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『銀座令嬢誘拐事件』 クリアしました

 ねこ、可愛い。

 SCRAPさんが贈る、東京銀座の郵便ポストを使う新しいタイプの謎解き『銀座令嬢誘拐事件』をプレイしてきました。私は知らなかったのですが、以前も開催されたことがあったそうで、今回はリバイバルみたいですね。

 人間と話をするのは苦手だけれど、ポストと会話をすることができるという特殊能力の持ち主の主人公が、「ポスト探偵」として、女の子の誘拐事件の謎を解く……というストーリー。
 紙のキットを一切使わず、全てスマートフォンとポストと現地の情報で進行する、なかなか珍しいタイプの謎解きです。


身軽に遊べるけど本格派

  • 上述しましたが、謎解きは全てスマートフォン上のブラウザを用いて行います。出題も解答も途中のストーリーテリングも、全てブラウザです。
    なので、スマホと予備バッテリーはお忘れなく! まあ今の時代、この二つを持ち歩いていない人の方が珍しいかも知れませんが……。

  • 紙の謎解きキットがないので、バインダーや筆記用具をぶらさげて歩き回る必要はありません。身軽です。途中途中で立ち止まってスマホをガン見する必要はあります(笑)。
    そこそこ歩くことにはなりますので、ハイヒールはさすがに厳しいでしょうが、歩けるならばおしゃれな可愛い服装でも問題なし。銀座というシチュエーションにふさわしい謎解きと言えるでしょう。公式HPでも可愛い女性がカフェ巡りの延長みたいな雰囲気でプレイしてますし。

  • また、謎解きキットがないという特徴のため、購入方法がちょっと特殊です。
    公式サイトからオンラインで前売り(という名前だけど当日プレイ直前に買うことも可能)で謎解き参加権を買うか、特定の郵便局・ローソン・SCRAP店舗で特装版(というか参加権コードが記載された書類とオマケグッズの詰め合わせ)を買うかという形になっています。
    われわれ、気付かずに現地に行ってからローソンで特装版を買い、お店に入ってキットを開けて「どこにも……ナゾがない……?」と首をひねったという(笑)。ちゃんと説明読もう!

  • 銀座というシチュエーション先行のぬる謎解き?と思われそうですが、全くそんなことはなく、ガチ目の謎解きです。ストーリーも二転三転しますし、扱うのが誘拐事件ということで、結構ハラハラします。相棒のネコが可愛いので和みますが。

  • ちなみにわれわれはサイドストーリーまで含めて全クリアまで3時間半ほどでした。

キットがない、ということは

  • 繰り返しになりますが、とにかく身軽に遊べるのはいいです! バインダーを持ち歩いたり手がかりパネルの前で必死に書き写したりといった苦労はありません。ポストさえ見つかればその場で滞留する必要もないので(遠くには行かない方がいいけれど)、プレイしている人は結構見かけましたが、迷惑になるような混雑はありませんでした。

  • ストーリーや得た手がかりなどは、ブラウザ上ですぐに再確認したり振り返ったりできるようになっているので、「あれ?これって……」みたいに引っかかったところを全部手動でスクショするような面倒も必要ありません。
    振り返りがしやすいのは素晴らしい……! スマホ上のブラウザを使う謎解きは多いですが、この情報の振り返りという点がネックになって苦痛になるパターンになりがちで、そこがよく練られています。

  • ただし、逆に言えばスマホ(と回線)に与える負荷は高いです(笑)。私だけなのかも知れないけど、しょっちゅうブラウザが止まって再読み込みしてやり直す羽目になりました。まあ再読み込みもそこまで大変ではないんですが。

  • キットがないために、謎の種類はある程度限定されます。工作系や書き込み系はないです。基本は現地の情報を用いてのパズルやなぞなぞ、暗号になります。ここは好き嫌いが分かれそう。

  • そして、紙媒体がないことによる身軽さと引き換えに、「周遊謎解きしてる感」は正直薄れる感じはあります(笑)。何でしょうね、この感覚。リアリティとか面白さとかとは全然違う枠の、「実感」というか「手応え」というか、なんかそういうものが不足しがち。自分で頑張ってのめりこまないといけません。

  • あと、キットがないので、特装版を買わなかった人は「モノとして残るプレイ記録」が何もありません。私はあまりその辺気にしない人なのでよかったですが、途中で意識して写真撮ったりお土産買ったりして、何かモノを残した方が寂しくないかも知れませんね。

テンポは自分で決めないといけないよ

  • 何章かに分かれてストーリーが進みますが、途中の謎はそこまで難しくないのに、各章の最後にいきなりドカーンとややこしい謎が出されます。ここで「???」となる人もいそう(笑)。ヒントはちゃんとヒントですし、最悪答えも見られるので、詰まる恐れはありません。

  • 工作や書き込みがないので、座ったり食事をしたりお茶を飲んだりといったタイミングはプログラムで推奨・指定されることはありません。逆に言えば全部その辺は自分で決めないといけない。
    謎解き中は、基本ずっとポストを求めて歩き続けることになりますので、「効率のいいタイミングで……」みたいなことは考えず、「疲れた!」「この店気になる!」というところで適宜中断してしまうのがよいと思います。

  • ストーリーは楽しかったです。ポスト探偵が「生身の人間とは話せないけどポストとネコとは話せる」というマイノリティなのが、一番ラストの台詞に効いてきてちょっとしんみりしちゃいます。

 銀座の現地の情報が色々と取り入れられたり、手紙が手がかりのベースになったり、そして何より情報を知っているのがポストであったり(ポストがこれだけ集中してわかりやすい位置に存在するのは、店舗や法人の多い銀座ならでは)。
 そういう意味で銀座とポストと郵便という要素はしっかり取り入れられた謎解きではある、のですが……
 ただ、冷めた言いかたをしてしまうと、ポストはただのGPSマーカーでしかないし、「他のオフィス街・ラグジュアリーな繁華街では成立しえない、銀座ならでは」という何かがある訳ではありません。あくまでストーリー上のスポットとして語られるだけです。

 まあでも、謎解きプログラム全体としてはとても楽しくてハッピーエンドで、完成度が高いので、これはちょっと望みすぎというか、贅沢な話かなと思います(笑)。
 何度も書いた通り、とても身軽に遊べますし、時間もそこまで取られないので、前後や途中に銀ぶらを楽しむつもりでプレイするのがよさそうです。6月いっぱいまでなので、興味のある人はぜひどうぞ!

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