『春にして君を離れ』(その1) なんぢらの中、罪なき者まづ石を擲て
みんな、自分は聖人になれないのを知っているけれど、他人には聖人のようなふるまいを求めてしまう。
『春にして君を離れ』,アガサ・クリスティ著,早川書房発行,2004年4月刊
友人内の読書会で、この本が課題図書になった時、正直気が重かった。
手垢のついた言い回しをあえてすれば「人間の善意の闇」を書き切った小説として、名作オブ名作、傑作オブ傑作。アガサ・クリスティのベストにあげる人、あるいは「自分にとって非常に大切な本」にあげる人も数多。レビューも感想も分析も大量に書かれ