「頑張らなきゃ!」と自分を奮い立たせても、絶対にうまくいかない理由。

自分の苦手分野を克服しようと、何度も努力しているのに成果が上がらないとき、頭と心が分離している危険ある。

頭では「頑張らなきゃ!」と奮い立たせつつ、心では「絶対無理」「自分にできるわけがない」と思っている。これは、アクセルを踏みながら、ブレーキも踏んでる状態と同じで、エネルギーだけ消耗して、前進することはない。

短期的な作業なら、気合や勢いでなんとかなるかもしれない。けれど、自分の苦手分野の克服のような長期のチャレンジとなると、このような努力の仕方は絶対にうまくいかないです。

僕の事例の一つを紹介します。

僕は、タスク管理が壊滅的に苦手です。社会人になって、そのことでかなり苦労しました。いろいろ本読んだり、改善アイデアにも挑戦もしたけど、すべてうまくいかず、自分の苦手さを痛感し続ける日々。しまいには「タスク管理」と聞くだけで、「自分には価値がない」という自己否定の声が体中に響くほどに。

でも、あるとき、世の中に、僕と同じようにタスク管理が壊滅的に苦手な人たちが一定数いることがわかり、タイプ的に無理なんだよ、という話を聞いたときは、心の底から安堵しました。

そのことで、「タスク管理」という言葉への脅迫的な自己否定はだいぶ和らぎましたが、心の奥ではやっぱり管理できない自分を責め続けてました。

苦手だったとしても、努力しなければいけない。タスク管理ができずに大きな失敗をするたびに、心を入れ替え、気合いを入れ直し「今度こそは!」と頑張るのだけど、気合いを入れるのは最初の1週間ぐらい。毎回うまく行かず、タスク管理もすぐ中途半端になり、またそれを続けられない自分に自己嫌悪を繰り返していました。

あるとき、自分の中をじっくり見つめたとき、心の奥に「自分に管理なんかできるわけがない。人が苦手なことを無理やりやらせるなんて、みんななんて酷い人たちだ」という諦めと憎しみの声があることに気づきました。

心の中では「できるわけがない」と諦めながら、頭では「諦めちゃいけない」と考えて、自分に無理をさせる。そして無理をさせている周りの人間に批判の念を抱いていた。「諦めちゃいけない」は自分の本心ではなく、無理やり他人にやらされていただけ。言ってしまえば「演技」みたいなものです。頑張ってるフリです。そんな演技やフリに自分も騙されていた。騙していた。「こんなに頑張ってるんだから、結果がでなくてもいい」という言い訳も心の中でしていました。

頭や行動してる側の僕と、心の僕はまったくの別人でした。
心の僕は、まったくタスク管理を成功させる気がなかったんですね。

こんな風に、頭と心が乖離してる状態では、ものごとがうまくいくはずがありません。

このことに気づき、今書いたような心の中で思っていたネガティブな気持ちを、妻や友人に聞いてもらったり、ブログやSNSで投稿してみました。

人に聞いてもらい、気持ちをオープンにしたことで、僕の中にずっと隠されてた「諦めの念」は浄化されて、とても気持ちが楽になりました。それと同時に、「タスク管理」という言葉にこびりついていたしんどい気持ちが少しずつ薄まって、それまで重荷としか感じられなかった「タスク管理」という言葉が軽くなっていきました。

そこから、改めてタスク管理の工夫や努力をやってみると、今までよりも前向きに、とても自然に取り組める自分がいました。

今までは「がんばらなきゃ!」っていう勢いをつけていたんですね。勢いで頑張っても、心の中では完璧に諦めているわけなので、そのテンションは長く続くわけがないんですね。

自然な状態での努力や工夫は、意識も持続しやすい。いや、意識は今まで通り簡単に薄れるんです。でもそのとき「あ、また諦めてる自分が出てきた!」と思うと、再度、意識を戻せるようになるんです。

これが今までと全然違う。無意識にブレーキを踏んだ瞬間が分かるようになったんですね。なので「あ、ブレーキ踏んでる!」と気づけば、あとはブレーキから足を外して、またアクセルを踏めばいい。理由も分かったので、うまくいかなくても、そこまで落ち込みません。努力モードにすぐ復帰できる。

そして、小さい成功を素直に喜び、重ねていける頻度が増えました。


というわけで、頭で「がんばらんきゃ!」と勢いづけて努力してるときは要注意です。

そういうときは、一度、自分の心の声に耳を傾けてみる。本心は「無理」「できるわけがない」と諦めの気持ちがあるのなら、まずそこを丁寧感じ取って受容するところから始める。信頼できる友人に聞いてもらう。

自分の気持ちをオープンにして、ブレーキ踏む自分に気付けるようになると、努力の継続率も、チャレンジしてることの成功率もグンと上がります。

「ちゃんと頑張らなきゃ!」と思って努力してるのに、まったく実を結ばず悩んでる方の何か参考になったら嬉しいです。

それでは!

音声配信アプリ「stand.fm」にて、日々考えてることを配信しています。
聴いてもらえたら嬉しいです。

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