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ランナーの引き出し

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自分の経験から得た結論や考察と、レースや練習で参考になりそうな記事。
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#マラソン

糖質制限とマラソンの関係(2)

前回の続きになります。 前回は、「糖質中心の食生活をしていると、一般的に脂質代謝能力がかなり落ちてるはずですよー」というところまで。 マラソンでの糖質・脂質代謝人間は通常、安静時および、低強度の運動では、エネルギーの約50%を糖質に、残りを脂質に頼っているそうだ(一般人、アスリートの区別は不明)。そして、運動強度を上げていくと、脂質からのエネルギー供給量は一定のままだが、糖質からのエネルギー供給が増えていくという。つまり、高強度になるほど、糖質依存度は高くなる。 運動で

糖質制限とマラソンの関係(1)

長くなると思うので、先に僕の考えを書いておいて、のんびりと根拠と考察を述べていきたい。 1.糖質制限は、マラソン(42km以上のウルトラを含む)に、有効である。PBの更新、未知の距離の完走など、ポジティブな効果は期待できる。 2.糖質制限以外にも、同様の効果を得る手段がある(代案がある)。 今回(あるいはこのシリーズ)は、1の効果について、自分のおさらいを兼ねて書き出してみたい。2はまだ検証を始めたばかりなので、あまり触れないつもりだが、文の流れ次第だと思っている。未検証

サブ3ランナーは3%ではない

統計データの話をしたい。日本のランニング人口は約1000万人だという。サブ3ランナーが、(巷でよく言われるように)約3%だとすれば、日本には約30万人のサブ3ランナーがいることになる。マラソン大会にいくらか出たことのある人なら、さすがにこの数字には違和感があるのではないだろうか。 ランニング人口と男女比についてまず、ランニング人口から始めたい。データはこちらのサイトを参照させていただいた。 概要をまとめると・・・ 2012年に初めて1000万人超え 微増減をくりかえして

マラソン練習としてタバタ式を試してみた

一回たったの4分、それを週に2~3回。これだけで有酸素系、無酸素系の両方を十分に刺激できるという。つまりマラソンで求められる、トップスピードと持久力を同時に鍛えられるということだ。概要は知っていたが、ようやく腰を上げて実践してみた。 TABATA式とは タバタ式(あるいは、タバタトレーニング、タバタプロトコル)は、HIIT(高強度インターバルトレーニング)の一種で、立命館大学の田畑教授の研究からそう呼ばれている。 日本よりも海外でかなり有名らしく、さまざまなスポーツ分野で、

「自分との戦い」は誤解されている

マラソンやその他長距離種目は、本当に自分との戦いだろうか。僕はそうは思わない。あるいはこう言いたい。長距離種目は、序盤戦においてのみ、自分との戦いである、と。 自分との戦いって何?マラソンやトライアスロンの大会などで「自分に負けるな」系の応援メッセージは定番。村上春樹の名言「少なくと最後まで歩かなかった」も支持されているし、SNSなど見ても、歩かなかったからこのレースは成功、みたいなコメントも多い。このような意味での「自分との戦い」は、いかに苦しみに耐えたかが焦点であり、肉

日の出てない時間帯に走らない理由

冬至が過ぎて日が伸びてきたことを実感しています。 トライアスロンやマラソン、ランニングをされている方はこの時期は暗い時間帯に走る事が多いのではないでしょうか? 私は暗い時間帯に走ることをしません。 【暗い時間帯を避ける理由】安全性暗いとどうしても視野が狭くなり、段差や木の根っこなど見えにくくなっていて怪我のリスクが伴います。 特にスピードが上がれば上がるほど体力的精神的にも辛くなるので更に視野が狭くなりやすいですし、人間の視覚も暗い所の方が視野が狭いです。 また女性

水分よりもナトリウム!

今回は、フルマラソン以上の距離(または時間)を走るレースでの、ナトリウム補給について。 結論から言うと、「水分は多少ガマンしてもいいが、ナトリウムは気づいたら手遅れ」。ちょっとググってもらえばわかるが、「低ナトリウム血症は命に関わる」のである。そこまでいかなくても、僕の場合だと、あちこちで筋肉の痙攣が始まり、レースどころではなくなる。 発汗量、気にしてますか?生物学的ではないが、長距離レースでは、ナトリウム≒汗と考えても、さほど問題ないと思う。発汗量が多いほど、多量のナトリ

マラソンにおける筋トレの有用性について

先日、100kmのレースレポを書いたところだが、引き続き今回得られた考察を書いてみたい。今回最も顕著だったのが、レース後のダメージの少なさだった。今まで何年も100kmを走ってきたが、戦略的にうまくいったレースでは怪我(肉離れ、関節炎など)、失敗レースでは極度の内臓疲労が定番だった。今回はそのどちらもない(PB更新なので、手抜きのはずはない)。それは10ヶ月ほど取り組んだ筋トレの効果だと思う。 今回の100kmでは、最初から最後まで、特定の筋肉を痛めることなく、上半身を重荷に