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#小説
失恋墓地 #毎週ショートショートnote
『探さないでくれ』
突拍子もないメッセージを受信したツバサはため息をついた。
「またか……どうせあそこだろうな」
文句を口にしながら、大きなシャベルを手に家を出る。向かった先は墓場だ。
ツバサは中に入り、立ち並ぶ墓石を一つ一つ確認しながら歩いた。
「坂口……坂谷……アキ。ここだな」
探していた名前を見つけたツバサは、持ってきたシャベルで、墓石の前のまだ柔らかい地面を掘った。地面の下からは
大増殖天使のキス #毎週ショートショートnote
「神様ぁ! もう限界です! 早く増員してくださいよぉ!」
「まったく、やかましいのう」
あまりの激務の連続に耐えかねた私は、天使業務の合間に、神様に文句を言いに来ていた。
「神界はどこも人員不足なんじゃ。わがままを言うでない」
「そんなこと言ったって、もう人間増えすぎて私一人じゃどうにもなりませんってば!」
「でも、お前ら新しく創るの大変なんじゃよなぁ。ほら、ワシってば、ゲームのキャラクリで
半笑いのポッキーゲーム #毎週ショートショートnote
「今日こそアイツとキスしますわよ!」
有栖川小春は、執事に向かって、もう何度目かもわからない宣言をした。
「お嬢様、こちらをお持ちください」
執事のセバスチャンがそう言って差し出したのは、ポッキーだ。
「市井で人気の菓子にございます。これがあれば、お嬢様の目的も今日こそ達成できましょう」
「セバス、でかしたわ!」
小春は、渡された菓子を手に学校へ行く。
昼休み、食後の時間。鞄からポッキー