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Day251:『知覚力を磨く』ー本当に優秀な人は、「思考”以前”」が優れている

【本について】
タイトル:知覚力を磨くー絵画を観察するように世界を見る技法

著者:神田房枝 出版社:ダイヤモンド社

Q.イノベーション、ブレイクスルーを起こすために必要なものとは?

A.「知覚力」


*知覚とは
自分の取り巻く世界の情報を既存の知識を統合しながら解釈する感覚

*知覚力とは
目の前の情報を受け入れ、独自の解釈を加える能力のこと
あらゆる知的生産の最上流にある(知的生産のステップ:知覚→思考→実行)
「どこに眼を向けて、何を感じるのか?」
「感じとった事実をどう解釈するのか?」全てはこの”初動”に左右される

*イノベーションとは
他人とは異なる解釈に基づき思考し、具現化した時初めて生まれるもの
(既知×知覚=イノベーション)
※イノベーションを起こすために「知識のストック」は必要不可欠

“見方が変われば世界が変わる”

【WHY】

■思考力だけで帳尻を合わせられる時代が終わろうとしている

■私たちの目は「固定観念」「認知バイアス」「情報過多」で曇っている

■私たちは、見ているつもりで見ていない

■私たちは、純粋にありのままを見ることができ無くなってきている

■混沌とした状況を手探りで乗り越え、より良い問題解決や意思決定を導き出すときには、人間の根源力(知覚力)に立ち返る必要がある

■私たちの眼は「検索モード」にとらわれている。見る方法に問題が生じていて、観察の力が低下している。(知覚的盲目)
※マルチタスクによって、引き起こされる

【WHAT】

■固定観念の怖さ/知覚力こそ世界を切り開く鍵

「ペロポネソス戦争」
ートゥキュディデス(古代アテナイの歴史家)は、「不透明な世界」のバイブル

ペロポネソス戦争の最中、追い討ちをかけるように恐るべき事態が発生。
アテナイ人口の約25%を死に知らしめた、歴史に記録された最初のパンデミックで、、恐怖に襲わられた人々は、自分たちの固定観念に基づき危機を解釈した。

●解釈:
A.
「こんな運命に身なわれているのは、自分たちが神に見放されたからだ!」

自らなす術を見失っていった。ただ悲嘆にくれ、気力を無くす人もいれば、どうせ死ぬのだからを自暴自棄になる人、また、絶望の淵で正気を失い、生きるチャンスを自ら閉ざした人、様々な情報が錯綜し、混乱が広がる中、藁をもすがる思いで不合理な治療法に引っかかってしまう人もいた。


B.
一方で、トゥキュディデスは、「知覚」の幅を広げるアプローチを取った。

感染が蔓延する世界をエビデンスベースで克明に観察し、そこで得た情報を自身の経験や学習と統合させた。そして、建設的な意味づけを施した記録を、少しでも後世のために残そうとした。疫病にかかるも、固定観念、認知バイアス、膨大な情報から自分を守ることに成功した彼は、病から回復した。

最近では、2020年2月に世界保健機関(WHO)が発表した「感染者本人、または感染者を看病する人以外は、マスクを着用する必要はない」という声明により、命を落とす必要のなかった人たちの命が奪われることに。
*人間の意思決定は、最初に得た情報にとらわれやすい:「アンカリング」

人々が、権威バイアスに振り回されず、もっと「知覚力」を使いこなしていたら、救われた命があった。

【HOW】知覚力を磨く

純粋に見る機会が減ると、人間の知覚力は低下する。どんなに高い思考力を持っていても、最初につかんだ近くが著しく貧弱だったり、歪んだりすれば、その先には悲惨な結末が待っている。

知覚力を磨くことに成功すれば、知的生産の流れそのものを強化し、創造性を高めることができる。

「知覚力」は、企業ビジョンづくり、戦略デザイン、製品の開発、マーケティング、プレゼン資料、パンフレット、自宅のインテリア、ブログあらゆるところで役立つ。

■絵画観察トレーニング

「絵画を観察するように、世界を見る技法」が未来を拓く。

「眼の付け処」を磨いて行けば、観る対象がどれだけ変わっても、「固定観念」「認知バイアス」「情報過多」から解き放たれ、これまでにない視点で世界を知覚できるようになる。

*イェール大発「知覚力トレーニング」

絵画を用いることで、医学生たちの「眼」と「脳」と鍛えるトレーニングで、今では、ハーバード大学、UCLA、コーネル大学、コロンビア大学、スタンフォード大学を含む100校以上で採用。

五感を集中させて対象を観察するとき、人間は「見えないもの」を観る。
トレーニング前後に実施する評価スコアは、日本人の知覚力が平均69%アップ。イェール大学メディアカルスクールでは、3時間で「診察する力」が13%アップ。

*観察の注意点*
1、十分な観察時間
2、多くの解釈を生む眼の付けどころ
3、知覚を歪める要素の排除

「絵画を観察するように、世界を見ている」人物
アルベルト・アインシュタイン、ピーター・F・ドラッカー、黒澤明、ウォーレン・バフェット、トニー・シェイ、スティーブ・ジョブス、パブロ・ピカソ、レオナルド・ダ・ヴィンチなど。
また、ノーベル賞受賞者の90%以上がアート活動に関わっている。

■マインドアイ(見えないものを見る力/アイデアを観る眼)

マインドアイから見られる像「メンタルイメージ」

メンタルイメージは、何気ないときにひらめきや直感として観えたり、新しい発見として観えることもある。
実際に「眼で見ている」わけではなく、「脳で観ている」状態。

受動的に見るのではなく、好奇心に導かれて視覚的刺激を集中的かつ能動的に需要しながら、脳を最大限に活性化させる。
「観察」は、マインドアイ機能を高め、知的生産を強力に後押しする。

*マインドアイは、記憶力・問題解決力・空間的推論力などに深く関わる

■知覚力を磨く4つの方策

1、「知識」を増やす:学習、経験
2、「他者」の知覚を取り入れる:読書
3、知覚の「根拠」を問う

「なぜ自分はそう解釈したのか」
「どこでその事実を知ったのか」
「なぜそれが正しい事実だと言えるのか」
「もしもその事実が正しくないとすれば、自分の解釈はどう変わるのか」
4、見る/観る方法を変える

■どう観るか(4つの技術)

1、全体を観る
2、組織的に観る
3、周辺部を観る
4、関連付けて観る

■知覚力を奪う「敵」

カテゴリバイアス、確証バイアス、同調バイアス、自信過剰バイアス、ネガティビティバイアス、曖昧性バイアス、バイアスの盲点

→「ラベルなしに観る感覚」を掴む

【WHAT IF】

■黒澤明:脳内に、圧倒的な「自然」をストックしていた。
■ドラッカー:ビジネスにおける知覚力を磨く上で、日本の水墨画を愛好していた。
■アップルの研修:ピカソの絵を観る
■LEGO:女児向けのフレンズシリーズ(ジェンダーバイアスからの脱却)

【学び】

■私たちの「認知バイアス」「固定観念」「膨大な情報」が原因で、命を落とすこともある
■知覚が創造主、不確実な世の中を生きる私たちを救う感覚
■「純粋に見ること」が大事
■人間の「見る」は、ほとんどが脳のクリエーション
■人間の視覚システムは、学習したイメージをもとにしながらも、無限のイメージを創造的に知覚することができるからこそ、自分に何を観せる、そしてどのように観るかが大事
■イノベーションはほとんどいつも周辺部から起こる
■成功体験はバイアスを形成する

【響いたメッセージ】

■何を知っているかではなく、どう意味づけをするか

■あらゆる知識のはじまりは、知覚であるーレオナルド・ダ・ヴィンチ

■どれだけ深い「曖昧性の霧」に包まれていようとも、また、大小どんな危機に直面しようとも、私たちは前に進んでいかなければならない

■この生物圏において、知覚は核心であるーピーター・F・ドラッカー

■「細かく見ること」と「観察すること」は似て非なるもの

■病というものは曖昧な問題の典型(曖昧性が高まると、思考への依存度が高まる)

■日本の再生を担うのは、深い人間理解に基づいて個々の社会課題とその全体図を鋭く近くしながら、最先端のテクノロジーを自在に駆使するリーダーたちに違いない

【アクション】

絵画を飾る、絵画の本を一冊購入して、毎日観る


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