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メルロ=ポンティに入門するとは【読書のキロク】

こんばんは、"もっちゃん”です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。

今回は【読書のキロク】です。
研究に関して、未だ論文に達せず、書籍を彷徨っている状態です。

そんな中読んだ1冊ですが、逆に迷走している感じでもあります。

◯今回読んだ本:『メルロ=ポンティ入門』 著者:船木亨 ちくま新書

研究の最中、メルロ=ポンティに関する記述も多く、恥ずかしながら全くと言っていいほど知らない中読んだ本です。

全く知らないが故に、入門書を探り、とりあえず選んでみました。

◯概要

われわれはこの世界に生きており、現代の歴史に属している。それにしては、そのことがちっともぴんとこないのはなぜなのだろう。世界や歴史と無関係に、われわれのささやかな人生がここにある。だからといってとるにたらないことなど何ひとつなく、われわれがものごとを考えて決断するときには、やはり歴史の論理のなかを、おなじ世界の他者たちとともに生きるのである。現実的とはどういうことで、真実を語るとはどのような意味か。メルロ=ポンティ哲学をひもときながら、われわれのもとに到来する出来事を真剣に取扱う姿勢について考える、一風変わった入門書。

上記ホームページ内容紹介より引用

基本的に多くの本はタイトル買いをしています。
この本に関しては、内容紹介をよく読んでから買えばよかった、と思いました。

◯雑感

とても面白い本でした。
筆者が取り上げたテーマに基づき、メルロ=ポンティの考え(文章)を引用しながら、どのように捉えるかを解説的に語っている本です。

第一章と第二章くらいまで、正直何が言いたいのか掴みきれないまま読み進めていきましたが、第三章あたりからは、けっこう本質的な部分にも触れつつ書いてあるように思います。

個人的には第三章からが面白かったです。
深く書くと研究に関わる&ネタバレになってしまうところもあるので書きませんが、“知覚”“しぐさ”といった身体に関わるキーワードから、なんとなくメルロ=ポンティを感じ取れるような気がします。

◯どこからがメルロ=ポンティ?

あとがきで筆者も書いていますが、
「どこまでがメルロ=ポンティの考えで、どこからが筆者の主張なのか」
ということが、よくわからない、というのが正直な感想です。

文章の中で、「メルロ=ポンティ曰く〜」的な表現がたくさん出てきます。
それに続く引用や主張は、メルロ=ポンティのものであることがわかるのですが、例えばそれ以前はどうなのか?
と言われると、なんとも言い難いです。

メルロ=ポンティについて外観したい場合は少し向かない本かもしれません。

◯とはいえ、面白い!

とはいえ、本自体はとても面白かったです。
なんとなく、メルロ=ポンティについてもっとよく知った上で読む分には、なおさら面白いのではないかと思います。

終章まで読んだ後で、もう一度第一章や二章を読んでみるだけでも印象が変わります。

自分としても、もう少し理解を深めた上で、もう一度読みたいと思います。
そうすることで、筆者自身の主張もよりわかるようになり、楽しめるのではないか、と感じた次第です。


そんなことを考えた1冊でした!

新書ですがサクッと読めるわけではありません。
ただ、楽しみながら哲学に触れることができるようには思います。

自己紹介はこちらから。

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