見出し画像

言葉のことばかり【ナマ】

カラオケマイクのエコー

友人に、普段は至ってノーマルなのに
酔っ払うと傍若無人な行動をとる人がいまして

ある日のカラオケでいきなり
「唄ってる人のマイクのエコーを切る」
という暴挙に出ました。

何すんだよ!って話ですが、彼曰く…

「エコーがかかっていては、
 本当の唄を聞くことはできない。
 魂が伝わらない。
 ナマの歌声。それこそが『ライヴ』だっ!!」

確かにね、エコーはある程度、
未熟さをごまかしてくれるわけですから、
いろんな人のレベルを均一にしてしまうわけで
「その人本来の個性が出んっ」
ってのも正しいんですけどね。

だけどね「ボクらは素人なんだ」っつーの。

自分の場合はあまり声量がないので、
これを解決するために、
マイクの使い方を徹底的に研究しました。

口とマイクの距離、角度、
手でマイクの先をつつむようにして
集音機能を上げる…など、
それはそれは努力しているわけです。

いわばCMで、
撮影した素材の画質を調整し、
別素材と合成するようなもので、
ボクが聞いてもらいたいものは、
最終的な制作物であってほしい…わけです。

…と言いつつ、
ためしにエコー切ってやってみてください。
これはこれで盛り上がりますよ。
もうむちゃくちゃになるから…。
小学校のときの音楽室みたいになる。

考えてみると、
マイクだって音声の増幅器です。
生じゃないと言えばナマじゃない。

手を加えることは
悪いことなのか?

新鮮な生野菜とか、
素材の味を活かすとか
よく言いますよね。
それはそれで認めるとして、

じゃあ料理するのは余計なことか
って、誰もそんなこと思わない。

生にはナマの良さがあるし、
料理には料理の良さがある。
当たり前ですね。

どっちもいいところがある。
方法の違いなのに
その辺がよくわかってないことが
世の中には結構ありますね。

生じゃないビール

生ビールって普通に飲んでますが、
じゃあナマじゃないビールって何か。
意外と知らないかも。

お店のビールが生って思いがちですが、
缶ビールでも「生」って書いてあります。

違いは熱処理してないってことらしい。

熱処理を行ったビールを「熱処理ビール」と呼び、熱処理を行わないビールを「生ビール」と呼びます。
熱処理を行う理由は (1) 酵母の働きを止めること(2) 醸造の工程で混入した雑菌の活動を可能な範囲で止めること
ビールをおいしくするために大切な役割を果たす「熱処理」。昔はこの処理を行うのが普通でしたが、醸造の技術が向上し、現在大手メーカーが造るビールは、熱処理せず、ろ過により酵母を除去した「生ビール」が大半。

https://beergirl.net/beerbeginner_01_c/

美味しくするための熱処理だったのが、
技術の向上でろ過で大丈夫、となり、
そしたら熱処理が悪いみたいになっちゃった。

生じゃないビールって、
僕らの世代だと昔の瓶ビールですね。
今だとサッポロラガービール(通称赤星!)
キリンのクラシックラガーとかがあります。

これ、たまに飲むと美味いですよ。
生よりどっしりしっかりしてる感じです。

無添加、無化調、とか、
確かに変なもの加えない方がいいけど、
変じゃないもの加えててもイメージ悪い。

なんか、手を加えることが悪い
みたいな風潮がありますよね。

ナマで質の高いことがいかに難しいか。
いかにナマが珍しいか。

ってことなのかもしれません。

何も加えない、を
作る作業。

先日、久々にテレビで
ハモネプやってましたね。

アカペラで歌うってのも
ある意味、無添加と言えるかも。

あれ見てて、
今どきはいろいろ添加物入れてるな
って感じました。
あ、演出って意味です。不純物じゃない。

生の良さを演出するって感じかな。
そう思うと、ナマって何なんだろう。って
考えてしまいます。

イベントとしての生放送とか、
わざと一発どりのファーストテイクとか、

そのままの良さを作ってる
不思議な話ではあります。

マイク使わないボカロは生歌なのか、とか
AIに考えさせた文章はマイク通した歌
みたいなものなのかとか、

考え出したらキリないです。

そういえば、生ってそもそもLIVEだから
生ライブってナマナマだ。変なの

次回の言葉は「口笛」です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?