「美しい日本語」に、私は何度でも感動する
美しい日本語が、好きです。
今日のテーマは「最近出会った美しい日本語」。
そんなふうに感じる私の感覚を、お届けできたら嬉しいです。
幾星霜(いくせいそう)
「幾星霜」
パッと見た感じ、「星がたくさん出ている夜のことかな?」と思いました。
「幾つもの星が、霜のように沢山瞬いている様子」かな、と。
でも、本当の意味は、「長い年月」。
「星霜(せいそう)」という言葉に「年月」という意味があり、そこに「幾」がついて、「長い年月」という意味になっているようです。
この意味を知ったとき、とてもロマンチックだな、という印象を持ちました。
星々の輝きは、長い年月を超えて、この地球に届きます。
「幾星霜」という言葉に、そんな「星の物語」を感じたのです。
一星(ひとつぼし)
「ひとつぼし」という言葉だけを見て、正直、あまり良いイメージではないのかな?なんて思いました。
この言葉の意味は、明け方や夕方にたったひとつ出ている星、つまり明けの明星や、宵の明星を表す言葉。
それが転じて「際立って美しいもの」を示す言葉でもあります。
そしてもう一つ、特別な意味が。
それは、「北極星」。
夜空にあってほとんど動かないことから、正しい方向を教えてくれる星と言われている星です。
なんて真っ直ぐで、なんて輝いていて、なんて眩しい意味なんだろう。
素敵な日本語と出会えて、嬉しい限りです。
天泣(てんきゅう)
「天泣(てんきゅう)」は、空に雲がないのに降る雨のこと。
「お天気雨」「狐の嫁入り」とも呼ばれる雨のことです。
「天が、泣く」
しみじみと、美しい表現。
そしてこの言葉をつくった人の季節や天気に対する感覚、言葉の選び方に、私は何度でも感動します。
暁光(ぎょうこう)
感じの成り立ちを見て、さんさんと明るく、新しい光である、というイメージを持ちました。
この言葉の意味は、「明け方の光」。
新しい一日の訪れを教えてくれるような、朝の光を表す言葉です。
私は以前から「暁」という言葉、漢字が好きでした。
漢字そのものの姿が凛々しいこと、私の好きな空の光を感じる成り立ちと、意味を持っていること、「あかつき」という読み…。
美しく、凛々しく、どこか、あたたかい。
その言葉をさらに明るく照らすように「光」という文字がついて、「暁光」という、清々とした朝の光を感じる言葉になる。
この言葉を見るたび、心がすうっと澄んでいくような感覚を覚えます。
日本語は、やっぱり美しく、楽しい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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