シェア
Sarah Yamanaka
2022年11月7日 07:00
冒頭のセリフが印象的な江國香織の小説「東京タワー」を知ったのは2005年に公開された源孝志監督の映画「tokyo tower」でした。東京タワーを彩る四季の風景を繊細な映像で切り取り、物語の背景に映りこむ東京タワーが、その存在感を静かに放つ映画です。「きっと恋はするものじゃなくて落ちるものなんだ。」と呟く主人公の視線の先には,常に東京タワーがあり、彼の心の在り方をうつしとり、表情を変える鏡の
2022年10月31日 07:10
美術館巡りは、心が動かされる趣味の一つです。本を読むことも同様ですが、大人になった今、小説の類に向き合うことは少なくなったように感じます。唯一、言葉の紡ぎ方に憧れ続ける宮本輝の小説『錦繍(きんしゅう)』は私のバイブル的存在。時折、手に取り日本語の美しさを再確認します。美術館に行くのは、日々の忙しさに紛れ、見失いがちな心の場所、在り方を確認したいからかもしれません。兵庫県立美術館