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社内の悪口を禁止にしてみた結果

私の会社は全社員に対して悪口を禁止しています。

同僚や上司の悪口はもちろん、取引先・お客様など関係する人、つまり全ステークホルダーに対しての悪口が禁止です。

このルールを決めてから二年ほど経過しますが、社内に何もデメリットがなく、いいことばかりです。


今回は、私の会社がなぜこのルールを作っているのか、そしてその結果どのようなことが起こったのかをまとめたいと思います。


なぜ悪口禁止なのか

まず、前提としてみんな他人の悪口を言うのが大好きですよね。会社の人とランチや飲み会に行けば、「あの部署の◯◯さんが仕事遅い」とか「先週取引開始したクライアントの▲▲の担当者が最悪でさー」みたいな話が出てくるでしょう。

なぜ人は悪口を言うのが好きなのでしょうか。こんな記事を見つけましたが、人は悪口を言うことで劣等感を補ったり優越感を得たりしているそうです。

昨今のワイドショーなどを見ても、誰かをこき下ろしているネタのほうが多いですよね。多くの場合、人は誰かを貶めたほうがスッキリするし、なんだか楽しいし、その場では一体感が出たりするのです。


ただ、悪口は聞く側からすると楽しいものとは限りませんし、悪口言われている人が自分の親しい人だったりすれば、かえって不快です。


私はサラリーマン時代、同僚との飲み会や、上司との会食などで出てくる他人の悪口が大嫌いでした。最初のうちは会社の会合にもちょくちょく顔を出して黙って聞いていましたが、こういう悪口は聞いているだけで不愉快なので、徐々に「できるだけ会社の会合には行かない」と決め、最後はほとんどすべての飲み会を断るという状態になっていました。


ただ、悪口というのは飲み会や会食を断っても、業務の日常的な場面でも遭遇します。会議や同僚との何気ない会話でも、バンバン出てくるでしょう。気になる場合はさすがに「そういう事言うのやめようや」って諭したりするのですが、毎回毎回そういうわけにも行かず、我ながらめんどくさい性格だなと思っていました。


悪口を禁止にして起こったこと

サラリーマンであれば、ある程度我慢するしかないと思っていたのですが、自分の会社ならば別です。

前々から社内でそういったネガティブな発言は注意したりしていたのですが、二年ほど前から明確に社内に社員の行動指針として定めました。

ステークホルダーへの悪口を全面的に禁止する

というものです。

もちろん人間なので、うっかり出てしまうことはあるのですが、何しろ社内では禁止なのですから、基本的にそういった発言はあまり出ませんし、出たとしても周りからすぐに「悪口禁止ですよ!」とたしなめられます。私ですら注意されるほどです。

明文化されたルールなので、すくなくとも社内の会議ややりとりで誰かを悪く言うような発言はほどんど出ません。

めちゃくちゃ腹が立つようなことがあっても直接的な悪口は言えないので、みんな工夫しながら発言をすることになります。


例をあげると、このような感じです。


(悪口の例)
総務部に配属になった新人の鈴木、仕事遅いしミス多いしすげぇ使えないんだけど。腹が立つわ〜。誰かなんとかしろよ。

(トライエッジ)
総務部に配属になった新人の鈴木。ミスが多いし業務時間内に終わらないことも多くて、仕事のスピードや精度に課題が多いと感じるもっと課長の田中さんがフォローに入ったほうがいいよね。



悪口が出る背景には、何らかの問題や課題が存在しています。そういった情報には積極的に組織として取り組まないといけないですし、報告はしてもらいたいと思っています。なので、言い方には気をつけてもらって社内で情報を流してもらってます。

ちなみに、社内でよく使われている「課題をポジティブな言葉に変換できる便利用語」を羅列します。

・課題がある
・まだ慣れてない
・伸びしろがある
・タフな相手だ
・苦戦している
・得意領域にずれがある

あと、課題は言いっぱなしではなく「こうしたらどうか」という自分の意見もできるだけ添えるようにしてもらってます。課題を認識している人は、なんらか「こうしたらどうか」という解決策の案を持っていることも多いからです。こうやると、よりポジティブな感じになります。


悪口禁止はメリットだらけ

正直このルールはデメリットが何もなく、メリットばかりと感じています。メリットを挙げてみましょう。


1. 社内の雰囲気が良くなる

悪口はその場では楽しいですが、結果的には社内の雰囲気に対してプラスになりません。雰囲気が良くなると、人間関係が良くなります。そして人間関係が良くなると離職者が減ります。


私の会社はここ3年ほど、社員の離職がゼロなのですが、人間関係や職場の雰囲気が大きく寄与していると思っています。
(一概に「離職少ない=良い会社」ではないと思っていますが)

社内の有望な人材がやめないのは、会社にとってはプラスだと思います。



2. コストがかからない

ルールを決めるだけなのでお金かかりません。何かシステムを導入するとか、コンサルティングに入ってもらうとかではないので、「今日から悪口禁止にするよ」って言うだけです。

そして準備も時間もかかりません。何なら今日から出来ます。


3. ネガティブ人材を減らせる

悪口が禁止なことは、採用面接のときにもはっきりと言ってますし、募集要項にも載せてます。


「悪貨は良貨を駆逐する」といった言葉や「腐ったりんご理論(下記の記事参照)」でもわかるように、社内に優秀な人材を確保するのと同じくらい、社内に悪影響をもたらすネガティブな人材への対処は重要だと思います。

悪口禁止にすると、そういった社員があまり入ってこなくなりますし、いたとしてもネガティブ要素を出しにくくなります。




まとめ

このように社内で「悪口を今後一切禁止する」と宣言することは、実践した僕らからすると、メリットばかりでデメリットはほとんど無いと思います。


私の会社の面々には「悪口を言いたければ家族とか友達とか社外で発してください」と言っているので、もしかしたらそうしているのかもしれないですが、それであれば社内の雰囲気に影響はありません。


みんなやればいいのにな、って思ってます。


これを読んでいる人が経営者やチームのリーダーならば、是非取り組んでいただきたいです。



一つ重要なのは、このルールを決めるときには、自らがそういう発言をしないと肝に銘じることです。

リーダー自らがルールを守ってこそ、みんなが守りますので。
(自戒を込めて)




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