「ママ、お弁当作らないで」と、我が子に言われて気づいた大切なこと
「ママが作ったお弁当じゃなくて、マックのハッピーセットがいい!ママはお弁当作らなくていいから!」
今日、お花見に行く前に「お弁当作ろうかなー」とワクワクとメニューを考え始めたときに、突然5歳の長男に放たれた言葉だ。
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気持ちはわからなくない。マックのハッピーセットは魅力的だ。そして、もっと言うとハッピーセットの「おまけのおもちゃ」が長男はお目当てなのだ。
それは、わかっている。わたしも子供時代、ごくたまに親が買ってくれるマックのハッピーセットには心が躍ったものだ。
だけど、そんな水を刺すような我が子の言葉に、母であるわたしは少ししょんぼりしたのは事実。
同時に、しっかりと自分の意見を遠慮せずに親に主張できる長男に対して、少し羨ましく、そして嬉しく思ったのも、これまた事実。
だから、長男にはハッピーセットを買って、お花見に出かけることにした。嫌と主張しているのに、無理におにぎりやお弁当を食べさせる必要はない。
せっかくの楽しい花見を、長男にとって嫌な思い出にしてしまいたくない。
だけど……。
わたしは自分で作ったお弁当がどうしても桜の木の下で食べたかったので、せめても……とおにぎりを握った。
ホントは、卵焼きや唐揚げ、ウィンナーなども入れたかったなぁーと思いながら。
嬉しさと、悲しさと、切なさとグルグルした気持ちで、わたしはおにぎりを握った。
そして、はたと気づく。
わたし、意外と料理するのが好きなのだなぁと。自分で作るご飯が実は好きなのだなと知った。
マックにすれば、手間のかかる弁当を作らなくていいし、ラクできる。さらに洗い物も出ないし、楽ちんだ。
3月は詰めて働いていた自分、少々寝不足なので休むのも大切だ。
……などなど、頭の中に、花見の弁当よりマックを買うといいもっともな理由やメリットを色々と考えてみた。
それでも。
わたしは「簡単でもいいからお弁当を作りたい」と思った。
外で食べるお弁当は美味しいし、なんだか温かい。なにより手作りした自分のご飯は、スッと体に馴染む感じがする。体がホッとしているというか。
反面、普段の夕飯作りは「面倒だな……」と思うことも最近は多いので気づかなかった。
料理は好きだけど、普段の平日は仕事に家事にとやることが多すぎて体力がなかったから、面倒に感じていたのだなぁと。
だって休日で少し時間に余裕があった今日は、普通にお弁当を作る気満々だったから。
人は「本当は好きなこと」だけれど、時間や心に余裕がなければ、本当は好きなことも面倒に、億劫に感じてしまうこともあるのだと知った。
これは、私だけではなく忙しい大人たちはありがちな現象なのかもしれない。
私の場合は今回「料理」だったけど、人によっては趣味だったり、仕事だったりするのだろう。
だからこそ、今後は「面倒だな、億劫だな」と感じたことは「それは今、疲れて余裕がないから思うこと?元気なときは、どうだろう?」と一度自分に問いかけるようにしたい。
本当に大切なものを見失わないために。
「料理が嫌になる過ごし方はしない。もしそうなったら、何かを見直すべき」が、わたしの人生には多分、大切なのかもしれない。
たまにならいい。けど、忙しくて外食が続いたり、冷食や既製品が続いたりしたら、楽チンで時短になるのにも関わらず、心のどこかでシュンと切なくなる理由がわかった気もする。
本当はわたし、自分で作りたいのだ。
家族や自分のために。
わたしは今日、長男の正直でややショックを受けた言葉から、大切なヒントを得た気もする。
桜の木を見ながら食べた、自分のために握ったおにぎりの味は、じんわり体も心も満たしてくれた。
(子どもの頃、自分の親もこうやっておにぎりを握ってお花見に連れて行ってくれたっけ……。おいしかったなぁ。)
案の定、長男はハッピーセットに夢中だったけど、「おいしいね」とおにぎりを食べる主人や次男を眺めるのもまた、しあわせな時間だった。
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子どもの発言って、やっぱりおもしろい。ときに、ハッとする気づきが得られる。
そしてありがとう、マックのハッピーセット。
そして桜たちも、大切なものを忘れないで、と知らせてくれたようだ。
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