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『自助論』(スマイルズ)を読んで。

 「天は自ら助くる者を助く」自助独立の精神を唱えた世界的名著。日々の生活を好転させるための努力について。本書の感想を書きます。

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 今まで何百冊の啓蒙書を読んできましたが、その中でNo.1だと思うのが、本書『自助論』です。何が素晴らしいかと言うと、その力強い文章です。

 事を成す人というのは、熱心な努力を行い、信念を持っています。ビジネス書では、現代社会からの知見を得るという要素が強いのですが、本書では純粋に、心の強さの重要性を説きます。

 だから時代が変わっても、歴史的名著として語り継がれています。人の弱さを知り、強さを引き出す内容になっています。

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本書引用
1章 自助
・社会悪は、堕落から生じる。法の力では根絶できない
・人間の優劣とは、その人がどれだけ精一杯努力してきたか
2章 忍耐
・どんな学問を学ぶ際にも、常識、集中力、勤勉、忍耐、
 などの平凡な資質が役立つ
3章 好機
・我々を助けるのは、偶然の力ではなく、確固とした目標に向かって
 粘り強く勤勉に歩んでいこうとする姿勢
4章 仕事
・真にすぐれた仕事をする人間は、絶えずものごとに集中し、
 骨身を惜しまず努力をしている
5章 意思
・どんな分野であれ、成功に必要なのは秀でた才能ではなく決意だ。
 あくまで精一杯努力しようとする意志の力
真に価値のある目標は、勇猛果敢に取り組まなければ
 成就できるものではない

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6章 お金
・ビジネスほど人の善し悪しが問われる分野はない。正直かどうか、
 自己犠牲の精神に溢れているか、公正かつ誠実に行動できるか
7章 時間
・人生の最高の目的は、人格を強く鍛え上げ、
 可能な限り心身を発展向上させることである
8章 修養
・真の教育の目的は、他人の思考や考えを鵜呑みににして頭に詰める
 ことではなく、知識の量より、知識を得る目的が大事である
9章 出会い
・人に何かをしてもらいたいと望むなら、自分が率先してそれをやるべき
熱意を込めて働けば、どんな平凡な職業でも尊敬に値する
10章 器量
人格こそ、一生通用する唯一の力
・礼節は、地位や身分によらず、誠実や深い思いやりの心から生まれる

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 本書は金言の連続で、付箋だらけになりました。内容が多くて伝えるのが難しいです。すべての項目で貫かれている主題は「自助論」。自らの懸命の頑張りが、自らを助ける

 読んだ人によって心に刺さる文章は違うと思います。自分は本を読むので8章の「修養」の内容はとても響きました。(※修養=知性を磨く)

人間は、勉強量や読んだ本の冊数で賢くなるのではない。勉強が自分の追及する目的に適しているか、一心不乱に勉強に取り組んでいるか、勉強が習慣となっているか、このような点こそが問題なのである。

 量ではなく目的と習慣である。本当に学ぶことが多い本です。
 この知識が数百円なんて安すぎる。


【読書感想文32冊目】


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