るべき狩人の魔手が伸びてきた。
地表に落下したカプセルから現れたその不定形生物は、飛び交う電波から情報を収集し、この惑星の住民に近づいてその生命エネルギーを吸い尽くす手段をつかんだ。
すなわち、セクシーで美しい女性に変身し、その魅力で誘惑した男たちからエネルギーを吸い尽くすのだ。
【SFショートショート】金持ち教習所 高額当選編
ついに当たった。
夢の超高額当選である。
そして私は「金持ち教習所」に入った。
かつて宝くじの高額当選者には、銀行から「高額当選者の手引き」なる冊子がおくられたという。
しかし世界的な経済恐慌が長引き、大金の使い方を忘れた人々は副賞クラスの当選でも舞い上がり、その金に振り回されてほとんどが身を滅ぼしていた。
そんな人々の自滅防止につくられたのが「金持ち教習所」である。
高額当選者
【SFショートショート】侵略の季節 またはほんの一部スイカ
時は来た。
ひときわ暑い夏が。
とある惑星侵略のために身を潜めていたクマート星人は、高温多湿下で活発に活動する。
彼らが、その恐るべき科学力で造った宇宙艦隊を目覚めさせる時が来たのだ。
「発進!」
クマート星人の球形宇宙戦艦群が、ついに砂を割って姿を現した。
惑星の原住民たちが一斉に走り出す。
が…
彼らは逃げるのではなく、艦隊に向かって来た。
しかも、その姿は恐ろしく巨大だった
【SFショートショート】最後のビーム またはスナイパーの意外な使い方
おかしいと思ってはいた。
人類の存亡をかけたこの計画に、なぜ俺のような犯罪者が加わっているのか……
人類が母星を捨て外宇宙に散っていった「大離散」から数世紀。
植民惑星のひとつ〈HE16〉では、長引く内戦と気候変動によって、惑星自体が限界を迎えていた。
植民地政府は最も近い居住可能惑星〈F825〉への移住を決定。人類の安全な繁殖限界である500人の市民が選ばれ、亜高速宇宙船とコールドス
【戦国ショートショート】生き写し返し
昼なお暗い森の中…
一人の落武者が巨大な鬼に出会った。
「そなたを喰らって、その姿を生き写させてもらおう」
鬼はそうして人の姿で人の世に潜み、何年もの間、人を喰らって生きていくのだという。
「大人しく喰われはせぬぞ!」
襲いかかる鬼に刀を振り上げ、落武者は果敢に抵抗した。
鋭い爪と刀がぶつかりあい、火花が飛び散る。
だがついに鬼の手が落武者をとらえた。
落武者を頭から丸呑みにした鬼は