マガジンのカバー画像

日々の徒然

33
運営しているクリエイター

記事一覧

金融資本から菌友資本へ。

発酵食品にハマり始めた頃に思ったこと。 「菌友(きんゆう)会」と言って飲み会をしていた。 お金は最も優れた【取引媒体】だと思う。 媒体=手段 手段だから、その先に本来の【目的】があるはず。 いつの間にか、お金が【目的】と化す。 お金=豊さの象徴 となる。 でも、それだけではきっと、人は【幸せ】を感じられない。 人は人がいてこそ幸せを感じられる。 それは、オキシトシンという 脳内ホルモンでも証明されている。 同じように幸せホルモンと言われている「セロトニン」は、

伝統は守らなければいけないものなのか?~木桶サミットに参加して~

「伝統を残そう!」と聞くと、「そうだ!」と思う。でも、なぜ? 自然の摂理の中で、「進化できなかったもの」「適応できなかったもの」は淘汰されてきた。であれば、和文化や伝統なども、時代に合ったものではなくなってきたから廃れつつあるのだろう。 和文化は好き、伝統製法も好き。「好きだから残していきたい」も理由の一つであっていい。でも、「伝統だから守らなければならない」というのは少し違う気がしている。 「伝統を残したい」—― その奥にはもっと何か理由があるはず。 その正体は一体何

2023年総集編:生きるとは循環すること

毎日仕事・毎日休みの個人事業主は、気持ちの切り替えが難しい。自分が動かない=収入がない。休んでいると「休んでていいのかな?」という軽い強迫観念が襲う(笑)。 そんな中でも「正月はいいや」と思えるから、2023年特に印象深かった出来事を月ごとに振り返ってみた。(都道府県が全部違うww) 1月:シカ解体@岐阜借りている岐阜県の古民家では、白アリ駆除&床と畳の張り直し。 そこでお世話になっている近所の方から連絡があり、シカを解体するという。一度やってみたかったので、夫と一緒に参

福島ツアー③「見せたいのは、いわきの海なんだ」

8/21。福島の今を知るツアー最終日。大熊町に宿泊し、一路いわきへ。 (1日目:郡山他、2日目:原発伝承館他) 大熊町大熊町は福島第一原子力発電所(東京電力)の1号機から4号機の所在地。福島第一原子力発電所事故の発生地だ。 2022年6月に避難指示が解除され、故郷に戻れる状況であるものの、あまり住人は見当たらない。 〈ほっと大熊〉は、町の中心部に作られた宿泊施設。食事の提供はなく、食べてくるか持ち込みかキッチンで自炊。とってもオシャレでキレイ! 商業施設・交流施設も隣接し

福島ツアー2023②原子力災害伝承館へ。

福島の今を知るツアー2日目(1日目はこちら)。 蓮笑庵@田村市8月20日。つなかもで長らくご縁がある〈蓮笑庵〉さんへ。山の中に佇み、蓮の花と紫陽花がお出迎えをしてくれる民画家・故 渡辺俊明さんのアトリエ。 蓮笑庵さんについてはこちらの記事に素敵に紹介されていました ↓ ↓ 。 印象的だったのは、俊明さんがお母様との思い出を元に描いた画「嘘」。 原発の安全神話が崩れ、コロナ騒動があった今、政府の言葉を真実と捉えるか嘘と捉えるか大きく分かれる。 以前、事実と真実の違いは何

福島ツアー2023①郡山・須賀川・田村

発酵仲間が3.11の震災以降、福島に梅干しと味噌を届けるという支援活動を続けている。その名もつながるかもすプロジェクト(略称:つなかも)。 仙台出身の私は前職で何度か岩手・宮城に震災後に訪れたけれど、それ以降特に何もしていなかった。 でも、親しくなった愛知の友人がそうした活動を続けていたことに感動して、いつか一緒に行きたいと思っていたところ、コロナも空けてやっと同行させてもらえた。 1日目:郡山市→須賀川市→田村市8月19日。朝4時に愛知を出発し、女6人車でGO!12時過

地球トイレ誕生から5年後。フジロックへ

微生物の力で仮設トイレを快適にする〈地球トイレ〉プロジェクト。2018年に産声を上げた取り組みが、5年後の今、フジロックの舞台に立った。 種を見つけた2018年6月水場、生ごみ、ついでにトイレ 2018年6月に開催された〈橋の下世界音楽祭〉。愛知県豊田市矢作川の河川敷で開催される音楽イベントで、「出店者も来場者も使う水場(普段は公園の水飲み場)の浄化と悪臭対策にEM(微生物)を使って何とかならないかな?」と出店している友人から相談があった。 「悪臭対策は何とかなると思う

変わるものと変わらないもの。2つの7月16日。

人生の中で忘れられない日というのはいくつかあるけれど、年月日まで覚えているのは大して多くない。Facebookでは「●年前の今日」と教えてくれる時があり、それを見て、「あぁ、あれから●年経ったんだ~」としみじみすることはあるけれど。 (結婚記念日もうる覚えなくらい(笑)。) でも、2018年と2023年の【7月16日】は、「35度を超える猛暑日の中、外でイベントに関わっていた日」という共通する1日となった。 忘れられない1日を似たような状況で過ごすと、これまでとこれからを考

特攻隊平和会館へ。「生きる」とは。

鹿児島県での仕事ができたため、1日宿泊を延ばして南九州市にある知覧特攻平和会館へ。 「家族のために飛び立った」学生時代、「戦争が数日長引いていたら自分も特攻隊として突撃していた」という元特攻隊のおじいさんから話を聞いたことがある。 その時に伺った話の中で覚えていること。それは、 「みなさん、どんな想いでいらしたんですか?」 という私の質問に、 「みんな、家族がいるこの国を守りたい一心で飛んでいったよ。胸には親や兄弟の写真をもって。」 と答えてくださったこと。 それ

パソコン作業こそ着物かも。#無重力着付け①

〈無重力着付け〉というものを習ってきた。体験後に感じたことを一言でいうと、 着物を通して、和の身体の使い方と精神性を呼び覚ますもの かな。 その辺りは別の機会に書くとして、今日はパソコン作業をする時こそ、浴衣を着たらいいかもしれないと思ったことを書こうと思う。 現代人の悩み:肩こり・腰痛スマホやパソコンを使うことで、前傾姿勢が続き「巻き肩」といわれる状態になる。体の前面の筋肉によって肩甲骨が引っ張られ、それによって背中や方が凝る。また、座りっぱなしが腰にくる。(←これ、

改名「里菌」

2016年12月31日で10年勤めた会社員を退職し、当時会社で立ち上がっていた「暮らしの発酵」というプロジェクトの仕事の業務委託を受ける形で独立した。 独立する際の個人事業主名を考えていた時、発酵食品だけではない、“微生物を大切にする暮らし方の提案”と“人と人とが出会うことで新しい何かが生まれることも広義の発酵として捉える”という「暮らしの発酵」のコンセプトがとても好きで、それを伝えていく役割を担おうと思い、「暮らしの発酵コンシェルジュ」という名前を付けていた。 「暮らし

酵素と夫婦関係

昨年の夏のこと。奄美の伝統発酵食品「ミキ」のワークショップを開催。講師は、陽だまり堂の斉藤達也さん。 ミキランチを作るために、改めてミキのことを調べていた。 ミキはサツマイモとご飯だけでつくる発酵食品。甘酒の次にくる?なんていわれていた(る?)。サツマイモの酵素(βアミラーゼ)が、デンプンを分解して、マルトース(麦芽糖)にしていく。そこに乳酸菌が働き、ほんのり甘くてほんのり酸味がある「ミキ」ができる。 酵素とは、「ハサミ」のような役割をしていて、大きなものを小さくしてく

生産者訪問#6|塩|越前海岸志野製塩所

福井ツアーレポ④ 越前海岸で塩を作っている志野製塩所。代表の志野佑介さんの生き方は、塩をつくりたいのではなく、生きる上で欠かせないコト・モノ・ヒトの循環の中のひとつとして塩づくりをされている。 原材料「海」。以上!「塩の作り方をご説明する前に、まずは原材料を見に行きましょう」と案内してくださったのは海(笑)。 越前海岸には雄島、亀島、鉾島という3つの神々の島があり、それらを一望できるのは、志野製塩所の海岸からのみ!(島々の神話の話は後半で。) この景色に惚れたことと、越

生産者訪問#5|日本酒|南部酒造

福井ツアーレポ③ 福井県大野市で120年以上酒を造り続けている南部酒造。山田錦に並ぶ五百万石の名産地であり、名水がいたるところで湧く、酒造りに欠かせない米と水に恵まれた地域。南部酒造がある七間通りで開催されている朝市は400年以上の歴史を誇っている。 ”山のダシ”でつくる酒そんな名水のまちにある南部酒造。多分に漏れず、酒蔵の前にも〈七間清水〉という水が滾々と湧き出ている。ふくいのおいしい水にも認定されたこの水を南部酒造では仕込み水として使用。 蔵見学の最後に南部酒造のお酒