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『道元「禅」の言葉』(境野勝悟)を読んで。

 思い通りにいかないことにイライラしたり、他人の評価に振り回されてしまう。そんな人生の悩みを解決する本書。感想を書きます。

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 先日、スマイルズの『自助論』を紹介しました。この本は歴代のNo.1で、人間の強さを呼び起こす本なら、今回の『禅の言葉』は人生No.2のビジネス書です。その主題は「足るを知る」。

 自助論の熱と対比される内容です。常にカバンの中に入れておき、出勤時に毎朝読んでいました。100の名言が紹介されていて、その100個を毎日一周読んでいました。今では本はボロボロです。

・自助論  → 熱、強さ、 動、父性、未来
・禅の言葉 → 冷、優しさ、静、母性、現在

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 本書引用
・大事なものを外に求めない
・落ちこぼれることを恐れない
・行き詰まったら考えるのをやめる
・自分もいつか死ぬと意識する
・目の前の偶然に意味を見出す
・ながら食べをしない
・時には考えるのをやめてみる
・目標を捨ててみる
・理屈から離れてみる
・複雑に考えない
・笑顔で挨拶をする
・願いではなく祈りを捧げる
・理解できないものはそのまま受け止める
・流れに身をまかせる
・今、力を出すことに集中する
・良い人のそばに行く
・戻る勇気を持つ
・相手の辛さに共感する
・やりたいことを一つにしぼる
・周りのすべてのものに感謝する

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 毎日100個に目を通していれば、何かの気付きを与えてくれます。心を穏やかにします。多くを望まない今を大事にする全てに感謝する、など。

 今回感想を書くに当たり、注目したのは「食事について」。とある夕食、会社の大食堂で10人がバラバラに座っていました。その10人が全員、スマホを見ながら食事をしていました。この光景はひどい。

 自分も自室ではネットを見ながら食事をすることがあるので、人のことは言えませんが、スマホ依存は見た目良くないし、また食事というのを、単なるエネルギー補給と考え、疎かにするのは味気ない人生です。

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 この「味気ない人生」はキーワードで、いくら資産を持っていても、有難みが無ければ無価値です。大自然というのも無料の大きな恵みです。日常の恵みに気づいて、有難いと思えるかどうか。

 自助論未来に向けられた言葉なら、禅の言葉は、現在を見つめる言葉。立ち止まって現在を見つめるとか、毎日の食事にありがたさを感じるとか、日々感謝の気持ちを持ちたいと思います。

「禅」とは、
・禅は元来、「天や山川祀る」という意味で、
・これに「心の働きを集中させる」という語釈と、
・「心を静かにして動揺させない」という語釈を与えた。(wiki参照)


【読書感想文33冊目】


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