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Notionのチャート機能でダッシュボードを作ってみました | SansanプロダクトマネジメントでのNotion活用術[11]

こんにちは、Sansan事業部プロダクト室PMOの尾部です。私はプロダクトオペレーションを担当しています。Sansanプロダクトのプロダクトマネジメントにおいて、Notionをどのように活用しているかを連載でご紹介しています。



2024年8月14日に、Notionのチャート機能がリリースされました。Sansan社はテクノロジーの活用やスピード感を大事にしているため、当日にダッシュボードを作成し、翌日にこの記事を書きました。

Sansanのような大規模なSaaS企業では、日々膨大なデータが生成されます。PMOとして、そのデータを効率的に管理・分析するために、Notionのチャート機能をカスタマイズし、多様な確度から即座に状況を把握できるようダッシュボードの構築を試みています。
結論、Notionのチャート機能を活用することで、作業進捗やリソース配分をリアルタイムでモニタリングし、プロセスのボトルネックを早期に発見できそうです。
それまでは、Notion上のデータベースをエクスポートし、スプレッドシートに貼り付けてチャート化していました。しかし、この方法ではリアルタイム性がなく、チャートのメンテナンスも手間がかかるため、次第に運用が難しくなってきました。
しかし、Notionのチャート機能を使って一度ダッシュボードを作成すれば、毎回の手間がゼロになり、見たいときにいつでも最新のデータを確認することができます。
連載の通り、Sansan事業部プロダクト室には多くのデータベースがあります。その中でも、フィードバックのデータベースとプロダクトバックログで有効なチャートの可視化ができると考えました。

一部、完成したのでご紹介します。

フィードバックのダッシュボード

フィードバックからプロダクトバックログアイテムを立てることはしますが、俯瞰して優先順位を立てることがまだできていません。要望の多いドメイン(機能)に対して、バックログアイテムを立てるなど伸びしろを見通したいところでした。また、フィードバックの投稿数や内容の質を上げてプロダクト企画に活かせないかと検討していました。
ダッシュボードに可視化することでその傾向を拾うことができたのでご紹介します。

前提

前述の記事

と重複しますが、Slackで投稿されたフィードバックをGoogle Apps Scriptを用いてNotionに自動的に取り込んでいます。Slack上でドメインのリアクションアイコンを付けると、自動的にNotion上のフィードバックのレコードにドメインが紐付けられるようにしています。

フィードバック投稿数推移




フィードバック投稿数推移は2023年10月までは右肩上がりでしたが、その後急激に下がっています。詳細を見ると、投稿メンバー数が減少していることがわかりました。フィードバック数を増やすために各部でアナウンスを強化していましたが、今年に入ってその施策をやめたことが影響していると考えられます。

機能分類別 フィードバック数 対 検討中プロダクトバックログ数

チャート①〜④
フィードバックが多いドメインはどこなのか、その比率に相対するようにプロダクトバックログアイテムとして検討は進んでいるのかを確認するために作成しました。
詳細はお見せできませんが、フィードバック上位2-3位までの機能はプロダクト企画が進んでいますが、次点以降はあまり着手されていない機能があることがわかりました。
要望が多い領域に対するプロダクトマネジャーの人数なども再検討の余地があるかもしれません。
そもそも分類の判断ができないことで、何も振り分けられていないフィードバックが今月だけで67%あるので、見直しが必要です。
チャート⑤
前提として、プロダクトバックログアイテムにはフィードバックを紐づけてカウントしています。1つのプロダクトバックログにフィードバックが1件もつかなかったり、10個以上紐づいたりします。
⑤は、プロダクトマネジャーが検討しているプロダクトバックログに何個のフィードバックが紐づいているかを可視化しました。言い換えるなら、プロダクトマネジャーが何個のフィードバックを解決しようとしているかがわかります。

フィードバック投稿者ランキング

2024年の投稿者ランキングを見てみました。直近1年で投稿数が最多だった2023年10月と直近1ヶ月の投稿者ランキングも、隣のビューで比較できるようにしています。
自分が投稿した要望が企画・開発されると、また投稿するモチベーションにつながります。そのサイクルを作ることが理想です。トップのメンバーがチャートでわかるようになったので、彼らの要望が企画検討されているか、データベースを見て調べました。必ずしも投稿数がトップのメンバーの要望が多く企画・開発されているわけではありませんでした。ランキング10番目のメンバーの要望が多く企画・開発されていたのです。
単に投稿数を増やせば要望が通るわけではなさそうです。仮説ですが、その要望が広く影響する内容であったり、顧客のペインや業務の解像度が高く共感を持てる投稿の書き方がされていたりするなど、要因があると考えています。調査してみたいところです。

プロダクトバックログチャート

現在企画を検討しているプロダクトバックログアイテムの保有数をプロダクトマネジャーごとに示しました。
一番左の2名は「検討の価値があるか調査しているフェーズ(紫・青)」+「検討が具体的になっているフェーズ(緑・黄)」で、最も多いバックログアイテムの数を持っているプロダクトマネジャーです。全体的な件数が多いわりに、緑・黄色の検討が具体的になっているフェーズの件数は少ないです。

一方で、緑の矢印で示した中心あたりの2名は全体の件数は少ないながらも、具体的に検討を進めている企画が多そうです。違いの解明はまだできていませんが、検討の進め方に何かヒントがありそうです。
その他にも、企画推進のリードタイムなどの可視化も試してみたいです。
プロダクトバックログのダッシュボードは、これからも引き続き検討していきます。

PMOとしての学び

フィードバックのダッシュボードはすぐに完成し有効なインサイトが得られました。一方で、プロダクトバックログのデータベースは難しさを感じました。この違いは、私自身がフィードバックに対する課題の仮説を、チャート機能がリリースされる前から持っていたためでした。つまり、可視化したいポイントが明確だったかの差でした。
PMOやProduct Ops.を担当される方は、プロジェクトマネジメントやプロダクトマネジメントの課題の仮説を持ち、どのスライスで見ると課題発見できそうかを日々持っておかれると良いかも知れません。
新たな活用法を発見したら、改めてご紹介させていただきます。



Sansanでは積極採用中です!当社VPoPの記事をぜひご覧ください。


SansanプロダクトマネジメントでのNotion活用術シリーズ


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