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アートを知りたい

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人生に必要な「要素」としてのアート
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#私のイチオシ

画家ルノワール,こってり,つゆだくだくで注文したのはだれですか。

私の母親はピアノ教室を開いている。かれこれ10年以上はしていると思う。 私が小学生くらいの時から家ではずっとピアノが響いていて,同級生たちが家にピアノを習いによくきていた。 そんな母親は絵画も好きだ。実家のピアノ部屋の壁にはこの作品がかけられていた。 ピアノを弾く少女たち・ルノワール, 1892年の作品だ。 なんだか当時のわたしはこの作品をみるとなんともむずがゆく心地のいい感じではなかった。そもそもピアノ自体に特に興味を示さなかったし,なんだかこう作品に描かれる彼女たち

アートと社会のなめらかな関係

1. アートってそもそもなんだ? まずはこの絵画をごらんください。 どなたの作品かわかるでしょうか。 あるいはいつの時代の作品でしょうか。 ルネサンス?はたまた近代? 日本人が書いたのか,あるいは,アメリカの作家? ピカソはこんな絵書くかなあ.. 岡本太郎ぽい.. そもそも著名な作家が描いた作品なのか,子供の殴り書きなのか!? 答えはこの方です!! ------------------------ (京都大学霊長類研究所HPより) そう。 チンパンジーのアイちゃ

10年前の感情がやっといま岡本太郎の爆発で言語化された

本を読んでいた。 岡本太郎・自分の中に毒を持て ことばのチョイスに感動。 僕は若い頃から「出る杭は打たれる」という諺に言いようのないドラマを感じた。 ... この平たい世界からどうしても情熱を燃やすと飛び出してしまう。出ていく運命というものを感じてならなかったのだ。「出る」のは固くて冷たい釘ではない。 純粋な人間の,無垢な情熱の炎だ。 (岡本太郎・自分の中に毒を持て) 本を読んでいるともう少し前に出会っておきたかったなと思うことがある。この本もその一つ。 中学生の

0.000002%の確率の感動。BEPPU Projectでの中山晃子さんの作品に思う

地球が大好きだ。 スケールの大きさがあまりにも手に追えず,生かされる者としてそこで活動する。46億年の歴史の中で100年という人生はあまりに短く,だからこそ100年をかけて地球のことを知りたいなと思う。 いま石油を採る仕事をしているのも,エネルギー安定供給に貢献したいとかじゃなくて,地球の深いところからでてくるどろっとしたまっくろな液体の美しさにやみつきになっているからか,なんて気もしてくる。 そんなことはこんな記事やこんな記事にも書いていた。 石油掘削という点で地球

存在の確かさと見ることの危うさ 光の館で現代アートに泊まる

天井に穴の空いた館。 それが今回訪れた新潟県十日町にあります。 光の館。 昼間は一般にアート作品として公開されていますが,夜は一棟貸しの宿泊施設になります。 自然光と人工光を調和させ、「陰翳の美」を創り出す。そこに、空の青、壁の金、床の間の赤、浴槽の緑、そして全体を覆う黒い色調が微妙なコントラストを与えている。それは「美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にあると考える」日本の文化への、西洋の文化を背景としてきた私なりのアプローチであった。これま

瀬戸内の風と建築とワイン

瀬戸内に浮かぶ島々 しまなみ海道沿いにその島はあります。 大三島。 この大三島でワイナリーを立ち上げたのが, 大三島みんなのワイナリー ここ大三島は移住者が多い島です。 移住者の方々によって支えられているので みんなのワイナリー。 ラベルデザインも素敵です。 醸造所も新しくできました。 代表は建築家の伊東豊雄さん。 ほかにも 大三島みんなの家 伊東豊雄ミュージアム などあるので近く寄られた際は ワインを含みながら建築を眺めてみては。 しまなみ海道 車でいきま

からっぽ,からっぽ,なんもせん。何もないという贅沢。小屋場只々での滞在。

徳島県,大津島に その宿はあります。 小屋場只々 こやばただただ 山陽新幹線で徳山駅まで向かい,徳山港からフェリーで30分程度。 一棟貸しでスタッフの方が2名いらっしゃるのみ。 暖かいおうちのようなサービスで,夜はスタッフの方々も宿を離れるため静かな一棟となります。 部屋からは海に沈む夕陽が美しい。 お料理はスタッフの方が今朝,目の前の海から採ってきたという真鯛。 日本酒は,その土地の悲しい歴史にも紐づく名前をとった回天という日本酒で。 部屋のインテリアは,ものづくり

520年の老舗旅館で思う宿泊体験とは。 伊豆あさば

伊豆,修善寺。 520年の歴史を紡ぐ旅館があります。 あさば。 日本を代表する名旅館と名高いあさばの宿泊体験はどんなものか。 門構え。 立派な出立ち。 ここはいつきても足跡がありません。人が通るたびに竹箒で砂利を整えているのです。どんなタイミングでも隙のない表正面。 宿の中に入ると,女将さんが笑顔で迎え入れてくださいます。長旅から帰ってきたような安心感。 内観はとにかく清潔。あしの裏で感じる畳と,鼻で感じるいぐさの香りにほっとします。お部屋からは立派な能舞台。 お風呂

由布院・隈研吾建築の小さな美術館 COMICO ART MUSEMU YUFUIN

洗練された建築。 気鋭の現代アート。 眼前に臨む由布岳。 のんびりとした温泉街に誕生した,COMICO ART MUSEMU YUFUIN。 COMICOは韓国のNHNエンタテインメントの子会社が運営する漫画アプリの名前が冠されています。 早速こちら,エントランス。広ーく抜けています。 外装の建材は黒く見えています。エントランスのロゴをみてみると良くわかるかも。こちら使われているのは焼きスギです。西日本で良くみられる建材。 設計者の隈研吾さんの意図は, 湯布院は日本

実験住宅 MEMU EARTH HOTELに住む

冬の北海道,寒すぎ! 寒すぎだけど,景色きれい!食べ物美味しい! じゃあいかに快適に住むか.. を研究しているのがこちらのMEMU EARTH HOTELです。 ”地球に泊まり,風土に学ぶ” をコンセプトに, 「宿泊者」が無垢な十勝の自然を楽しむために, 「研究者」が持続可能な暮らし方を考えた結果の住宅を, ”国際大学建築コンペ”の優秀作品として設置しているのです。 広大な敷地の中に, ・隈研吾建築都市設計事務所 ・Harvard University Graduate