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Sansan事業のプロダクトマネジメントはなぜ魅力的なのか

こんにちは。CPO補佐 兼 VPoP(Sansan事業部)の西場(m_nishiba)です。

Sansan事業部ではPdMやプロダクトデザイナーの組織を拡大させており、組織やプロダクトの状況について外部の方と話す機会が多くあります。外部の方と話すと「Sansanはすでに完成しているプロダクトだと思っていたが、実際はまだまだ発展途上だった」、「PdMの人数が多くやれることが限定的だと思っていたが、課題発見フェーズからオーナーシップを持って取り組める環境だった」という外部からのイメージと実際のギャップが大きいという感想をよくいただきます。
そこでこの記事では、Sansan事業部のプロダクトマネジメントの魅力について説明したいと思います。

Sansan株式会社は複数のプロダクトをどのような体制で開発しているのか?

Sansan株式会社には「名刺管理から、収益を最大化する」Sansan、「請求書受領から、月次決算を加速する」Bill One、「契約データベースから、収益を最大化する」Contract Oneなど複数のプロダクトがあります。
事業組織と機能組織のマトリックス組織体制がベースです。次の図のようにプロダクトマネジャー等の横断的な機能組織があり、各事業と連携してプロダクトを開発しています。
私は横断組織であるCPO室(プロダクトマネジャー等が所属している)の室長と、Sansan事業部のVPoP(Vice President of Product)を担っています。採用や育成をCPO室で強化しつつ、VPoPとしてSansan(プロダクト)に責任を持っています。

現在、CEOである寺田がCPOを兼務しており、各事業のVPoPやPdMが定例でCPOの寺田とプロダクトについて議論しています。寺田との議論を通じて私自身も引き上げられていると感じています。

Sansan事業には10人以上のPdMが必要である。

現在、10人のPdMがSansan事業に関わっています。今後も社内異動や採用を通じて仲間を増やしていく予定です。10人では手が回らないくらいにやりたいことが多くあります。またSansan(プロダクト)には多くの機能があり、それらの機能をアップデートするだけではなく、ステップチェンジを起こすような取り組みも必要です。さらに裏側のアルゴリズムやデータ収集についてもプロダクトマネジメントが必要になります。Sansan(プロダクト)を分割し、複数のプロダクトの集合体とすることもできますが、そういった戦略はとっておらず一つの大きなプロダクトとしています。分割した場合は10個以上のプロダクトになりうるため、1プロダクト1PdMだったとしても10人以上が必要になります。それくらいプロダクトとして規模が大きなことを行っています。

Sansan事業部のPdMはどの領域をやっても良い。

「機能単位で担当を決めて分担しているのですか?」と聞かれることも多いです。実際は機能単位などで担当は決めておらず、誰が何をやってもいい、という方針にしています。というのもSansan(プロダクト)ではジョブ理論をベースにプロダクトマネジメントを行っています。ユーザーが一つのジョブを解決するためには複数の機能を活用する必要があります。さらにSansan(プロダクト)だけではなく、Slack、スプレッドシート、Web検索などを組み合わせてユーザーはジョブを解決しています。ジョブ単位で背景の深堀りから課題発見、ソリューション検討を行うため、機能単位や領域単位での担当は決めずに自由にやって良いことにしています。そのため各PdMが顕在化していない課題発見のフェーズから取り組みます。ただし、もちろん最終的に何をどのようにどの順で解決していくかはVPoPが意思決定を行いプロダクト病の一種である戦略肥大(ラディカル・プロダクト・シンキング イノベーティブなソフトウェア・サービスを生み出す5つのステップ)を防いでします。余談ですが、Sansan Labs(Sansan LabsにおけるGPT活用事例)がSansan(プロダクト)の戦略肥大を防ぐ役割も果たしています。

Product Quality向上とStep Changeの両方を行う。

プロダクトマネジメントの文脈で「Delivery」と「Discovery」というフェーズの違いについて語られることも多いと思います。Sansanでは全員がその両方のフェーズを自分で担います。そのため、フェーズによる役割分担はありません。
一方で、Product QualityとStep Changeという狙いの違いは常に意識しています。Product Qualityは既存の機能を磨き込んでいくことを指します。例えば、ユーザービリティの改善やアルゴリズム等の精度改善などがこれにあたります。プロダクトを磨き込むことにより顧客満足度を向上させ、SaaSで最も重要なカスタマーサクセスを実現することに貢献します。
もう一つのStep Changeは今までにないような価値を作ることを指します。Sansan(プロダクト)では1〜3年後のプロダクトのプロトタイピングを行います。このプロトタイピングはFigma等で作成し、このプロトタイピングを顧客に見せて「顧客が本当に欲しいものはなにか?」を探っています。Running Leanの初期のフェーズと同じことを行うわけです。つまり、プロダクトの新規立ち上げと同様のことをする必要があります。
両輪を走らすことでプロダクトは常に非連続な進化をしつつも、戦略肥大にならないようにバランスを取っています。また、これらの取り組みはPdMを育成する観点でも非常に効果的だと思っています。
これらの環境の中で他職種からPdMになった佐々木 寛也が一年間の自身の成長と挑戦について登壇します。私もパネルディスカッション等でPdMの育成について、こちらのイベントで話します。ぜひご参加ください。

シニアPdMにとってSansan(プロダクト)は魅力的である。

ここまで記載してきた通り、大規模なプロダクトで縦横無尽にプロダクトマネジメントを担うことができます。完成したプロダクトではないため、常にStep Changeを起こすためのプロトタイピングや市場調査を行うこともできます。
さらにSansan株式会社には、複数のプロダクトがあり今後それらの連携の強化も行います。もちろんプロダクトアウトで連携するのではなく、市場調査等を行いつつ、顧客のクリティカルなジョブを発見する必要があります。さらにグローバル展開も強化していくため海外拠点のメンバーを率いていプロダクトをリードしていく必要もあります
関連記事:Sansan株式会社、タイ駐在員事務所を法人化し、グローバル事業を強化
このようにSansan株式会社の今のフェーズは、プロダクトマネジメント領域においても非常にチャレンジングです。一緒にSansanをグローバルテックカンパニーにしていきましょう。


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