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【本について】
タイトル:生き方のスタイルを磨く

著者:斉藤孝 出版社:NHKブックス

Q . 今、私たちに必要な生き方とは?自分らしさを探し出すには?自分スタイルの生き方を築くためには?

A . 世界、他者との関わりのなかで「一貫した変形」を繰り返すことにより、自分スタイルを成熟させていくこと、スタイルという観点から生き方を捉える習慣を実践すること

【著者のメッセージ】

自分自身で自分の人生を納得することは、とても大切である。


【問い】

いかに、他者と「ずれて」いるか?(差異を認められているか)

【WHY】

■才能があっても自殺してしまう人がいる。

■一方で、際立った才能がなくても、生きている意味を自分自身で実感できる人もいる。または、能力とは別に存在感を感じさせる人もいる。

■何をやっているのかわけがわからない人生や、自分が踊らされているだけの人生では、充実感は感じにくい。

【WHAT】

スタイル間コミュニケーション

*リアリティを捉える1つの視座、ある価値的志向を含んだ概念(価値的志向:他者との関わりのなかで新しい意味が生まれ、相互に活力を得るクリエイティブな関係へと向かうもの


【HOW】

■持って生まれた気質や体質による「癖」を「技」に転換して、生き方のスタイルを成熟させていく。

*スタイルとは
・個人個人で全く異なる「個性」とは違う概念
・生まれつきのものではなく、成熟を要するもの、世界や他者への関係の仕方の一貫した変形作用

※変形とは:通常の仕方をずらしていること
・スタイルは時間をかけて熟成されるものなので、自らに襲いかかってくる環境に対して、どのような態度を取るのか、刻一刻の意思決定が大事になる(そのために、ビジョンと必要条件が何か理解できていることが重要)

・スタイルは、一般的パーソナリティではなく、戦略を含んでいる。

*スタイル論の軸:「身体論的視座」と「関係論的視座」

スタイル概念は、個と制度、技術と人間、技術と理論などの2項対立図式を媒介し、総合するもの。

例)「個人個人が内面から変わる必要がある」VS「外部の制度が、まず変わらなければだめだ」
「個人の内部に既にある性質」について、子供を個性的にするにはどうすべきか、という問いが立て、教師の個性を問題にすることはない。これは関係主義的でないし、実践的でない。
また、個性化という考え方自体の限界を認識する必要もある。(変革的喚起力を持ち得ないという基本的問題がある)→つまり、リアリティに即していない。
私たちが、自己と呼ぶものは、内部にある何らかの実体ではなく、世界や他者との関係の仕方の沈殿。従って、個々の具体的な関係のあり方を含み込んだ関係論的な概念が求められる。

■スタイル概念において、身体の次元が基盤となっている。固有の歴史的社会的な行動様式が学習によって体系化された「習慣の沈殿」をさす。習慣化され、身についた振る舞い方の一定の傾向が、スタイルを形成している。スタイルの一貫性の基礎は、身体の持つ習慣性にある。

■人と人とが関わり合う時、スタイルとスタイルのコミュニケーションが起こっている。(スタイル間コミュニケーションは、その人の癖が技になるまでに上手く引き出す存在と、そのスタイルの成熟を味わう存在とがあって、加速していく)

■「癖の技化」

癖が技になることによって、生き方が「一貫した変形作用」を被る。(どこか一部を切り取ってみても、その人らしい一貫性が見つけられる)

【学び】

■癖は嘆くものではない。自分スタイルを築き上げる柱になる。

■私たちが他者と関係性を持っていく中で、「身体的なコミュニケーション」が必要。スタイル間コミュニケーションでは、他者との「差異」を認めていくことが大事。(相手のスタイルも理解していくこと)

■スタイルを磨き続けることで、「成熟」が手に入る。

■生き方のスタイルを考えることで、自己理解、人間理解力が格段に進む。

■自分スタイルは、決して自分1人では確立できない。

■一貫した変形作用を貫くことがスタイルになる。


【響いたメッセージ】

■生活から「癖」を全て除いたとすると、その人の生き方はずいぶんと貧弱なものになる

■生き方のスタイルが際立つのは、対照的な相方が存在するとき

■幸福には1つの形があるわけではない

■功利主義的な観点から見れば、マイナスにしか映らない行動スタイルを、トータルな人間存在の観点から捉え直すことによって、肯定的な面が見えてくる

■特別な才能がなくても、存在感があるということはありうる。(私たちは能力で人間を見るのに慣れすぎてしまっている。生き方のスタイルという観点から人間を見直すと、存在感が重要な要素として浮かび上がる)

■存在感とは、その人物の有用性とはまた別のもの。能力だけならば、他の人間がカバーしていける。1人で無理なら、2人、3人で補えばいい。一方で、人間のトータルな存在感となると、変わるものを見つけるのは難しい。

■スタイルはもがきながら成熟させるもの

■どれだけ意識的に工夫しているか、そこにスタイル形成の秘密がある(工夫を繰り返すことでスタイルは強化される)

■生き方のスタイルがさまざまに交錯する場。性質の異なる人たちを引き寄せる「結合力」こうした観点から馬の力学を見ることができるようになると、世の中はいっそう味わい深くなる。

■出会いにおいて、事柄の内容だけではなく、お互いのスタイルの間にコミュニケーションが起こっているという事実そのものが重要になる。

■知覚がスタイル化しているからこそ、世界への問いかけの仕方、世界からの問いかけられ方が、ある一貫性を持っているからこそ、表現か可能になる


【アクション】

■芸術に触れ、表現されている「差異」を楽しむ、理解する。

■周りが自分のペースに巻き込まれ、彼彼女たちの人生がプラスに変わっていくことをゴールに自分スタイルを磨く。

■一貫した変形作用を維持する!(目指せ!金太郎飴的スタイル)

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