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旧サイト「オンラインレッスン」記事アーカイブ【コラム】

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旧サイトの「オンラインレッスン」中の、「コラム」のアーカイブです。
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記事一覧

私の「奏法」遍歴

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2017-03-24の記事です。) ここには、大変恥ずかしながら、そしておそらく誰も関心のない事ながら(笑)、私自身の「奏法」遍歴を徒然と記してみたいと思います。 私の、いつどのような吹き方をしていて、どのようなアプローチをしていて、どんな事を考えていたか、それにより何ができて何ができなかったか、の経過。無駄な長文です。完全なる個人談ですので、一般化や普遍化は不適な内容です。 1.小学生時代私は小学4年生の

ピッコロトランペットの基礎練習?

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2017-11-28の記事です。) ◼️ピッコロトランペットの基礎練習に対する2つの立場ピッコロトランペットの基礎練習は、B管やC管のような通常の管種のもののように多くは一般にあまり知られていません。そこには、ピッコロの基礎練習に対して2つの立場がある事が関係していると私は思います。 一つの立場は、「ピッコロトランペットは<練習>するものではなく<演奏>するものだ。」という言い方に象徴されるように、B管など通

うまくいかないフレーズの練習方法例

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。 2018-04-03の記事です。) ここでは、単に楽譜通りに吹く、の繰り返しではなく工夫した練習方法の例をいくつかご紹介します。 特に、練習してもなかなかうまく吹けるようにならないフレーズがある場合、同じ事を繰り返していても、変化は生まれません。つまり、吹けるようにはなりません。同じ事を繰り返している限り、当然ながら結果は変わりません。ですから、何らかの変化を生み出すために、単に楽譜通りに吹くことから一旦離

曲の練習法の一例

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2017-07-15の記事です。) ここでは、個人的に私がとっている、曲の練習法をご紹介します。 あくまで個人的な方法の一例として、ご参考まで。 私の方法は、以下のプロセスを踏むものです。 1.楽譜を読む 2.スコアを読む 3.息と指だけで楽器で練習 4.音のイメージをつけて、息と指だけで楽器で練習 5.実際に吹く それでは一つずつ少し詳しく。 1.楽譜を読むまずは自分のパート譜を読みます。全ての始まりと

調子を崩した時に試せること・考えられること

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2017-06-01の記事です。) トランペットを吹く者であれば誰しもが経験する、「調子を崩す」という事態…。時にそれは深刻な問題にさえなってしまいますが、その程度や調子を回復するまでに要する時間は、奏者の経験やレベルに応じて大きな幅があるだろうと思います。経験の豊富な奏者は、自分のコンディションの把握の仕方や何がコンディションに影響するかをよく知り、自己管理できるため、調子の波が小さく、また回復も早いでしょう

「マウスピースの圧力(プレス)はどれだけ必要か」問題

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2017-08-30の記事です。) マウスピースをどれくらい唇に押し(圧し)当てるか、という、マウスピースの圧力/プレス問題。 金管楽器奏者にとって話題の尽きないトピックのひとつです。 巷には様々な考え方があり(その事自体は素晴らしい)、両極端な2つを挙げれば、「圧力は要らない」というものから、「圧力はどれだけかけてもいいからどんどんかけろ」「もっと押し付けなさい、ほら高い音も出たでしょ」というものまで。

「アパチュア」?

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2018-03-16の記事です。) トランペットや金管楽器奏者の間では「アパチュア(aperture)」という言葉が知られています。apertureという英単語は「開き」というような意味ですが、金管楽器の吹き方の文脈でこの言葉は、音を出している時の「唇の開き」「唇の中心の空気の通り道(の穴)」の意味となります。 そして、話題となるのは、「アパチュアの開き具合」、「アパチュアの形」、「音域や音量によるそれらの変

マウスピースバズィングに関する2つの立場

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2017-08-15の記事です。) 「マウスピースで曲の全ての音を吹けるように」という立場から、「マウスピースの練習など要らない」という立場まで、それが世界トップレベルのトランペット奏者たちの間でさえ意見が分かれる、マウスピースバズィング。 生徒は混乱することの多いトピックと言えます。 2つの立場の実演まず動画では、2つの立場を手短に実演しています(ペダルBからハイBまでを使って)。 <前半> 楽器で鳴る→

「アンブシュア/マウスピースの位置を変える」プロセスの例

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2017-06-13の記事です。) 何らかの理由で、アンブシュアを大きく作り変えなければならない、マウスピースの当てる位置を大きく変えなければならない、という場合の、ゼロから新たな感覚を作り上げていくプロセスの一例です。 これは、一度ついてしまった癖を、新たな良い癖で塗り替えていく作業となります。 一度身体に染み付いた感覚は、基本的には消えるものではありませんが、新たな良い感覚を習慣化していくことによって、

「練習しても高い音が出るようにならない」人によく見られる特徴と、そこからの転換策

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2017-06-12の記事です。) トランペットという楽器は、必ずしも練習したその分だけ上達するというものではない事は、トランペットをある程度吹いてきた方ならほとんどの方が経験的に理解することでしょう。 とりわけ、高い音が出るようになるかどうか、という点においては、練習とそれによる成果とが結びつきにくい場合が少なくないと私は思います。もちろん、全ての人には向き不向きがあり、高い音が難なく出る、練習したらすんな

「喉が締まる」のはなぜ?

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2017-08-29の記事です。) トランペットを吹く人が抱える問題のひとつであり、よくご質問をいただくのが、「喉が締まってしまう」問題。 ここでは、それがなぜ起きてしまうのか、そしてどのように対処したらよいのか、私の考えを書いてまいります。 「喉が締まる」のは、原因か、それとも結果・症状かまず考えてみたいことは、「喉が締まる」ということが、それ自体「原因」なのか、それとも、他に原因があるために表れる「結果

ダブルバズ(ドッペル)に関する一見解

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2017-06-02の記事です。) 「ダブルバズ」、「ドッペル」等と呼ばれている現象に悩む方は一定数いらっしゃるのではないかと思います。 意図しない高さのピッチも同時に鳴ってしまったり、汚い振動が同時に鳴ってしまったり、というような、「ダブルバズ」または「ドッペル」などと呼ばれている現象。 まず、次の動画をご覧いただければと思いますが、この動画では、ダブルバズを意図的に起こしたり消したりを繰り返してみました

「シラブル」に頼りすぎる弊害

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。 2017-09-01の記事です。) 特にリップスラーや高音域の出し方として強調される事の多い、「シラブルの利用」。 ここでは、「シラブル」に頼りすぎるによる弊害について、私の見解を述べてみたいと思います。 特に、「舌を上げているのに高音が出るようにならない」「これ以上舌は上がらないが、もっと高い音を出したい…」という悩みを持つ方のご参考になればと思います。 よくある「シラブル」論一般に説明されるのは、 ・

息を機能させるためのステップ

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2017-10-26の記事です。) 「唇ではなく息で吹きなさい」「もっと息を使いなさい」「息が大事」というようなアドバイスはよく耳にするものでしょう。 こういったアドバイスは、息がどのように機能するかを体感としてわかっている人にとっては意味がわかるものですが、そもそも、息がどう機能し、それが音や唇や技術にどう影響するのかを体感として理解するきっかけを得た事がない人にとっては、よく意味がわからず、「あー、また息