三重県下のたまり文化を支える「岡本醤油部」|生産者訪問#9|三重県
三重県四日市市。「伊勢蔵」から車で20分ほどのところにある「岡本醤油部」。「岡本さんのところもいい醤油をつくるし、なかなか見学受け入れをしていないから、ぜひ紹介するわ!」と、東海醸造の本地さんを通じて訪問させていただいた。
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「部」という部活動のような会社名を不思議に思い、岡本和也さんにお伺いしたら、元々は米屋とお茶の製造をしていた会社で、味噌醤油の製造を始めた時に「醤油部」という名がついたのだそう。昔は「部」がつく名前も多かったのだとか。
岡本醤油では業務用の醤油がメイン。小売り流通がほとんどないため、三重県内でも一般消費者には馴染みがない醤油蔵だけど、業務用の濃口&たまり醤油で、三重県下の食文化を支えている。
また、「五分たまり」というたまり醤油を木桶で醸している。「五分たまり」とは、醤油をつくるための麹の量に対し、50%量の塩水で仕込む醤油。水分(塩水)が少ないため搾れる量が限られ、コストも高くなるが、その分、超濃厚なうまみが濃縮される。
「岡本さんの五分たまりにはかなわない!」と他の醤油蔵も太鼓判を押すほど。「みんな作らないから、売れるから作るんだよ(笑)」と岡本さん。そんなキャラクターも親近感が沸いてくる。
三重県の味を全国へ!
「岡本さんのところには小売り用の商品がないから、どうしても作ってください!とお願いして、やっと作ってもらったんですよ(苦笑)。ここ(岡本醤油部)の近くの大手スーパーの三重県物産コーナーに置いてもらっています。」と、三重県醤油味噌工業協同組合 営業部 課長の服部琢也さん。
三重県では醤油味噌の組合に営業部があり、三重県下の醸造所の味を積極的にPRしていく部門があるというのだから驚き。服部さんは、「三重県下の蔵元さんとはほぼすべてつながっているので、また三重県に来てください」と。
三重県は、海があり山があり川があり、伊勢神宮や熊野古道、食材と歴史文化が溢れる素晴らしい地域。また素敵なご縁をいただいたので、三重県の発酵も様々な形でご紹介していきたい。
2020年3月6日訪問。(ブログ移管のため過去の記事を掲載)
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