『禅の言葉』を終えて。現代論。
境野勝悟さんの『禅の言葉』100個の紹介を完了しました。まずは筆者の境野さんへ感謝を申し上げます。こちらの著書がなければ、当然今回の企画も存在しません。本当にありがとうございました。
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今年9月からコツコツ100個の言葉を紹介する以前に、純粋に読書感想文を書いています。これが興味深くて、現在はどっぷり紹介に浸かって、言葉の一つ一つを詳細に見ていますが、以前はもっと全体を見ています。
以前の記事では、100個のうち印象に残ったものを20個紹介しています。これでもだいぶん削りました。今回は更に絞って9個を紹介します。
・落ちこぼれることを恐れない
・行き詰まったら考えるのをやめる
・自分もいつか死ぬと意識する
・時には考えるのをやめてみる
・目標を捨ててみる
・理屈から離れてみる
・理解できないものはそのまま受け止める
・流れに身をまかせる
・今、力を出すことに集中する
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禅の言葉全体をキレイにまとめるなら、最後の言葉でも紹介した通り、「あるがままに備わっているものに感謝をする」ということだと思います。感謝なくしては有難みも感じず、幸福になることができないと。
ただ自分が、心の支えとして取り入れたい禅の発想は、上記の9個です。いい意味で「頑張らなくてもよい」という発想です。現代の日本は、生産性や効率化に追われる日々です。コスパが良いことが最適解とされる。
幸福度が低い現代とも言えます。心身共に擦り切れるほど仕事に拘束されながら、得られる収入を含めた将来の希望・夢・安泰がなく疲弊する日々。権力の上位が搾取し、節約を強いられながら未来に不安を覚える状況です。
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現代の唯一の救いは、インターネットによって孤独の回避ができること。独身で一人暮らしだとしても、ある程度寂しさを紛らわすことができます。このnoteだってtwitterだって、友達や知人のように思える状況があります。
ただネットには誹謗中傷も溢れていて、そこに毒される場合があります。これは先ほどの幸福度に対する別の見方で、より多くの情報を望んだ結果、不幸に陥ります。テレビのワイドショーも心の健全さを崩すと思います。
情報の断捨離。多くのものを得ようと思わないこと。それらの精神は禅につながる部分があると思います。現状に満足すること、感謝することが幸福につながる。資本主義とは別の価値観。必ずしも成長を促さない。
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より多くのものを得ようとした結果、逆に全てを失ってしまう。このような寓話は世界にあふれていると思います。日本の昔話も強欲者は窘められる傾向にあります。ピラミッドの下層を崩しては頂上は成り立ちません。
普段は効率化の社会に生きているので、逆に多くを望まないような思考が大事だと思いました。現状の幸福に気づける発想。それが禅だと思います。日常に落とし込むと、不平不満を感じないような生き方。
不平不満を感じないような思考。その実例が100個書いてあります。
頑張らない生き方。幸福に気づく生き方。違った尺度を得られます。
禅の祖である道元、そして筆者の境野氏に感謝です。
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