佐々木 拓馬

82年の北海道うまれ横浜育ち。4t トラックのドライバーをしながら、休日の土日にMAD…

佐々木 拓馬

82年の北海道うまれ横浜育ち。4t トラックのドライバーをしながら、休日の土日にMADE IN JAPAN の古着屋 ichiru を営業してます。お店のブログも更新してます。 https://ichirunonozomi.com

マガジン

  • 詩です。日常で思わず立ち止まった場所のことを詩と呼ぶような気がします。

  • 思服

    じぶんが、洋服のことをどう考えているのかを知るためのメモです。

最近の記事

びりえっと

カウンター越しの店主 ショートカットの女性 過去の水泳による肩の張り 包丁を手際よく叩く そのリズムに乗せられて心が踊る おいしい料理をたべられるいいおみせ ここは路地裏びりえっと

    • ゆらゆら

      朝の電車は うつろで 昼の電車は ほうけていて 夜の電車は うつむいて なにか渦巻き右往左往する感情漂う最終電車 やたら派手なシャツを着て 無表情で無感情な傍観者の私だけが 電車の中で生きている

      • 盛りつけ

        立ち小便みたいに どこでだって化粧をする カールのまつ毛に色まで付けて カラフルなまぶたはアイスのトッピングの様だが 食欲は湧かない 熟れすぎた林檎のように真っ赤なほっぺたに 食欲は湧かない 光る唇はフライが大好きな事を語りかけてくるが 食欲は湧かない

        • 境界

          真っ暗な夜の海の砂浜に打ち上がった魚 それを食べる鳥の姿を街灯が見せつけて 月の灯がきらきらと美しさを添える 削られた山は土となり畑として耕され 道ができ 朽ちた木がそこに横たわるように寝そべって 行手を阻むその先に 伸びきった草が視界を遮る その奥のひんやりとした空気と静寂が 巨大な自然の疲れを伝えている どうしようもない運命をそのままに受ける 自然のもの達を前に 人は大切なものを見逃して美しき自然を語り出す

        マガジン

        • 10本
        • 思服
          12本

        記事

          いきる

          「この木も生きている」 そんなふうに言われ ぺちぺちと触られる わたしは100年ちょっと生きているらしい 生きている そう 生きている まだまだわたしが小さき頃 枝をへし折られたり 葉をむしられたり 皮をはがされたり そういうことをやられました でも 大きくなった頃  「素晴らしい大きな木だ」 と言われてから 枝も葉も皮も大切にされ 側に人が寄らなくなった 素晴らしいなんて 本当のところは違うのですが 人はありもしない崇高な心をわたしに与え ありもしな

          うつる

          雨が降るとともに 寒さも落ちてきて 人の衣が分厚くなるとともに 街のガラスは蒸気を纏い 虫の音の変化とともに 空が明るさを減らして朝と夜を対等にみせる 秋の味覚を味わいながら本当にくるのかと疑っていた冬が境目をはっきりと示しはじめて 夏の心を引き剥がす

          ぬれた大地

          赤ちゃんは泣いている 母ちゃんはあやしている 時間は時計をまわし続けて 地球はつられてまわり続けて 赤ちゃんは眠っている 母ちゃんは泣いている 時間は未来をはぐくんで 地球はいのちをはぐくんで やがて ふたつのいのちは色を変えて 大きさを変えて ひとつ消え ひとつ生まれ ひとつ消え 母と赤子は愛をはぐくみつづけて 時間を越えて 地球をせせらぎ脈をうつ 赤ちゃんは笑っている 母ちゃんも笑っている

          ぬれた大地

          そこに吹く風

          海辺の勘違いを風に乗った帽子が運んでくる 強い風が顔をなで髪をなで その後もずっと吹きつける 前が見えなくなることはなくても 辺りがほとんど見えなくなるような強い風が まだ吹いて まだ吹いて そして帽子はどんどんどんどん遠くに飛んでゆく

          そこに吹く風

          よく知らないけど

          よく知らないけどよく笑う よく知らないけどよく感じる よく知らないからこそ沈黙するが よく知っているかのような穏やかな時間が流れる よく知らなくてもよく知り続ければよく笑い合えるからよく知らなくてもよく知ってるように楽しい よく知らないことは知らないこととは違う よく知らないことがよく知ることのはじまりで よく知らないからこそよく知りたい よく知ったからといってよく知りえたのではない よく知らない心でよく聞きよく知り続けたい そしてよく知らない前に知らなかった 知ら

          よく知らないけど

          こころ

          あなたは今あなたのすぐ側で強く光るものに 夢中になっている あなた自身がすぐ側に寄ったり寄せたりするその光 強く光らせているのもあなた自身のようだが その光の寂しい青白さには気がついていない 澄んだ青空を見上げると暖色に静かに光る星がある 青空に浮かぶ光る星への距離が あなたとわたしとの距離に似ている そしてわたしはあなたを光らせる あなたが空を見上げる頃 空模様も変わっているかもしれないが わたしはあなたを光らせる ただそれだけ ただそれだけで

          私と北条政子

          こんにちは。佐々木 拓馬です。 「私と北条政子」というテーマをいただかなければ私は北条政子について海ほどは深くなくとも、この文章を書く前より深く知ることはなかっただろうと思います。 最初に正直に申し上げておきたいのですが、北条政子には全く興味がありませんでした。平安の終わりから鎌倉にかけての歴史は、なんだか華やかさもなく地味な印象でしたので、私を含めた多くの人が、なんの引っかかりもなくその先の戦国時代へと興味関心が向かっていくのではないでしょうか。義経と弁慶の悲劇の物語を

          私と北条政子

          開店

          こんにちは。佐々木拓馬です。 2013年まで高円寺でvividという古着屋をやっていました。 2019年現在、もう6年も経ったので、お忘れの方も多いかと思います。 この6年間、ぼくは、お店もないのに仕入れをし続け、その結果、4000枚もの洋服が集まり置き場所がなくなりまいってしまい店舗物件を探しこの度「ichiru」という名前のお店を開くことになったので、お知らせいたします。よく「構想〜年」とかほんとかよって思ってましたけど、あれ、ほんとですね、きっと。 いや、わかんないけ

          しふく

          はじめまして。佐々木 拓馬です。 洋服を着ることがいつの間にかすきになっていて、特に経験を積んだわけでもないのに2010年、高円寺に「vivid」というMADE IN JAPANのヴィンテージショップをオープンさせ2013年に閉店させました。閉店し、場所がなくなったにも関わらず仕入れを続けていて「なにをやっているのか?」とじぶんによく問いただしますが、よくわかりません。3000着以上の、じぶんでは着ることのできない洋服があるのですから、洋服というものがすきなのだとは思います