#124 「しあわせ〇〇〇」はスイス生まれ🇨🇭
日本ではそろそろ入学式のシーズンですね。僕は来月、新しい研究プロジェクトに移ることにしました。一方、note では一足早く再来週の4月17日(水)に新プロジェクトを始めます!今日から3回に分けて、新プロジェクト誕生の経緯をお話ししたいと思います。新プロジェクトの名前は「しあわせ〇〇〇」です!「〇〇〇」には何が入るでしょうか?
エスポー市長代理のスピーチ
昨年8月末に、フィンランドにあるアールト大学(Aalto University)で開かれた AI 研究のシンポジウムに参加しました。その開会式のスピーチで、アールト大学のあるエスポー市の市長代理が何度か繰り返した言葉が印象的でした。
Sustainable common good for humanity は日本語に訳しづらい概念ですが、意味が伝わるように言い換えるならば、「将来にわたる、人類共通のゆたかさ」に資するような AI 研究をして欲しいという意味になります。「共通」がポイントで、特定の社会階層や職業、人種や性別の人だけが得をするような科学技術のあり方に問題を投げかけた発言でした。
先の投稿『#108 しあわせさがして』でも書いたのですが、昨今の AI 技術は日に日に「AI を作って売る側」と「買って使うだけの側」の「知の格差」を拡大する方向に動いているように感じます。いつの日か「生成モデルを利用しないと文章が書けない」大学生が出てくる可能性もゼロではないと思います。市長代理のスピーチを聞いて、「AI は本当に人間をしあわせにするのかなあ……」という問いかけが始まりました。
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プロジェクトパートナーを紹介します!
フィンランドからドイツへ戻って、「科学技術と人間のしあわせ」を自分の研究のどこかに組み入れたい、と強く思うようになりました。しかし関わっているプロジェクトは少し毛色が違います。ならば、日々コツコツと書いていた note の場で何かできないか、と考えました。
そんな折、note の記事によくコメントを下さる方の記事を読んでいて、その方が「どうすれば日本の幸福度を上げられるか」に強い関心をお持ちなことが分かりました。フィンランドで多くの刺激を受けてきた熱も冷めやらぬ昨年9月初旬、無事その方と連絡を取ることができ、お会いすることになりました。
それでは、「しあわせ〇〇〇」のプロジェクトパートナーをご紹介します🥁
「miori @ しあわせの探究」さんです🎊きっかけとなった記事はこちらです。
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迷わなかった待ち合わせ
当時 miori さんはスイスにお住まいで、僕も所属していた研究機構の関係で、ちょうどスイスのチューリヒに行きたいと思っていました。会ってお話しするのに提案していただいたのはスイスの首都ベルン、お互いに電車で数時間の距離でした。ダルムシュタットから国境を越えるドイツ新幹線 ICE に乗り込みました。
電車の中からメールして「どこで待ち合わせましょうか?」と相談し、ベルン駅のスイス国鉄の案内所で待ち合わせることにしました。しかし、着いてみるとベルン駅はとても大きくて、案内所はいくつもあるようです。
「これは無理だな……」と思ってとりあえず歩き始めると、向こうの方にスイス国鉄(SBB)のマークが見えました。「とりあえず行ってみるか……」と歩いて行くと、向こうから手を振ってくれる人がいます!遠くからでも日本人であることが分かり、近づくと note ページのアイコンで見慣れた顔の miori さんがいらっしゃいました。1秒も迷わずに会うことができました✨
「しあわせ〇〇〇」誕生へ
あまり時間の余裕がなかったので、お昼を食べながらお互いの関心事である「日本の幸福度の向上」と「科学技術と人間のしあわせ」の共通点を探りました。miori さんの質問の仕方が少しプロっぽく、「出版社から来た編集者のようだな」と感じたのを覚えています。
お互いのこれからのキャリアプランや、その中でどう自分のライフテーマと向き合っていくかについて話し、その日のうちに「では、共同プロジェクトを立ち上げましょう」と決めました。
そんなわけで、「しあわせ〇〇〇」はスイスの首都、ベルンで生まれました🇨🇭
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次回は、そんな「しあわせ〇〇〇」誕生直後の試練について書いて、「〇〇〇」を一文字開きたいと思います。
今日もお読みくださって、ありがとうございました☕️
(2024年4月5日)
サポートってどういうものなのだろう?もしいただけたら、金額の多少に関わらず、うーんと使い道を考えて、そのお金をどう使ったかを note 記事にします☕️