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面接官経験者から見た、採用面接に受かる人と落ちる人の差。
私は、会社員時代に、何度か大学新卒者の採用面接官をしたことがあります。
採用する側としてわかったのは、内定をもらえる学生ともらえない学生には、「事前準備」と「面接時の意識」に差があるということです。
ポイントは、面接官の立場で考えることができているかどうかです。
このnoteは、これから企業面接を受けられる学生さんにとっては、興味深い内容となっていると思いますので、ぜひ読んでみて下さい。
※お読みになる前に、ご留意いただきたいこと
・これから面接を受けられる学生さんへ向けて書いています。
・私個人の見解であり、確からしさに対する統計等の裏付けはありません。
・面接必勝法を教えるものではありません。
面接を有意義なものにするために、そして受からない学生にならないために、押さえておきたい6つのポイントを、順にお話ししていきます。
ポイント1:面接官の仕事を理解しよう
企業が面接をする理由は、あなたがどういう人間なのか、そして、採用することで会社にどういう効果を及ぼしてくれるのかを、見るためです。
多くの場合、面接官は複数人いて、面接終了後に全員で意見を交わし、内定可否の判断をします。そのため、どの面接官も、他の面接官に対し、自身の可否判断の根拠を説明する義務があります。
たかだか数十分という短い時間で、その根拠を探さなければならないのですから、面接官のためにも、あなたは無駄なことを話して時間を浪費してはいけません。
面接官は、履歴書だけでは判断できない、あなたの知識レベル、人柄、本気度などを、面接という場を通して見たいのです。
だから、面接官は、履歴書や研究概要を読んだ上で、それらを探る質問を用意します。面接官には学生一人一人の将来を決める重い責任がありますから、どんなに他の仕事が忙しくても、真剣にこういう準備をします。
面接官は、あなたの想像以上に、あなたのことを理解しようとしてくれています。
まずは、このように、面接官がいかに大変な仕事かということを、おわかりいただくことが大事です。
ポイント2:面接官の理解を助けよう
面接官は、短い面接時間で合否を判断するために、綿密に事前準備し、面接で一つでも多くの情報を得たいと思っています。
だから、あなたのすべきことは、面接官の理解を助けることです。それもできる限り時間をかけずにです。
結構やってしまいがちなのが、履歴書に書いた文章を、面接時になぞってしまうことです。
面接官は、あなたが事前に提出した履歴書や研究概要を、かなりしっかりと読み込み、理解しています。だから、面接では文面からはわからない、あなたという人間を見たいと思っています。
例えば、履歴書にあなたの強みを書いていたとします。面接官はそれを見た上で、あえて「あなたの強みを教えて下さい」と言ってくることがあります。そういう質問をする時には、ある程度の期待値を設定して聞いています。
それなのに、履歴書に書かれているのと全く同じことを伝えてしまうと、面接官の期待を裏切ります。質疑応答の時間が10分だとして、そのうち1分をかけてしまうと、アピールのチャンスを10%無駄にする上、失望まで与えてしまう訳です。
強みをアピールしたいなら、簡潔にあなた自身の体験を添えるなどして、面接官に理解を深めてもらう工夫をしましょう。
具体例をあげることで、会社でどういう行動をしてくれる人間なのか、面接官がイメージしやすくなるようにするのです。
あなたの履歴書や研究概要を、面接官がどう読むのか、想定される質問を徹底的に洗い出しておきましょう。そして想定質問には、端的に自分をアピールできる答えを準備しておいて下さい。
面接官の理解を助けるという視点を持つと、回答のレベルが上がるはずです。
ポイント3:履歴書や研究概要の提出から面接は始まっている
面接の前に面接官の手に渡ることになる、履歴書や研究概要については、書き方に注意を払う必要があります。面接官が目を通すということは、そこから面接が始まっているということです。
特に、研究概要は、素人にも理解できるできるように書く必要があります。
得意なあまり、ついつい専門用語を使いがちですが、あなたの研究分野については、多くの場合、面接官は素人です。研究室では、普段聞きなれている用語でも、素人には初めて聞く言葉かもしれません。
専門用語がバンバン出て来ても、面接官は、難しい研究ができるすごい学生だとは思ってくれません。むしろ、独りよがりで相手の立場を理解できない人という印象を与えます。
これは、研究のレベルが多少低いと思われるより、はるかに問題です。自分の研究を難しく見せようと、難解な言葉を使うのはやめましょう。
専門用語を使う時は、初出時に意味を添える程度の気遣いは、最低限必要です。
ポイント4:面接時に論理の矛盾を起こさない
履歴書に、得意なことや強みを書く時は、特にバックグランドに注意して下さい。あなたの得意や強みは、会社にとっても強みとなるのか、という見方をされます。
例えば、確率・統計に強いと書いておきながら標準偏差の定義を答えられないとか、リーダーシップがあると書いておきながら、リーダーとして活動したエピソードを話せないと、一気に不信感を植え付けてしまいます。
こういう論理的な矛盾には、細心の注意をはらいましょう。
面接官は、経営者や優秀なマネージャーが担当することが多いと思います。彼らは面接のプロです。具体性の伴わないことを履歴書に書いても、百戦錬磨の面接官には見透かされるリスクが高いです。
ポイント5:回答をあきらめない
面接では、簡単に答えられない質問をされることがあります。例えば、こんな質問をされたら、何と答えますか?
「もしあなたに5人の部下がいるとしたら、その5人を使って、どうやって売上を最大化しますか?」
こういう質問に正解はありません。面接官の求める正解は何だろうと考え始めると、ドツボにはまります。正解を探ろうと、もっと前提条件を聞き出そうとしても、時間を無駄にするだけです。
面接官は、答えそのものには興味がありません。あなたがあきらめずに何とか答えようとする姿、つまり粘り強く仕事ができることを見たいのです。
また別のパターンとして、わざとあなたを追い込んで困らせようとする面接官もいます。「それを言うなら、○○の方がいいんじゃない?」とか「そんなことしたって駄目なんじゃない?」のような言葉が出たら、要注意です。
こういう面接官は、あなたが「仰る通りです。」と言わないことを期待しています。面接官の意見を尊重しつつも、一度言ったことは簡単に覆さないようにしましょう。
ポイント6:明るく前向きに話す
これは言う必要もないかもしれませんが、ネガティブな発言が多いと、面接官は、どうしても他の社員への影響を心配してしまいます。
どんなに優秀でも、一人のアウトプットがチームのアウトプットに勝てないことを、面接官はよく知っています。
面接官にポジティブな印象を与えられるよう、明るく、少し大きめの声で、前向きな発言をするようにしましょう。
こういうところに高いウェイトを置く面接官もいますので、疎かにしないで下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
面接官から見た、内定を出したくなる学生と、そうでない学生の差を、ご理解いただけましたでしょうか?
このnoteでお伝えしたかったことは、面接官の立場で考え準備することの重要さです。
ここで、お話ししたことは、どの面接にも共通するだろうと考えることだけです。それぞれの面接に合わせて、準備しておいた方がよいことは、他にもたくさんあるはずです。
面接官も人間です。履歴書や研究概要だけで、あなたを判断することはできません。だから、質問にのせられた面接官の意図をくみ取って答えてあげることが、あなたには求められます。
面接の時、緊張している学生も多いですが、緊張すること自体が減点になることはないので安心して下さい。緊張しているのに、頑張って何とか話そう、答えようとする姿が、逆に好印象に映ったりもします。
忙しく、大きなプレッシャーもある面接官のために、あなたがしてあげられることを考えて、最善の準備をすることが、合格の可能性を引き上げてくれるはずですよ。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。このnoteが、あなたのお役に立てたなら幸いです。
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