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半袖半ズボン小4男児の揺らぐ決意

小4の次男は冬でも半袖半ズボンを貫きたいタイプだ。

長袖を着るのを極端に嫌う。
一応極端に寒くなれば長袖は着る。
しかし、朝は長袖を着ていっても、帰りには脱いで帰ってきたりもする。
できる限り、半袖半ズボンがいいらしい。

近所に住む小学2年生の姪っ子に、〇〇くんは長袖持ってないの?と聞かれてしまうくらいに長袖を着ているのを見ることは少ない。

傘も差したがらない。
傘を渡そうとしても、さっさと走って逃げてしまう。
スクールガードのおじいさんが傘のない息子と傘をさす私を交互に見て、「傘ぐらい買ってあげな」と言い放ちながら一瞥をくれるくらいに傘を刺さない。

私はいつも、自分だけは長袖を着て傘もさしているくせに、息子には長袖も傘も買ってやらない自分勝手な母親だと思われやしないかと戦々恐々としている。

11月の初め。
もう立冬もすぐだというのに、全国的に夏日が続いていた。
ニュースではクリスマスツリーの前で半袖を着て写真を撮る親子の姿や、上着を脱いで歩く人たちの姿。

当然、息子は半袖半ズボンだ。

半ズボンと言っても、野比のび太や磯野カツオが着用しているような極端に丈の短い半ズボンではなく、普通のハーフパンツを履いている。

夏日が続いた翌日の朝は寒かった。

その日の最高気温22度、最低気温9度。
前日の最高気温20度、最低気温16度。

最高気温はさほど変わらないが、とにかく朝が寒かった。
温度差が激しい。

どれだけ私が長袖を着るように言っても意固地になって着ようとしない息子ではあるが、その日の朝は違った。

「おかん! 長袖は? さっむ。パーカー着る」
と自らタンスからパーカーを取り出し、パーカーを着たのだ。

私は驚いた。

自主的に次男が長袖を着ている。
私がいくら口を酸っぱく言っても、断固として長袖を着ない男が長袖を着ている。

これは、奇跡だ。

人は徐々に負荷をかけると耐えられることも、一気に負荷をかけると耐えられないのだろうな、とそんなことを思った。


だがしかし、翌日はもうその寒さになれてしまったのか、半袖半ズボンで登校していったのは言うまでもない。




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