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今夜も死後硬直|その2【なるへそ】

今回とりあげる死語は「なるへそ」です。
このコトバの場合、もとが「なるほど」であることは
容易に想像できるのですが、
な~ぜ、「へそ」なのかが全くわかりません。
「なるほど、へ~そ~」が縮まったのではないか。
という説を唱える人もいらっしゃいますが、(どこに?)
これではあんまり拡がりというものがない。

私の調べたところによると、
元禄期に編纂された「日本妖怪大全(全十八巻)」という書物に
「鳴臍(なるへそ)」という妖怪についての記述があります。

「鳴臍の茶沸かし」

 そのへそ、中秋の満月の夜、
 供物に饅頭のあるを知るや、
 突如声をあげるものなり。
 その声、秋の虫の声にも似て、
 声音あくまでも低し。
 家人、饅頭の在処を隠せば、
 それを探し、暴れ、
 食せば止まることを知らず。
 すべて食せば、自力にて茶を沸かし、
 これを飲むものなり。
 家人、これを見て、大いに笑う。(抜粋)

と、いうものです。
腹の虫が鳴っただけはないか。という気も
しないではありませんが、
饅頭を食った後、自分でお茶まで沸かすとは・・・
「へそが茶を沸かす」の語源までわかってしまいましたね。
しかし、これがどうして、
納得したときに発せられるコトバになったのかは
あいかわらずナゾのままです。

う~ん。死語硬直

・・・ではまた次回


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