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報酬を上げるための条件について

ネットや新聞を開くと、平均初任給、業界平均年収、30歳平均年収などの報酬に関する情報が、頻繁に目に飛び込んできます。会社員は今もらっている給与が、他人と比較して妥当なのかを嫌でも意識しますよね。

また、今の自分の給与が低くても今後伸びる余地はあるのか、今高いとしたらこのレベルを維持し続けられるか、など将来にも意識が向きます。

私も20代で初めて日系企業に就職した時、「なんでこんなに給料が安いんだろ」「どうしたらもっと稼げるようになるんだろう」と悩みました。また、30代になって給与水準の高い外資系企業に転職できるようになったら、今度は「果たして報酬を第一優先にすることが正しいのか」とまた、新しい悩みもでてきました。

今日は私の会社員時代の経験から、高い報酬を目指しながら、自己実現も達成するための、ひとつの考え方を共有したいと思います。

目次

  1. 報酬を上げるための条件を整える

  2. 長期的に考える


1.報酬を上げるための条件を整える

自分が大学を卒業をして日系のメーカーに就職する時に、すでに入社前から、外資系金融や大手IT企業と比較して初任給が安いなぁと思っていました。私は海外大学を卒業していたことや、9月に帰国したこともあり、就職の選択肢がかなり限られていました。そのため、初任給に不満はありましたが、実務経験を積みたかったので就職しました。

ただ、数ヶ月勤めて私が驚いたのは、「日本の年功序列制度の持つ若者たちへの破壊力」です。仕事の実績よりも、勤続年数に応じて決まる給与や昇進。あと5年頑張っても、会社の業績が改善しなければ、給与は大して上がらないし、役職も今とほぼ変わらず。これではとてもモチベーションなんて高まらないと思いました。

そこで私は自分の頑張りに応じて、報酬の上がる企業への転職を考えました。それには「どのような条件を自分がクリアする必要があるか」をリサーチし、以下のことがわかりました。

  • 英語で実務を遂行する能力

  • 英語に高い専門性が加わるとさらに有利

  • 給与水準の高い業界は、同じ職種でも報酬はより高い

この3つについて順にお話しします。

  • 英語で実務を遂行する能力

まず、実務の英語力についてです。自分はイギリスの大学に留学していたので、読み書きや会話は問題ありませんでしたが、さらに実務の英語力を磨くために、海外駐在を希望しました。幸い、当時勤務していた日系企業では英語のできる人材が限られていたので、東南アジアへの海外出張と短期駐在を伴うプロジェクトに配属になりました。こうして、当初の目的どおり、現地採用の社員や外人コンサルと協議しながら、実務経験を積む事ができました。

  • 英語に高い専門性が加わるとさらに有利

次に専門性ですが、私は海外事業企画や経営企画の仕事を通じ、財務を中心とした経営計画や分析に興味を持つようになりました。そこで、財務を実務経験から学ぶだけでなく、米国MBA(経営学修士)でファイナンスを体系的に習得することを考え始めました。理由は財務専攻の経営学修士号が専門性を実務経験と共に裏付けることになると考えたからです。実際に日系メーカーで30歳まで実務経験を積み、私費で留学をし、米国の大学院でMBAを取得しました。

  • 給与水準の高い業界は、同じ職種でも報酬はより高い

なお、業界については同じ財務関連の仕事をするにしても、製薬業界はその利益率の高さから給与水準が高いことがわかりました。一方で、開発費が莫大で一社だけでその費用を賄うのが厳しい業界であるため、企業同士の吸収合併も多い業界ということも理解しました。言い換えると、給与水準は高いが、会社が吸収合併されて職を失うリスクも高い業界ということです。

以上のように、海外駐在、MBA留学、業界リサーチなど、報酬を上げるための条件を整えていきました。


2.長期的に考える

私が若い頃から意識していたのは、常に自分は人より物事の習得に時間がかかるタイプだったので、「焦らず、長期的な視点を持つ」ということです。例えば、20代で給与が友人たちよりも低い時でも「自分は大器晩成型だから」とポジティブに考えていました。

また「損して得とれ」という言葉も好きで、今は苦労して損しているように見えるけど、これが糧になって、将来自分の身を助けると、能天気なほどに前向きでした。

よって、私が30代前半にMBA取得後、外資系企業に転職する際には、「実績に応じて社員に報いる会社か」「長期的に自分が勤務できるか」が最優先の基準でした。給与水準の高い製薬企業からも内定をいただきましたが、最終的には自分が仕事内容や自社製品に愛着を感じて、長く働けそうな米系食品飲料会社を選びました。提示された報酬は2割ほど製薬会社よりも低かったにも関わらず。

その後20年以上、その会社で働きました。英語での交渉や折衝、経営陣へのプレゼンテーション、多様な人種の上司のサポートや部下の育成など、今でもまだスキル改善の余地はありますが、少しずつ成長できたかなと思っています。そう思う理由は、製薬会社よりも低かった最初の報酬も、20年後には数倍になっていたので、会社も自身の貢献を評価してくれていると感じたからです。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。

若い頃は野心も強いため、その時点のちょっとした友人との報酬の差が気になることもあると思います。ただ、自身の経験上、20代のころの差なんて、50代半ばの今考えると、本当に些細なものと思います。

この記事が、「報酬を上げるには、どのような条件を揃えていくべきか」「長期的にいかにして報酬も自身のスキルも伸ばしていくか」を皆様がお考えになる際の参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


MBA取得後の「転職先企業選び」に関する記事も以前に投稿しましたので、よろしかったらどうぞ!
https://note.com/satoshis_ss/n/n769bb6731c95

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