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地域性をふまえた取材ができるライターになっていた。

私は47都道府県を取材したことがある。学校の先生向けの教育情報誌の編集者だったので、日々日本全国を転々とし、学校を訪問し続けた。
その中で、自然と習得していったこと。
それは、「地域性をふまえた取材の仕方」だ。

「東北だから、いつもよりリアクション大きめに、乗ってもらえるようにしよう。最初の事実情報の質問多めに、だな」
とか
「関西だから、細かく聞いていかないとな。事実すっ飛ばして、大きな話になっちゃうからな」
というような感じだ。

こうした、取材のトーンは先輩から暗黙知として伝えられたり、自分で成功・失敗したりしながら、学んでいった。そして、いつの間にか、自分に染み付いて、地域性に合わせて取材をするようになっていた。
自分の中では、当たり前にやっていたことなんだが、ある時ライター友達に話したら「何それ? おもしろいね」ってことになったので、noteに書いてみることにしたのだ。

人を属性で話すことに抵抗感を覚える方は少なからずいるが、反発をおぞれずに言うと、以下のような地域的な傾向と対策がある。

◆東北地方
口下手で謙遜する方が多い、素晴らしい取り組みをしていても、「いや、こんなことどこの学校でもやっていることなので…」とあまり話してもらえないことも。
そのため、「すごいことですよ! ○○までできているところはなかなかありません」と取り組みを認め、どこに感激したかを率直に伝えることが大事。
資料などは細かく用意してくださることが多く、話し出したら緻密に教えてくださる。
◆関西地方
「これについてお話いただきたいのですが」と伝えると、饒舌に冗談交えて話してくださる方が多い。しかし、勢い余って取材時間オーバーすることが多々あるため、時間配分のハンドリンクが重要。また、ファクト情報をすっ飛ばしてお話することが少なくないため、勢いよく話しているところへ意を決して「それはいつのことですか?」「どのくらいで成功したのですか?」など事実ベースの質問を挟んでいくことがカギ。
話しが脱線することも多いため、こちらが何を聞きたいかを随時確認しつつ、道を定めていく必要がある。
◆九州地方
取材をとてもしやすい方が多い。情熱的にお話する方が多く、取材中こちらの感情が大きく動くことも少なくない。感動できる取材は素晴らしいが、こちらは論理的な脳を保ってお話を聞いていく必要がある。というのも、感動のまま取材を終え、ホクホク帰り、文章化すると言語化できていないことがままあるからだ。
言葉に力がある方に対しても、あえて言い換えをお願いしたり、「一般的にはこう言われていますが…?」など、少し角度を変える質問をする。そうすることで、感動を言語化できるようになる。

私より取材をたくさんしているライターさんはいるだろうし、私よりもうまくお話を引き出すライターさんもいるだろう。しかし、47都道府県に行って、雑誌記事4P分ほどの深い話しを伺ってきた経験があるライターはもしかしたらかなり少ないかも?と思って、noteの企画「#自己紹介」に寄せて書いてみた。

こうした経験をもっと生かし、地域のおもしろさとか、そこに生きる人々のお話とか、届けられるようなライターになれたらいいな。このnoteを書きながら、私は「教育ライター」だけれど、「地域○○ライター」みたいな肩書きも考えてみたいと思ってきた。

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