マガジンのカバー画像

亜熱帯のさなか

50
書いた詩を ここにまとめています。 若いころに書いた詩なんかも、織り交ぜながら 記憶を どこかに メモするように 細々と 書いています。
運営しているクリエイター

2023年1月の記事一覧

造る

何度たどっても
何度 繰り返しても

理想に 到達しない

痛みは 充分に感じた
罰も 充分に受けた

唯一 安らげる場所を
理想を

何もなかったとは
思いたくない

わたしは
今日も 一日を 繰り返す
#詩 #詩を書く #言葉

隔たり

あたたかい
ただただ
あたたかい 飲み物を
自身に届けて

窓の外の
真っ白な世界を一瞥している

隔たりを
到底 行き着くことはないだろう
その先を

想像でしか生きれない
過去の産物に
馳せる

あたたかい
ただただ
あたたかい 飲み物は
自身に染み渡る

余計なものを
全て 剥ぎ取ってしても
全然 意図する場所に
行くことができない

真っ白な世界には
わたしは 行けない

あなたなんかとは

ハイウェイを
駆け抜けて

何もなかったかのように
何も起こらなかったかのように

あなたなんかとは

いつだって
ハイウェイを
駆け抜けて
その先に行ける自信はあった
根拠のない自信は

いつだって
いつだって
やめてやる

あなたなんかとは

ただただ
ずるいだけの
あなたなんかとは

ハイウェイを
駆け抜けて
#詩

夜明け

夜が明けてゆく
わたしは
それを みている

わたしに出来る事と言えば
それしかなく
とても 無力だ

太刀打ちできない

すぐそばにいる
孤独を 持て余して

夜が明けてゆくさまを
わたしは みている
#詩 #詩を書く #記録 #記憶

海をおもう

弧を描く 水鳥が
届かない 羽をばたつかせて

勇気なく
泣きたい気持ちを
弱さを
懸命に隠して
老いてゆく

近くにいる
わかりあえない
群れた 同胞たちと
決別したい と
きっと 思おう

誰からも
愛されず
日々を 淡々と やり過ごす

それすらも
精一杯の勇気

見過ごせない
荒ぶる 意識

水鳥は
渡り鳥に きっとなれない
#詩 #詩を書く #自分の記憶 #感情を記録

融合

目が醒めると
朝から じっとりと
雨が降っていて

今しがたまで みていた夢と
それが 融合して
色落ちしてしまった ウールのセーターみたいな
情けない気持ちになった

やましいことのない
あるべき姿のまま
気取った装飾はない

きっと
あの人は
元気にしているのだ

会いたくとも
会いたいと言えない

雨を しばし 眺めている
#詩 #小説#記憶#融合#三文詩

迷い

憂いや
砂のかたまり
眠り

わたし

よろこびに
満ち満ちて
光さすほうへ
#詩 #小説#記憶#迷い#言葉をつづる

夏の暑い日

木陰にいるのに
とても 暑くて

新たな
忘れてた 胸の痛み

夏は じれて
たまらない

行き先がないから

痛いのか
暑いのか
泣きたいのか

わからない

時間だけが
どうしようもなく
経ってしまう
#詩 #言葉を綴る#自分の記憶 #忘れないように #感情

無題

帰ろうと思えば
すぐに 帰れる距離だったのに

あなたも
こちらに来ようと思えば
来れる距離だったのに

遠ざけていたのは

つまりは
遠ざける
ちゃんとした理由と
いるべき 場所の相違だけだった
#詩 #書いてます#記録#小説 #三文詩

きれてない糸 つづく形

ようやく 知ることになる

紡いできた時間は
瞬く間に
するすると
ほつれていって

また 元の木阿弥

それで 良かった
それで

先など なくても
その都度
確かめながら
紡いでいくのだから

糸は
途切れて いなかった
#詩をよむ #詩#記憶#小説

パラダイス

もう 思い出す余裕などないほどに
懐かしむ余裕などないほどに
がむしゃらに
生きろ、と
彼は 言ったのだ

ノスタルジアに 浸るなんて
ナンセンスだ、とでも 言わんばかりに

愛されていたんだ

普遍は
いつも そこにいて

色褪せて見えないようにするには

ただただ がむしゃらに
あわただしく
無為に

そうするしか
術はないと
彼は 知っていたから

叫びは
あらぬ方向へと
姿を変えて

それ

もっとみる