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慶応高校野球部のようなマネジメントスタイルが、すべての組織に通用するのか?っつーお話

先日、元上司であり、私にとってファシリテーションの先生のような方から、メッセージを頂きました。

<前略> 最近色々なニュースを観ながら…
選手(メンバー)の力の引き出し方って指導者(管理職)の数だけあるんだって実感するね
日大のアメフト部
慶應と仙台育英の野球部
ビッグモーター etc.
それを考える題材がいっぱい出てきてるね <後略>

本当におっしゃる通りで、企業研修を行う立場としては取り上げるべき題材がいくつも出てきました。その中でも私が最も興味を持ったのは、慶応高校の甲子園優勝でした。今回はそのことについて、ダラダラと記載しました。もしよろしければお付き合いください。
いくぞー!テッテレー!

ニュースや記事を見る限り、慶応高校の野球部のマネジメントスタイル(監督の指導方針や運営方法)はいわゆる一般的な管理型ではなく、選手個人に、考えさせ、信頼し、任せ、そして行動させている様子が伺えます。これは本当に凄いことで、僕も勉強させて頂きました。
ともすると、高校生でもできるのだから、通常の企業でもできるはずだ!と言っている同業の方も少なからずいるのですが、私は決してそうとは思っていません。
自律自走の組織変革やエンゲージメント向上の施策も携わった経験を踏まえ、少なくとも3つの問題を解消させないとうまくいないと考えています。

▼社員と会社組織の関係性の問題
どんなにいいことを会社組織が打ち上げて実行しようとしても、今までの歴史から会社組織に不信感がある社員にとっては、頭で理解しても感情が許さないことが実はあります。
よく会社の偉い人から、なかなか社員が同じ方向に向かない、というお声を聞きますが、一つの要因はそこにあるのではないでしょうか。それはボタンの掛け違いかもしれませんし、何か他に根本的な原因もあるもしれませんが、今までの歴史を鑑みずに、すぐに変われ!というのは会社組織が少し傲慢なような気がしますね、はい。

▼構成するメンバー(社員)のスタンスの問題
自律自走の組織って、理想ですが結構大変だと思います。だって、自分で考えて行動する、というのは非常にシンプルな話ですが結構疲れますw。そして、すべての人がそれを求めていない可能性が大いにあります
明確な指示を出され、時間通りに働き、定時に帰る、こういう仕事の方が向いている方も一定数いらっしゃいます。そこに目を向けないことが多すぎるような気がします。
このような考え方に対してどのように向き合うのかは、各社によって対応が大きく違います。個人的には、多様性と言いながら一つの方向性に順応させようとするその姿は、矛盾に満ちていると感じますね、ぶっちゃけると。

▼構成するメンバー(社員)のスキルの問題
大きな目的や目標を掲げると、良くも悪くもその表題は抽象概念が高くなります。このため、その言葉の意味をどの様に咀嚼するかは、構成する社員のスキルや能力に依存してしまいます。なので、なかなかうまくいかない会社さんでよく見られるMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の形骸化は、実は、能力開発を疎かにしている影響が最も大きいのではないかと考えています(話は少しそれますが、だからこそ、人材育成や能力開発は根底の基礎能力を高めるために絶対に必要で、それなくして組織変革は出来ないと、個人的には思っています)。
能力開発をしていなくても、MVVが上手くいっている会社さんは勿論あります。そういう会社さんは総じて採用にこだわり、人材レベルが非常に高いです。

慶応高校の野球部は、これら3つの問題がほとんど存在しなかったのではないかなー、と月を見ながらうつらうつらと思っていたりしたり…。

そうそう、ビッグモーターは論ずるに値しませんが、一つだけ。
常軌を逸した報酬は、人の倫理観を壊し組織として欺瞞と隠ぺいを正義としてしまう事例でしたね。


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