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【📖レビュー】子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本|江口祐子


読んだ感想


SNSでおすすめされていて気になっていた本。図書館で予約をして借りてきました。元AREA with Kids編集長・江口さんが、子育て・教育雑誌に関わる12年間の中で出会った群臣の教育本とそのエッセンスがわかりやすくまとめられています。100冊の本の大事なポイントだけがまとまっているので、「読んでみたいなぁ」という本にたくさん出会えました。そして、さっそく本の中で紹介されていた書籍をまた図書館で予約してしまいました!
大事なポイントは、文字が少なくイラストもかわいく読みやすい!手元に置いておきたいなぁと思える本でした。

この本で伝えていること


この本は元AREA with Kids編集長・江口さんが子育て・教育に関する長年の編集人生の中で、一人娘の母として「これはスゴイ!ぜひ覚えておきたい」と思ったことを厳選してまとめられた本です。全部で5つの章にまとまっていて、その中でもテーマごとに細分化されているので、気になるところからページをめくってみることもできます。
もはや目次だけで「ふむふむ」満載です!

Chapter1 何度も出会った「これスゴイ!」

Chapter1には多くの本に出てくる子育ての基本についてのキーワードがまとめられています。

・些細なことでもあえて「自分で選ばせる」→「自己決定力」が育つ

様々な教育ノウハウの中で著者が一番大切にしたいと思うことがこれ。
まずは2つから選ばせる。
「お茶と牛乳どっちがいい?」
「ハンカチどっちを持っていく?」

着替えを嫌がる子供には、
まず「ママの洋服、こっちかこっちどっちがいいかな?」→「次は〇〇くんのお洋服を選ぼう!」というテクニックがおすすめ。

子どもの自己決定を促すための何かトラブルが起きた時の魔法の言葉
1「どうしたの?」(「なにか困ったことはあるの?」)
2「君はどうしたいの?」(「これからどうしようと考えているの?」)
3「何を支援してほしいの?」(「先生になにか支援できることはある?」)

『最新の脳研究でわかった!自律する子の育て方』より

▶紹介されている本

・基本は「失敗OK!」にする→「自己肯定感」がついて挑戦できる人になる


『子どもの自己効力感を育む本』の著者の松村亜里さんは、大切なことは結果より挑戦してみること、失敗した後「じゃあ、どうする?」と次なる手を考えることを“理想の未来に思考を飛ばす”と表現されています。

親が失敗を怒ってしまうのは、「子どもが失敗している姿を見ること」への絶望感と「自分の手間が増えること」への怒りが原因だと著者は記しています。

子どもの失敗を、「次はどうする?」という考えるきっかけにし自己肯定感や思考力を伸ばすものというように捉えたいですね。

▶紹介されている本


・子どもしっかり「観察」する→その子だけの「個性」や「良さ」が見つかる


育児書にある〇か月で首が座り、〇か月で一人座りをして、といった平均のお話に惑わされるとわが子の発達スピードに一喜一憂してしまいがち。

親が自分軸で子どもを見ること、じっくり子どもを観察し、たとえがそれが短所であっても『らしさ』として認めてあげることが大切。

全盲でピアニストの辻井伸行さんのお母さんは、伸行さんの並外れた張力の良さに気付いたのも、洗濯機や掃除機の生活音に敏感すぎて泣き止まないという一見短所と思われることを慎重に観察したからだったそうです。

子どものちょっとした変化に敏感でいたいものです。

▶紹介されている本

・「遊び」や「部活」を大切にする→将来に役立つ「非認知能力がつく」


非認知能力を高めるのに有効なことは、外遊び。調整が必要な異学年との外遊びは尚良し。

木登り、かくれんぼ、缶蹴り、秘密基地づくりなど昔ながらの定番遊びがおすすめだそうです。

夢中で遊んでいる子は、『問い』を持ち、『探求』し、『学び』を実践している、つまり『アクティブ・ラーニング』を実践しているそうです。

▶紹介されている本

・友だち家族と旅行に行く→「人と関わる力」がつく

親子・きょうだいのタテの関係だけでなく、同学年の友達とのヨコの関係、さらに同学年の子の親といったナナメの関係にふれることで幼少期からのコミュニケーション技術を高めることができます。

いろんな関係に慣れていることで人と関わる力が付き、人と関わる喜びを感じることができるのです。

▶紹介されている本


Chapter2 新しい教育観が身につくキーワード


時代とともに教育観も変化しています。Chapter2ではアップデートすべき教育の価値観がまとめられています。

・(×)甘えを許すとわがままになる→(〇)いろいろやってあげると自信がつく


抱き癖が付くから抱っこはしすぎない方が良い、と言われていましたが、最新の定説では、スキンシップはなるべくする方が良いとされています。

その理由は、『自立』の元になる『意欲』は、『安心感』が必要だから。
安心感を得るには親にたっぷりと甘えたいときに甘えた経験が重要だというのです。

ただし、「おもちゃ買って」「おやつ食べたい」といった物質的要求に無制限に答えることは『甘やかし』になるため推奨できません。

親への愛情確認ともいえる精神的な要求にはどんどん応え、物質的な要求は制限することが大事だそうです。

親への信頼感が満たされていないと、他人に対しても信頼感が持てず、周囲にやさしくできなくなるとも書かれています。

▶紹介されている本

・(×)なんでもほめよう→(〇) ほめ方を工夫する


無条件に愛情を注ぐ=なんでもほめる、となりがちですが、実はそうではありません。 

『ほめる』=子どもに“こうあるべきだ”を刷り込む行為になりえるからです。

そして、100点をとったから、〇〇ができたから、という結果をほめることは、“出来ない自分はほめてもらえない(愛されない)”という条件付きの愛情と子どもが認識してしまうのです。

そうならないために、結果の善し悪しに関わらず、プロセスを見てできるだけ具体的にほめましょう。

そのためには、行動をしっかり観察することが重要。Chapter1にも出てきた
“子どもしっかり「観察」する→その子だけの「個性」や「良さ」が見つかる”の教訓が大切になるのです。

子どもは人の役に立ちたいと思っています。ほめるのではなく「助かったよ」「ありがとう」「挨拶してくれてうれしいな」「掃除して気持ちいいね」など子どもの働きがどんな影響を与えたかを説明することがおすすめです。

▶紹介されている本

・(×)みんなと同じがいい→(〇)みんなと同じでなくていい


みんなと同じでないといけないという同調圧力や、みんなと違うと不安という気持ちの対処方法は、まず親が身に着けておきたいスキルです。

紹介されている中で、読んでみたいなと思ったのは『友だち幻想 人と人との〈つながり〉を考える』と、『整理整頓 女子の人間関係』。 

前者は「みんなと仲良くしないといけない」「友達は多い方がいい」という学校で刷り込まれたプレッシャーから楽になる思考やSNS上のコミュニケーション等についての本。

後者は精神科学で女性特有とされる行動に巻き込まれても精神を疲弊しないための方法が説明されています。

▶紹介されている本

・(×)嫌というな→(〇) 嫌と言っていい


感情を育てることにフォーカスを充てた本が紹介されています。

ヤフー株式会社のCSOの安宅和人さんの『シン・日本  AI×データ時代における日本の再生と人材育成』には“心のベクトルを育てよ“とあります。

それは、自分が何に感動し、何を美しいと思い、何を嫌だと思うのか、自分だけの意思や感情を作ること。

そのためには、嫌なものを嫌と思える感情を大切にすることが重要です。

つい言ってしまう「我慢しなさい」「一生懸命しなさい」「急いで」などは感情を受け入れないことになります。

まずは、子どもの嫌という気持ちに共感してあげる姿勢が大事だと思いました。

▶紹介されている本

・(×)子どもの才能は早く見つけてあげるべき→(〇)才能は見つけるものではなく育てるもの


才能があるかないか、その子の才能は何か、親は結論を急ぎがち。

子どもが何かに没頭し夢中になることに捉われすぎている人が多くいます。

才能とはキラリと光る生まれ持った能力ではなく、様々な努力の結果であり、努力の動機付けが大切であると書かれています。

そういった意味で、親は子どもの興味、やりたいことを一緒に見つけてあげることが大切です。

▶紹介されている本

Chapter3 ぜひ身に着けておきたい親の習慣


子どもに向き合う心構えやテクニックだけをインプットしても、親の思考や性格が変わらなければなかなか実践はできません。普段の生活を見直し、まずは親から良い習慣をと入れましょう。

・きょうだいを比較しない→大人になってもいい関係が長く続く


つい比較してしまいがちなきょうだいをどう扱うか。

ここでも重要になるのが個々に向き合うこと。

アグネス・チャンさんの「子どもの性格はすべていい。悪い性格なんていない。」という言葉が印象的でした。

▶紹介されている本


・怒りの感情をコントロールする→毎日のストレスから解放される


育児だけでなく様々な人間関係でも有効なアンガーコントロールや、愛子様の育児にあたって天皇皇后が読まれているとうことで有名になった『子どもが育つ魔法の言葉』という本が紹介されています。

この本には、子どもは親を手本として育つ、毎日の生活の親の姿が大切とされています。 

親がカッとしてしまうとき、どんな言い方、仕草をするか、子どもはしっかり見ています。

そのことを常に心に留めておきたいものです。

▶紹介されている本

・夫婦で話し合う習慣がある→その家の新しい文化ができる


男性と女性の根本的な捉え方や考え方の違いや危険性を理解してはじめて、思い込みのない建設的なコミュニケーションが取れると思います。夫婦理解のための本が紹介されています。

▶紹介されている本

・今日この日を大事に生きる→将来に対する不安が減る


印象に残ったのは、“ダメな逆算”と“良い逆算”という言葉。

“ダメな逆算”=大学受験に失敗しないため、将来恥をかかないため、といった親の不安(価値観)を子どもに押し付け子どもの人生を選んでいくこと 

“良い逆算”=大きな目的にむかって小さな目標を立て、達成していくことによって理想に近づいていく場合

また、堀江貴文さんのメッセージ「未来を恐れず、今この瞬間を生きることに集中せよ」も印象的でした。(自分も毎日一生懸命生きているだろうか、、、)

▶紹介されている本

Chapter4 勉強・受験の勘違い

勉強を楽しめる子とは?受験の乗り越え方についてのキーワード

・(×)大きくなれば自分から勉強するようになる→(〇)1日5分の習慣づけが大事


中学受験が始まるのは小学3年生の2月。しかもその学習量は膨大。

その時になって初めて「さぁ勉強しなさい」では勉強が嫌になってしまうことは目に見えています。

勉強=当たり前の習慣化することの大切さや方法についての本が紹介されています。

幼児期には、学習習慣(ぬりえをする、迷路など何かに取り組む時間をつくる)・話を聞く力・時間の間隔・数字の間隔を身に着けておくと良いそうです。

▶紹介されている本




・(×)思考力は高学年からつく→(〇)思考力のペースは小3までにつく


算数の思考力はChapter2の非認知能力ともいえます。

思考力を伸ばす方法として、三角定規を使ったパズルやクイズでおなじみの松丸亮吾さんのナゾトキが紹介されています。

▶紹介されている本

・(×)勉強を教える時間は黙って聞かせる→(〇)子どもに質問をしながら教える


具体的な勉強の教え方についての本が詳細されています。

重要なのは間違ったときや躓いたとき 
「どれどれ、一緒にみてみよう。ここはどう考えたの?」という声掛け。

どこで間違えたかを自分で見つけることが学びになるといいます。

▶紹介されている本


・(×)勉強をする時間は机の前に座って姿勢よく→(〇)子供が楽しく学べれば何でもよし


勉強を楽しいこととし子どものやる気を引き出す方法についてのについて書かれた本が紹介されています。中学受験専門塾「伸学会」の菊池洋匡さんが提唱する「ARCSモデル」が気になりました。
Attention(注意→面白そう!)
Reason(理由→役立ちそう!)
Confidence(自信→出来そう!)
Satisfaction(満足感→やって良かった!)

▶紹介されている本


・(×)中学受験は塾に入れば何とかなる→(〇) 中学受験は親の知識とサポートが必須


中学受験に向かうにあたって親としての知っておきたい情報や、親としての心構えについて書かれた本が紹介されています。

▶紹介されている本

Chapter5 その他の注目キーワード


学校生活を送るうえで必要な勉強以外のキーワードについて紹介されています。

・まずは親がお金の価値観を見直す→子供の「金融教育」の基礎になる

・学校に行かない選択しもあることを知る→不登校に関する偏見をなくす


・発達障害 学習障害 正しい知識で早めの対応を→成長してからの「二次障害」を防ぐ


・スマホ、ゲームの付き合い方を親子で考える→いろんなものと上手に使える人になる

子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた
著者 :江口祐子
出版元:ワニブックス
発行 :2022/5/1

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