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ソラが「海が見たい」と機構の上層部に連絡を送ったのは、ちょうどレクスが実験協力のために…
俺は何も出来なかった。母親が狂気に侵された時も、ロビンとカナリアが苦しんでいた時も、二…
鳥が飛んでいく。青い翼が遠ざかっていく。 空中に宝石のように散らばるのは、撃ち墜とさ…
わすれられたまちのわすれられたおんなのこのねがいがかなわなかったのには、理由がありまし…
「ピクニックに行ってみたい」 そう言ったのは、レクスが何かやりたいことはないのかと聞い…
むかしむかしあるところに、おんなのこと王子様がおりました。ふたりはわすれられたまちのわ…
「何があったか覚えているか。アウル・ブルーバード少尉」 ベッドの脇から直立不動で問いかけてくる男の顔にすら、全く見覚えがなかった。 「何が……とは?」 それでも階級章から彼が大佐であることはわかる。最低限の礼儀は守った方が良いだろうと身を起こそうとするが、思うように身体を動かすことができなかった。 「そのままで良い。昨日の任務の件だ」 のろのろとした動きで、それでもなんとか上半身を起こしてヘッドボードに背中を預ける。 「昨日……」 思い出そうとすると頭の奥が重く痛んで
整備が終わるのを待つ間、ルークに頼んでつけてもらったラジオから、フォークソングの軽快な…
琥珀を溶鉱炉で溶かしたような夕焼けが、東からゆっくりと夜の色に変わっていく。滑走路の真…
曇り空の下、暗い海を哨戒していると、時々どちらが空でどちらが海だかわからなくなることが…
頬を灼く夏の日射し。滑り止めの加工がされたコンクリートの床の、ざらついた感触。どこか遠…