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寝言



まだ幼く、眠れずにいる夜に母が寝言で、私の知らない名を呼んだ。母の堕胎した過去を、叔母が嘲るのを盗み聞いたことがあったから、生まれなかった子どもにつけるはずだった名ではないかと慄いた。なんという名だったか、もう忘れてしまった。私はいつか我が子をもって、忘れたままにその名をつけてしまわないか時々不安になる。




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