地球温暖化、ドローダウン、希望と可能性(個人的想い走り書き)
『ドローダウン』という環境問題に関する本を題材したイベントを行いたいと思っていて、内容や方向性について思いを巡らせている。その巡らせているものをただ指が動くままに文字にしてみようと思う。noteをノートして使ってみたい。走り書きです。
『ドローダウン』の本が持つ魅力は、地球温暖化という問題に対して、結局のところ僕たちは何をしたらいいのか、何ができるのか、本当に対処することはできるのか、そんなこと不可能なのではないか、結局保留にしておく思考、思考停止、外側のこと、僕にとっても、地球温暖化は、自分とは関係ないところに置いてしまっている対岸の火事みたいになっている。
でも、きっと何かつながっているんだろうと思うし、何かしら手を打たないと大変なことになってしまうんだろうとは頭では分かっていて、いや実は大変なことにはならないんじゃないかと楽観的なところにいって、そのまま日常生活に戻ってしまうところがある。
でも、それでも気になる地球温暖化。できることがあるならしたいと思うけど、何かあるのだろうか。というところにドローダウンは、はっきりと解決できるということを言ってくれているのが僕は嬉しかった。
ポール・ホーケンが言う「危ないと思ったら、その真偽が分からなかったとしても、ブレーキを踏んでスピードを落とすことがまずやるべきことだ」というのがとても腑に落ちた。
本当かどうか分からない。温暖化なんか起きてないかもしれない。起きてないのなら、そのために無駄な我慢なんかしたくない。そういう心理というのは、どうしたってある。でも確かにもしかしたらぶつかるかもしれない。このままのスピードと進行方向で進み続けたら事故の危険がある、と思ったら、まずはスピードを落とし、ハンドルを切るよねと。
危険を感じたなら、そうすべきだ。それで大丈夫なら「よかった」と思えばいい。それでスピードを落として無駄だった、なんて思うのは、うーん、まぁそれはやっぱり思うかもしれない。思うかもしれないけど、それは何でもなかったから言えるのであって、何かあったらそれは言えない。
温暖化に対する僕たちのスピードを緩める作戦は、望む未来としては、温暖化が起きない未来を目指すわけだから、もしそれが叶ったときに、多くの人は「最初から温暖化なんて無かった」というかもしれない。
それを覚悟でやるしかない。今の状態に危機を感じている人は、あとでいろいろ言われるかもしれないことを覚悟でやるしかないということだ。それを怖がっていたら何もできない。どちらかを選ぶしかない。後悔しない道を選ぼう。僕はやる側を選ぶ。
きっと世の中には「言われるのを覚悟でやる側を選びたい」人たちがたくさんいると思う。その人たちが「やる側」を選ぶための希望だったり、背中を押してくれる存在として、ドローダウンはその役目を担ってくれる。
僕が魅力的だと思ったのは、科学的な数値が出ているということ。具体的なCO2の削減量や経済的なコストや付加価値がシミュレーションされて、ランキングされている。何が最も効果の高い施策なのか、次はどれで、この施策はこの辺りの効果なんだというのが分かる。
これは「ランキングの上位の活動を優先的にやっていくべき」というメッセージじゃないらしい。どんな施策もやる意味があると。それは分かるけども、やっぱり、「この施策は効果が高い」と分かれば、では「それを優先的にやっていくには?」という問いが浮かぶのが自然な心情だろう。
問いが浮かぶということは、未来に踏み出しているということ。可能性の中に入っていく動き、希望を感じる世界に入っていく動き、そういう一歩を自然に生み出している。そんな風に、問いをたてて考えようとするモチベーションを生み出してくれるのが、『ドローダウン』の100の施策のランキングがもたらしてくれる効果だ。
次に魅力だなと感じたのは、100個という様々な施策とその具体的な内容だ。「なぜそれで温室効果ガスが減らせるのか?」ということが詳細に書かれている。全部を読もうとすると気がめいるが、気になる施策を選んで少しずつ読んでいくだけで、これも希望が湧いてくる。これだけの意味のある施策があるのなら、このうちの一つぐらいは自分たちでできるのではないかと。
この「自分たちで出来るのではないか?」という問いは、多くの人が当たり前に持てる問いではないかもしれない。『ドローダウン』が次のステージに進むために必要なノウハウの提供はこの「自分たちでも出来るのではないか?」と思わせる情報提供だろう。
つまり「人が集まり新しい活動と志を生み出す技術」の提供だ。「人が集う技術」とだけでもいい。
「コミュニティデザイン」などとも呼ばれたりする。そのような技術と合わさって、『ドローダウン』は僕たちの背中を押してくれる存在になる。実際にそのようなワークショップをしっかり展開しているところがすごいところだ。本の出版だけでは終わっていない。本はただのきっかけであり、本来のミッションは「僕たちが動き地球温暖化を止める」ということが失われていない。
地球温暖化についての情報のほとんどは「このままだと地球が危ない!」と危機を煽るものばかりだ。そしてその解決策は「一人ひとりが気を付ける」みたいな、学校の教室の前に貼ってある「みんな仲良く」みたいな標語と変わらない。不必要だとは思わないが、僕たちを鼓舞し希望や可能性を感じさせ、行動を生み出すような力はゼロに等しい。
今必要な情報は、これなら解決できるかもしれない、そして自分たちにも出来るかもしれないと思わせてくれる情報だ。僕たちの身体の内から力が沸き上がってくるようなポジティブで具体的なアイデアと実行するためのノウハウだ。
『ドローダウン』の講座をきっかけに、そのようなものが世の中に生み出していけたらと思う。
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