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「世界漂浪の記」 羽生隆 101選

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50年遅れの同じ日付で毎日投稿されていた羽生隆さんの旅行記「世界世界漂浪の記」の中から、何度も読み返したい特に印象深い投稿を集めました。
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2022年3月の記事一覧

❨187❩1972.3.6 月 曇  家族からの手紙と、マンコラに住む日本の人たち(Peru:Lima)

❨187❩1972.3.6 月 曇 家族からの手紙と、マンコラに住む日本の人たち(Peru:Lima)

市内にある日本大使館へ行き、二通の手紙を受け取る。
けんじ・りえ・姉ちゃんから、そして、レイコさんから手紙がもらえた(エンバハーダ)。
嬉しいものだ。励みと慰めになった。

けんじが思ったより利口な文を書いていたので見直した。
それに日本の羽生家では、俺をちょっと一目置いて見ているようで、気持ちいい。

レイコさんは、ハワイでの写真を一緒に送ってくれた。
桑原さん、上田さんも入っており、懐かしく

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❨191❩1972.3.10 金 曇  オクタビオの助手(Peru:Lima)

❨191❩1972.3.10 金 曇 オクタビオの助手(Peru:Lima)

この家に世話になって一週間。
2~3日のつもりが、積もり重なってしまった。

疲れも抜けた気がする。
胃の方が もう少しというところ。
毎日の様に町を見て歩いたり、買い物に出かけたりしている。

今日はリマから130km北の町まで、オクタビオの助手になって、ビジネスに出かけた。

持って行ったマネキンが全部売れ、彼は今日一日ホクホク。
中国料理の店へ連れて行ってもらったり、映画に行ったりで、俺ま

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❨200❩1972.3.19 日 晴  リオ・グランデの灯(Peru:Río Grande)

❨200❩1972.3.19 日 晴 リオ・グランデの灯(Peru:Río Grande)

23km走って、ダウン。
美れいな公園があり、しばらく横になり、足をマッサージする。
ちょっと、疲れが出てきたぜ。

この後10km走り、パンパの手前の村で昼寝。
三時半頃、雲が出てきて、日が陰り始めた。走った。

地平線に沈む真っ赤な夕陽。日本では見られまい。
砂漠を染めて、見る見る中に沈んで行く。
地平線に沈むまっ赤な夕日は、広漠たる砂漠を彩る唯一のデザイナーのように思えた。

夕暮時、見なれ

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