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この片想いに終わりを告げる

2年前に1つ記事を書いたんですけど

ここから2年の間で新しく好きな人が出来たんですよね。

また人を好きになれるなんて思ってなかったから凄く嬉しかったし楽しかったし苦しかった。

思い返してみると結構良い感じな瞬間もあったんだけど、
まあ、もう終わらせた方が良いなって思って。

また片思いで終わってしまったね。


最初に彼と会ったのは友達が呼んでくれた飲み会で、相手もたまたまそこに呼ばれたって感じ。正直、一目見たときから“カッコ良いな、タイプだな”と思った。

飲み会中少しだけ話して、探り探り会話していくのが楽しくて、二人で抜け出してコンビニまで散歩した。駅で別れるとき向こうから連絡先を聞いてくれた。
「何かあるかな?」と少し期待しながらも、当時はまだそんなに恋愛モードじゃなくて、何か進展させようとは思ってなかった。


でも、向こうからご飯誘ってくれて、友達にも「行けよ!!!」ってプッシュしてもらったから、乗り気じゃなかったけど一緒に飲みに行った。

その時は長時間話したわけじゃないけど、家族の事とか仕事の話とか今までの学生生活とか、恋愛の話とか、色々聞いて、少しだけその人の中身を知れて嬉しかったし、気持ちがグッと傾いた。
「こういう音楽聞くんだな」「お酒飲んでちょっと赤くなってるな」「真面目な人なんだな」「ちょっと不器用なんだな」「今の仕事好きなんだな」
どんどん自分の中で相手の像が作られていく。


気づいたら夢中になってた。


テレビを見ていて、エンタメ特集コーナーでとあるグループが取り上げられていた。
「これあの人が好きなアーティストだ!」ってすぐに思う。

楽しそうなイベントがあると「あの人誘って一緒に行きたいな。」って思いつく。


日常のふとした瞬間に、彼の事を思い出す。毎日の生活の中に彼の存在が徐々に大きくなっていく。


デートは本当に楽しかったな。
本当どうでも良いやり取りも含めて、家に帰るといつも相手の言葉を何度も繰り返してた。

ただ、心配だったのは、私は会う度に彼への想いが強まっていったけど、彼は私の事好きじゃないのかもなという様子が汲み取れたこと。
あからさまに嫌がられているとかじゃなくて、恋愛対象として見られてない気がして。
とは言えいつも向こうから連絡来てたから、自分の中で湧き上がってくる"都合の良い女にしたいだけなのかも"という考えを必死に見て見ぬふりをした。


最後にデートしてから、しばらくお互い忙しい日が続いて、なかなか会えなくなった。
もう終わりかな、脈ナシだな、告白もできないんだって思ってた頃に、パッと連絡が来た。



「会いたくなった」



時刻は23時。




普通だったらわかる、「会いたい」ではなく”ヤりたい”だと。


でも、好きな人だったから。
しかも私寂しかったから。
都合良く解釈して「私の事好きだから会いたいんだ!」って自分に言い聞かせた。
時間的に私が相手のとこに行くにしろ、向こうが私のとこに来るにしろ会うのは0時を回る。どうするか悩んでた時に向こうから「家行っていい?」と連絡が来た。
どういう状況になるかなんて予想出来るけど、でも自分自身の”会いたい”って気持ちを抑えきれなくてOKした。


最寄り駅に彼を迎えに行って、コンビニでお酒とおつまみと翌日の朝ごはんを買った。
家に着いてからお酒を飲みながら、近況とか共通の友達の話とかハマってるアニメとか、取り留めのない話題を和気あいあいとした雰囲気で話した。なんか久しぶりに話して浮かれてたな、私。でも凄く愛おしい時間だったんだよ。

それで一時間くらいした後かな?彼が「横になりたい」と言ったのでベッドを貸した。

ベッドで横になる彼に、腕を引っ張られて、抱き寄せられて、
「そうだよね。こういう事になるよね。」と思いながらも私は身を委ねた。
今まで好きじゃない人と関係を持ってたからこういう行為を楽しいとか幸せだとか感じたことないけど、生まれて初めて好きな人に抱かれて高揚感と多幸感で気持ちがいっぱいになった。
それと同時にどこか冷静な自分もいた。
これは”好き”ではなく”性欲”だけで会いに来たんじゃないかと。

眠る彼の胸の中で決意した。
明日ちゃんと確認しよう。
なんで家に来たのか。私に会いたかったのか。私の事好きなのか。

私の事好きじゃなかったらもう会わない。そう決めた。

だって、好きな人のセフレは辛いから。


でもきっと彼なら好きじゃない子と寝ない。
そう信じて眠りについた。



翌朝、朝ごはんを食べて、音楽を流して、ゆったりとした時間を過ごした。
ちょっとだけ彼から何か言ってくれないか期待したけど、結局他愛もない会話しかしなかった。
11時ごろ
「そろそろ行こうかな」と彼が立ち上がり、また飲みに行こうねとだけ言って立ち去ろうとしたので、私は腕を掴んで引き止めた。

「何で家来てくれたの?」
彼は何も答えない。

「会いたかった?」
「うーん、会いたかったのかな?」
なんでそんな煮え切らない態度なの。


「私の事好きだから会いに来てくれたんだと思ってた。」

少し沈黙した後
「自分の中でまだ迷いがある」と彼が答えた。

”迷いがある”って曖昧な答えのように感じるけど、はっきり答え出てんじゃん。別に好きじゃないんでしょ、私の事。
振られるって分かったけど自分の気持ちをはっきり言葉にしたい衝動を私は抑えきれなかった。

「私は好き。」
彼は何も言わなくなった。

「まあ、好きかわからないんだもんね。」
少し沈黙した後、彼がうんと呟いた。


もう呆れて、じゃあ、またねと言って送り出したけど、正直「また」なんてものは無い。
好きでもない人の家に来てヤって帰るような雑な扱いをする人間を追うべきではない。都合の良い女にされて終わりだから、今後連絡を取り続けても幸せになることはない。そうわかっていた。

でもやっぱり、好きな人に好きになってもらえなかったという現実が辛くて苦しくて、その日は一日中全く体が動かなかった。
なんか、本当に好きだったんだな〜あの人のこと。


不貞寝から起き上がったあと、ふとゴミ箱を見たら、あの人が捨てていった煙草の空き箱を目の当たりにして無性に腹が立った。
すぐにゴミを纏めてゴミ置き場に投げ入れた。


今日が火曜日で良かった。明日は可燃ごみの日だから。





久しぶりの恋。
焼却炉の中でどうか、灰になってくれ。







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