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日々の徒然

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記事一覧

着る物はエネルギー供給源 #無重力着付②

無重力着付のちーこ先生に仕事で取材へ。2023年3月に無重力着付講座を受けて以来、なるべく着物を着るようにしている私。 なぜか? それは、 「着物は日本人の和の動き・精神・考え方を取り戻す最高のツールである」 という事を教えてもらったから。 最初は「母親とかおばあちゃんから受け継いだ着物を着るって、なんかいいよな」とか「発酵と共に、日本文化を残していく感じていいな」とかそう思っていたけれど、着物にはもっともっと深い「沼」があった(笑)。 着る物はエネルギー供給源ちー

三重県下のたまり文化を支える「岡本醤油部」|生産者訪問#9|三重県

三重県四日市市。「伊勢蔵」から車で20分ほどのところにある「岡本醤油部」。「岡本さんのところもいい醤油をつくるし、なかなか見学受け入れをしていないから、ぜひ紹介するわ!」と、東海醸造の本地さんを通じて訪問させていただいた。 同じ三重県下でたまり醤油をつくる伊勢蔵さん、東海醸造さんの記事はこちら ▼ 「部」という部活動のような会社名を不思議に思い、岡本和也さんにお伺いしたら、元々は米屋とお茶の製造をしていた会社で、味噌醤油の製造を始めた時に「醤油部」という名がついたのだそう

「特徴を出さないのが特長」の伊勢蔵|生産者訪問#8|三重県

三重県四日市市。かつて大阪と江戸を結んだ東海道沿いに蔵を構える「伊勢蔵」。 「蔵としては100年以上経っていて、他業種さんからすると老舗なんですが、醸造業界の中では300年、800年の蔵元さんが結構いるから、うちはまだまだ若造なんですよね(笑)」と4代目の式井一博さん。実家の味噌蔵を2019年に引き継いだ、若き発酵MEN。伊勢蔵の味噌と醤油の特長は「特徴を出しすぎないこと」だそう。 「味噌を摺った時の滑らかさによっても味わいが変わるんですよ」と式井さん。手に持っているのは

ひとつの木桶から味噌とたまりを生み出す「東海醸造」|生産者訪問#7|三重県

鈴鹿サーキットで有名な三重県鈴鹿市で300年以上続く老舗の醸造所「東海醸造」。 蔵人の本地猛さんは、味噌の発酵のメカニズムや菌の話、歴史など、マニアックな知識を広く深くお持ちの方。 「三重県は伊勢湾に沿った縦に長い地形をしていて、南伊勢、中伊勢、北伊勢と文化がわかれています。」と、三重県の食文化と伊勢神宮との関わりなど、その地域ならではのお話が盛りだくさん! もともと、味噌と醤油は同じ桶から作られていて、「もろみ」と呼ばれる状態から分離された固体が味噌、液体が醤油だった。

金融資本から菌友資本へ。

発酵食品にハマり始めた頃に思ったこと。 「菌友(きんゆう)会」と言って飲み会をしていた。 お金は最も優れた【取引媒体】だと思う。 媒体=手段 手段だから、その先に本来の【目的】があるはず。 いつの間にか、お金が【目的】と化す。 お金=豊さの象徴 となる。 でも、それだけではきっと、人は【幸せ】を感じられない。 人は人がいてこそ幸せを感じられる。 それは、オキシトシンという 脳内ホルモンでも証明されている。 同じように幸せホルモンと言われている「セロトニン」は、

伝統は守らなければいけないものなのか?~木桶サミットに参加して~

「伝統を残そう!」と聞くと、「そうだ!」と思う。でも、なぜ? 自然の摂理の中で、「進化できなかったもの」「適応できなかったもの」は淘汰されてきた。であれば、和文化や伝統なども、時代に合ったものではなくなってきたから廃れつつあるのだろう。 和文化は好き、伝統製法も好き。「好きだから残していきたい」も理由の一つであっていい。でも、「伝統だから守らなければならない」というのは少し違う気がしている。 「伝統を残したい」—― その奥にはもっと何か理由があるはず。 その正体は一体何

2023年総集編:生きるとは循環すること

毎日仕事・毎日休みの個人事業主は、気持ちの切り替えが難しい。自分が動かない=収入がない。休んでいると「休んでていいのかな?」という軽い強迫観念が襲う(笑)。 そんな中でも「正月はいいや」と思えるから、2023年特に印象深かった出来事を月ごとに振り返ってみた。(都道府県が全部違うww) 1月:シカ解体@岐阜借りている岐阜県の古民家では、白アリ駆除&床と畳の張り直し。 そこでお世話になっている近所の方から連絡があり、シカを解体するという。一度やってみたかったので、夫と一緒に参

福島ツアー③「見せたいのは、いわきの海なんだ」

8/21。福島の今を知るツアー最終日。大熊町に宿泊し、一路いわきへ。 (1日目:郡山他、2日目:原発伝承館他) 大熊町大熊町は福島第一原子力発電所(東京電力)の1号機から4号機の所在地。福島第一原子力発電所事故の発生地だ。 2022年6月に避難指示が解除され、故郷に戻れる状況であるものの、あまり住人は見当たらない。 〈ほっと大熊〉は、町の中心部に作られた宿泊施設。食事の提供はなく、食べてくるか持ち込みかキッチンで自炊。とってもオシャレでキレイ! 商業施設・交流施設も隣接し

福島ツアー2023②原子力災害伝承館へ。

福島の今を知るツアー2日目(1日目はこちら)。 蓮笑庵@田村市8月20日。つなかもで長らくご縁がある〈蓮笑庵〉さんへ。山の中に佇み、蓮の花と紫陽花がお出迎えをしてくれる民画家・故 渡辺俊明さんのアトリエ。 蓮笑庵さんについてはこちらの記事に素敵に紹介されていました ↓ ↓ 。 印象的だったのは、俊明さんがお母様との思い出を元に描いた画「嘘」。 原発の安全神話が崩れ、コロナ騒動があった今、政府の言葉を真実と捉えるか嘘と捉えるか大きく分かれる。 以前、事実と真実の違いは何

福島ツアー2023①郡山・須賀川・田村

発酵仲間が3.11の震災以降、福島に梅干しと味噌を届けるという支援活動を続けている。その名もつながるかもすプロジェクト(略称:つなかも)。 仙台出身の私は前職で何度か岩手・宮城に震災後に訪れたけれど、それ以降特に何もしていなかった。 でも、親しくなった愛知の友人がそうした活動を続けていたことに感動して、いつか一緒に行きたいと思っていたところ、コロナも空けてやっと同行させてもらえた。 1日目:郡山市→須賀川市→田村市8月19日。朝4時に愛知を出発し、女6人車でGO!12時過

地球トイレ誕生から5年後。フジロックへ

微生物の力で仮設トイレを快適にする〈地球トイレ〉プロジェクト。2018年に産声を上げた取り組みが、5年後の今、フジロックの舞台に立った。 種を見つけた2018年6月水場、生ごみ、ついでにトイレ 2018年6月に開催された〈橋の下世界音楽祭〉。愛知県豊田市矢作川の河川敷で開催される音楽イベントで、「出店者も来場者も使う水場(普段は公園の水飲み場)の浄化と悪臭対策にEM(微生物)を使って何とかならないかな?」と出店している友人から相談があった。 「悪臭対策は何とかなると思う

変わるものと変わらないもの。2つの7月16日。

人生の中で忘れられない日というのはいくつかあるけれど、年月日まで覚えているのは大して多くない。Facebookでは「●年前の今日」と教えてくれる時があり、それを見て、「あぁ、あれから●年経ったんだ~」としみじみすることはあるけれど。 (結婚記念日もうる覚えなくらい(笑)。) でも、2018年と2023年の【7月16日】は、「35度を超える猛暑日の中、外でイベントに関わっていた日」という共通する1日となった。 忘れられない1日を似たような状況で過ごすと、これまでとこれからを考

特攻隊平和会館へ。「生きる」とは。

鹿児島県での仕事ができたため、1日宿泊を延ばして南九州市にある知覧特攻平和会館へ。 「家族のために飛び立った」学生時代、「戦争が数日長引いていたら自分も特攻隊として突撃していた」という元特攻隊のおじいさんから話を聞いたことがある。 その時に伺った話の中で覚えていること。それは、 「みなさん、どんな想いでいらしたんですか?」 という私の質問に、 「みんな、家族がいるこの国を守りたい一心で飛んでいったよ。胸には親や兄弟の写真をもって。」 と答えてくださったこと。 それ

パソコン作業こそ着物かも。#無重力着付け①

〈無重力着付け〉というものを習ってきた。体験後に感じたことを一言でいうと、 着物を通して、和の身体の使い方と精神性を呼び覚ますもの かな。 その辺りは別の機会に書くとして、今日はパソコン作業をする時こそ、浴衣を着たらいいかもしれないと思ったことを書こうと思う。 現代人の悩み:肩こり・腰痛スマホやパソコンを使うことで、前傾姿勢が続き「巻き肩」といわれる状態になる。体の前面の筋肉によって肩甲骨が引っ張られ、それによって背中や方が凝る。また、座りっぱなしが腰にくる。(←これ、