アートはどうしてそこにあるのか【読書のキロク・Audible】
こんばんは、"もっちゃん”です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。
今回は「アート」に関する書籍のキロクです。
近年ではアートがブームになっているように感じています。
そのブームの方向性はさまざまではありますが、なんとなく"ビジネス”に向けての流れができてきているように思います。
その流れも、“アート的な思考”に関するものと、ビジネスシーンに生かすことができる“教養としてのアート”に関するものの流れがあるように感じます。
今回の書籍は、その後者“教養としてのアート”に関するもののように感じながら読み進めていきました。
◯今回聴いた本:『「アート」を知ると「世界」が読める』 著者:山中俊之 幻冬舎新書
今年の3月に出版された本です。
わずか数ヶ月でAudibleでも無料で聴くことができるのは、とてもありがたいものです。新書だけに、新しいものを読めるのはAudibleの非常に良いところだと思います。
◯概要
元外交官の著者ということもあり、世界各国のアートを取り上げながら、その各国の歴史的背景や民族的な知識、経済に関することなど、幅広い観点について論じている本でした。
◯ビジネスパーソンの素養としてのアート
本書のスタンスとしては、
「ビジネスにおいてアートの素養(アートに関する知識)を持っていると良い」
「アートの素養が、コミュニケーションも促進する」
「アートを通して、各国に関する知識を深めていくことができる」
といった感じです。
先述のとおり、
アートを通して知識を深めていくことで、国際的にもビジネスで通用するような教養を身につけることができる
といった感じでしょうか。
元外交官というだけあって、かなり色々な国についての知識も深く、アートを通して多角的に考察を加えています。
確かに日本は他国と比べて、いわゆる古くから言われる“アート”との関わりは薄いようにも感じます。
それを皮肉的に野次りながら、「ビジネスマンたるもの〜」のような論調で進んでいきます。
アートを題材に各国の状況を捉えていく、という点で、見方として非常に参考になりました。
◯ビジネスで生きるアート
先日『東大の先生! 超わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください!』という本を読んで、以下のような記事を書きました。
この本では、アートに関して、"アート的な思考”がビジネスに生きてくる、というようなスタンスだったように思います。
今回の本も同じく、「ビジネスに効く」ということでは共通していますが、趣向としてはだいぶ異なっていました。
本書では、“アート関連の知識”を得ることが、自身の考え方を深めていく、ということでは共通しているかもしれません。
ただ、それを元にした対話やコミュニケーションに重点が置かれているようにも思います。日本人にはその部分が足りていないよ!ということも筆者の主張のように思います。
それはその通りだと思いますし、個人的にももっとアートの素養を求めていきたいところです。
本書を通して知識が深まったところは多々あります。ビジネスマンにはとても有用な本かと思いました。
◯アートは何のため?
一方で、引き続き「ビジネスに効く!」とか「アートの効用」とかいった表記には私は違和感を持ってしまいます。
アートは何か効用を求めて楽しむものなのか
効用を求めていくことで、アートの大事な部分が抜け落ちてしまわないか
ということを感じざるを得ません。
もちろんアートを知っていくことで、今回挙げた2冊のような効用があることは間違いないと思います。
ただ、
それを前面に出さないとアートを楽しめない
そういった本が売れて広まっていく
ということが、
逆に日本にとって本質的なアートの素養を身につけていくことの妨げになる
ような気さえします。
なんだろう、このジレンマな感じは。
◯子どもたちへのアート
なんといっても、アートに関する教育は今後考えていかなければならないことと思います。
STEAM教育とかで、Artが着目されるところではありますが、そのArtの扱いも難しい現状があります。
特に日本では“アート”が“リベラルアーツ”として解釈されることも多いです。
その本質を見極めつつ、日本人のアートとの関わりを今後考え続け、
未来をつくる子どもたちに対してどのように伝えていくのか。
といったことは、これから必要なことだと思います。
自分としても今後も考え続けたいと思います。
そんなことを考えた1冊でした!
だんだんと、抜けられないアートの沼にハマってきているようにも思います。
抜け出せますように…。
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