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成長とは、どのような能力を伸ばすことなのか

以前に「人はお金よりも、成長機会を求めている」という記事を投稿をしました。
https://note.com/satoshis_ss/n/ncced031dccf3

多くのスキ!をいただき、感謝しています。同時に、改めて、職場はスキルアップなど個人の成長の場であるべきと認識しました。

では、どんなスキルを身につけると成長と呼べるのか?
より具体的には、どの方向に成長すると労働市場で価値が上がるのか?

多くの大手米系企業では社員の成長と会社の成長は密接に関係していると理解されています。そのため、会社ごとに、社員が伸ばすべき資質や能力を具体的に明確化し、奨励しています。この資質や能力は一般に「コンピテンシー」と呼ばれ、研修だけで習得する能力ではなく、実務経験を積むことで伸ばすことのできるものです。

今日は私が長年勤めた大手米系企業での経験をもとに、労働市場で高く評価されるコンピテンシー能力、およびそれらの習得方法についてお話ししたいと思います。

目次

  1. コンピテンシーの種類

  2. いかにしてコンピテンシーを身につけるか

  3. まとめ


  1. コンピテンシーの種類

コンピテンシーは通常日本語で「能力」や「資質」と訳されることが多いようです。よりわかりやすく、具体的に言うと、「考え方」や「習慣」に根付いた能力といえます。

一つの例を挙げると、仕事で相手の立場に立って考える「顧客志向」の習慣や姿勢です。

  

これらの能力は、知識をつければ得られるものではなく、毎日の実務経験を通じて徐々に身についていきます。

私が財務部長として会社員時代に特に重要視していたコンピテンシーは上で挙げた顧客思考に加え、結果思考と改善思考です。

-顧客志向:
社外の顧客だけでなく、社内の経営陣や他部門の人たちに対して、それぞれの立場に立って、欲しい情報やわかりやすい説明とは何かを考えながら、コミュニケーションする能力。例えば、株主、社長、製造部長ではそれぞれ欲しい情報も持ち合わせている知識が異なるため、それぞれの顧客になったつもりで、説明資料を用意する能力や習慣。

-結果志向:
困難があっても、必ず結果を出そうと工夫する習慣。例えばプロジェクトメンバーが病気で欠員になっても、その上で、出せるベストの結果を目指し、かつ経営陣には事前に事情を説明し、締め切りの延長やプロジェクト範囲の見直しを提案し、サプライズを避けようとする能力や習慣

-改善志向:
現状に満足することなく、常に改善の余地を見つけ出し、既存の業務をより効率的にする能力。例えば、5年前から存在する報告書を以前からのフォーマットを継承するのではなく、すでに陳腐化した指標や分析は廃止し、AIなどのテクノロジーを駆使し業務負荷を増やさず、より経営陣の意思決定をサポートする分析を取り入れようとする能力や習慣。

これらは自身の姿勢や考え方、そしてそれらを習慣化することから得られる能力なので、短期間では身につくことはありません。次のセクションで、具体的な身につけ方についてお話しします。


2.いかにしてコンピテンシーを身につけるか

ここでは私の過去の経験を共有し、個人で取り入れる際のご参考になればと思います。

私が勤めていた米系企業では、会社の成長を促進すべく、社員がどのようなマインドセット(姿勢)で仕事に挑むべきかを明確化していました

ある数年間は例えば以下の二つです。

  • 好奇心を持とう
    社員が自分の役職、所属部門に関わらず、常に好奇心を持って働くことにより、組織力を上げるのが狙いです。
    例えば、財務部門が営業部門や製造部門が直面している課題を好奇心をもって、理解したことにより、彼らが持ち得ない財務的な視点から、解決策を提案できたことがあります。

  • アジャイルに素早く挑戦しよう
    既存のレポートに改善を加えようと思っても、より完璧なものを求め、なかなか一歩が踏み出せず、新たな分析を導入できないことがあります。60%の出来で構わないから、「とりあえず、早めに挑戦しよう」というものです。そうすることによって、早めにレポートの読み手からフィードバックを受けられ、具体的な改善案が見えてきます。

会社がこのように組織全体の方針として、社員に特定のマインドセットを奨励することにより、社員は常にそれを意識、視野を広げたり、「失敗上等」の精神で新たな挑戦をするようになります。

なお、会社の方針以外にも、研修などが会社から社員に提供されることもあります。例えば、私もアジャイルなどは管理職の同僚20人とともに社外の専門家から1週間のトレーニングプログラムを受けました。そこでの学びを、自分の部下の人たちにも共有し、業務にとりいれました。ただ、これらは1週間研修を受けることでどうなるものでもなく、また、本などから学ぶことも可能と思います

重要なのは、毎日の業務にこれらのマインドセットを取り入れていくことにより、徐々に習慣化していき、最終的には自身の能力向上につながります

よって、お勤めの会社がこのような方針を出していなくても自身で身につけたいコンピテンシーを個人で選び出し、それを意識して毎日の業務に活かし、習慣化していくことで、少しずつ能力アップにつながります。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。

多くの外資系企業では、一朝一夕では身につかないこれらのコンピテンシーを持ち合わせている人材は、高いパフォーマンスを発揮します。そのため、採用の際にもこれらのコンピテンシーを持つ人材は、高く評価され、報酬にも反映されます

また、私の場合、私生活にも役立っています。例えば、noteの投稿にアジャイルな敏速に行動する姿勢を取り入れています。多少記事が生煮だったり、記事のタイトルが今ひとつしっくり来なくても、とりあえず投稿しするようにしています。理由はあとで良いアイディアが浮かんだら、いくらでも編集して記事を「成長」させられるからです。

以上になります。ご自身の成長のための、能力開発のご参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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